リンゴツマキリアツバ 成虫 Pangrapta obscurata (Butler, 1879)

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

この形の蛾は、我家の外灯下に結構来ている印象でスルーしそうになったが、ちゃんと調べてみたところ、未投稿の種であることを確認した。

大きさは、前翅長14ミリぐらいだったであろうか。

種名は、リンゴツマキリアツバだと思われる。

我家の外灯下を始め、近隣でよく見かけるのは、ウンモンツマキリアツバかムラサキツマキリアツバといった種だったと思うが、今回のこの紫色をしたツマキリアツバは、紫色が特徴でも、ムラサキツマキリアツバではなく、リンゴツマキリアツバというらしい。この種の同定の決め手は、後翅に見える金色の横筋達である。

幼虫の食草は、バラ科の植物なので、桜を筆頭に、多くの植物を食べれそうだが、リンゴもバラ科の植物である。

ちなみに、ウンモンツマキリアツバはイボタノキ(モクセイ科)、ムラサキツマキリアツバは、スイカズラ(スイカズラ科)なんかを食べるのが知られていて、想像以上に3種の幼虫の食草に共通項を見出せないなと、正直感じた。

生息分布の方は、本種、リンゴツマキリアツバは、北海道北部から対馬含む九州まで。海外の分布は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで。このことから、少し寒いところにも生息できていることが分かる。

また、ウンモンツマキリアツバPangrapta perturbans (Walker, 1858))も、リンゴツマキリアツバと同じような分布をしていることも掴んだ。一方、ムラサキツマキリアツバPangrapta curtalis (Walker, [1866]))は、国内は北海道の南部から、南は屋久島辺りまで生息していることが知られていて、海外は、朝鮮半島、台湾、中国の内陸部からの報告が上がっているようである。