ナカウスエダシャク 成虫 Alcis angulifera (Butler, 1878) 2

二日前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、開張で3センチちょっとぐらいだったと思う。

シャクガとして小さめでも、エダシャク亜科の蛾ではありそうなので、エダシャク亜科の蛾を当たると、ナカウスエダシャクだろうなとの結論に至った。

正直なところ、前翅の紋様の配置や雰囲気からは確証は得れずに、頼りにしたのは、後翅の無地感である。

上翅の雰囲気に変異が多いと感じた本種も、何故か後翅は際立ってシンプルなものが殆どだったのである。私は、そこに着目した。

さて、幼虫の食草は、多岐に渡り、色々な科の樹木を食すとの事である。

オオシラホシアツバ 成虫 Edessena hamada (Felder & Rogenhofer, 1874) 2

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

先ずは、種名は、オオシラホシアツバ。昨年の同時期にも、投稿しているのだが、今回はもうちょっと寄った写真が撮れたのと、ある程度正確なサイズ比較が出来る写真を撮ってみたので、再投稿してみる。

さて、大きさは、大きかった。具体的な数値は、以下の写真で確認していただければと思う。

開張サイズで5センチ弱ぐらいあるのが、確認できる。

幼虫の食草は、ブナ科のクヌギ等らしい。

ここで、この蛾に関して、気になる疑問が生まれた。この蛾が属するクルマアツバ亜科の蛾達(私が出会う種達)は、上翅を閉じて下翅が見えないように止まる種が多いが、このオオシラホシアツバや類似種のマルシラホシアツバは、上の写真のような状態で写真に取られている個体が多いのである。

これって何でと言うか、その差は、何処から来てるのと気になり始めた。

ゆっくり、時々、考えて行こうと思う。

イネキンウワバ 成虫 Plusia festucae (Linnaeus, 1758) 1

最近、近隣で、この蛾を見かけて、写真に撮っていた。

大きさは、前翅長1センチぐらいだった。

頭部が特徴的で、このサイズの蛾で、今回のような場所で見かける蛾は、ヤガ科キンウワバ亜科の蛾であろうとの前知識は身について来ていたので、そのキンウワバ亜科を当たると、イネキンウワバという種だと判明した。

イネキンウワバというが、イネ科の植物全般、イグサ科、アヤメ科、アブラナ科、カヤツリグサ科というように、大概の植物は、いざとなったら食べれるようである。

ところで、この蛾も、学名の登録年が古いが、ヨーロッパ全土(興味深いのはかなり北部の方も)に生息していて、世界の中での生息分布を眺めた時に、凄く興味深い生息域に気がつく事になった。(後半出てくるトビスジアツバも、似ている。)

イネキンウワバと言うぐらいだから、調べるまでは、世界の稲作地帯に、拡がっていることを推測したが、全然そんなことはなく、かなりの高緯度(バイカル湖や樺太の北端)付近の緯度にヨーロッパからアジアへと続く道筋が見えてくるのである。ちなみに、所謂、ヨーロッパとアジアをペルシャ経由で結ぶシルクロードは、遥か南を通っている。(そのシルクロード上では、南ヨーロッパからペルシャ辺りまでは生息を確認出来ている。)

では、何の道というと、ちょうどロシアのシベリア鉄道が通ってるラインと被る気がする。

さぁ、このイネキンウワバは、日本にどうやって入って来たんだろう?

最後に、Plusia festucae (Linnaeus, 1758)の学名で認識されている蛾が、日本とヨーロッパで同一かという初歩的な視点に立ってみたく、海外の画像を調べてみた。うん、同じに見える。

この作業が、必要と思う理由は、ヨーロッパにも沢山いるトビスジアツバHerminia tarsicrinalis (Knoch, 1782)が、どう見ても、ヨーロッパと日本で、同じ蛾を指してるように見えない時があるからである。海外のトビスジアツバHerminia tarsicrinalis (Knoch, 1782)の内横線は、真っ直ぐに見える写真が多く、和名で言うところのウスキミスジアツバに近い気がするが、ウスキミスジアツバと違うのは、中横線のところのボヤけた帯は見える個体が多い気がする。今度、じっくり調べてみようと考える。

話は少し脱船したが、イネキンウワバ。イネの生育環境とは呼応せず、少し寒いところの蛾のようである。