ヒタチマイマイ 大漁 Euhadra brandtii (Kobelt, 1875) 2

先週末は凄く暑かったのだが、近所の散策中に、ヒタチマイマイが沢山いる辺りにも行ってみた。

ヒタチマイマイは、樹上性のカタツムリで、大概は、木の葉にくっ付いてじっとしていることが多いが、こんな暑い日には、どうしてるんだろうと興味が湧き、いつものクワの古木群を見て回ると、相変わらず葉っぱの上でじっとしていた。

観察用にと、何匹か持ち帰って来た。

ところで、このヒタチマイマイが樹上生活を選ぶようになり、枝の先の先の葉っぱの方に集まるようになった理由って何であろうと考えた時に、捕食甲虫達から逃げているというのは正解なんだろうか?と思うようになっている。

近隣で、このぐらいの中大型のカタツムリを狙ってる奴らで知っているのは、マイマイカブリにコクロナガオサムシにオオスナハラゴミムシ辺りであろうか。もちろん、もっと小さなゴミムシ達の仲間にも狙われるかもしれない。

ただ、彼らは、翅が退化して飛べない種も多い。実際に、そうした大型の地上徘徊性甲虫達が、樹木の細い枝先まで執念で登っていったり、高いところのカタツムリのところまで一気に飛んで移動している場面は見たことがない。

真偽は分からないけど、どのカタツムリにも言えることだが、ゆったりとした気持ちで楽しみながら辺りを見回して歩いていると、意外と見えてくるのがカタツムリで、急いで、慌てて移動(車なんてもっての外)していると見えないのがカタツムリかもしれない。

カタツムリがいなくなったと言われて久しいが、原因の一つには、身近な自然をのんびりした気持ちで見れなくなった人達が増えた事もあるのかもしれない。

クロゴモクムシ Harpalus niigatanus (Schauberger, 1929)

最近、我家の外灯下によく来ているゴモクムシの一種である。

大きさは、体長12ミリぐらいだったのではなかろうか。

種名は……赤っぽいけど、クロゴモクムシと紹介されることが多いクロゴモクムシかなと思う。

同じようなサイズで、似た雰囲気にウスアカクロゴモクムシという種もいるらしいが、クロゴモクムシは、側縁に毛が生えているという特徴を指摘しているサイトがあり、そちらも参考に、上の写真の個体は、クロゴモクムシだろうと同定させて頂いた。(上の写真の個体は、よく見ると側縁から疎に毛が生えているように見える。)

さて、このクロゴモクムシの分布は、国内は北海道から九州辺りまでとの事である。海外は、 GBIFのオープンデータのマップで眺めたのだが、現段階では、日本の関東甲信越の辺りからの目撃報告しかあがっていなかった。

ジュウジアトキリゴミムシ Lebia retrofasciata 2

昨晩、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。毎年、数回見かけるとても小さなゴミムシの仲間である。

大きさは、体長6ミリぐらい。正直、肉眼では、紋様なんか見えないと思う。

種名は、ジュウジアトキリゴミムシ。普段は樹上性のゴミムシのようだが、灯火にもよく来るようである。

国内での分布の方は、北海道から南西諸島まで。海外は、学名で検索をかけても、出てこないのではないかと想像する。理由は、ミヤマジュウジアトキリゴミムシLebia sylvarum Bates, 1883等の類似種がいて、実際の種と学名がゴチャゴチャに扱われていて、何かの基本種にまとめられている可能性があるからである。ちなみに、ミヤマジュウジアトキリゴミムシLebia sylvarum Bates, 1883は、検索にかけると、日本と韓国に生息報告が出てくる。

あまりに似ている種は、ゆくゆくは、しっかり調査して、学名の統合なりをしていかないと行けないのかもしれない。