ツマグロヒョウモン(幼虫・成虫)

昨日、夜の庭のパトロールで、背の高くなったエノコログサに、とても複雑な模様の蝶が止まり休んでいるのを発見。

昼間なら確実に逃げられてしまう蝶やトンボも、夜なら大人しく写真に収まってくれる。撮った写真(今回は翅の裏側の写真だが)を参考に、種を特定しようと、ジャノメ蝶の仲間を色々調べるが、雰囲気が似てる模様はあっても、中々、これだよっていう種に出くわさない。

一夜明けると、視点や発想が変わるもので、これって、我が家では幼虫が馴染みのツマグロヒョウモンではないかと思うようになった。そして、偶然、近くにあった農産物直売所に、ツマグロヒョウモンの標本が売っていたので、手にとって、持ち上げて下から裏の翅を見上げた所、写真のものとほぼ同じ気がした。写真に撮った個体は、だいぶ翅が損傷はしているが…そのおかげで見えた紫の模様もヒントになった。

ズバリ、これは、ツマグロヒョウモンのメスではと思う。ツマグロヒョウモンは、メスとオスで、紋様が随分違うのは、何となく知っていた。

ところで、直ぐにツマグロヒョウモンに結び付かなかった理由は、我が家の庭の砂利の駐車場で春先によく見かけるツマグロヒョウモンの幼虫と比べると、成虫になった蝶のサイズがググッと大きく感じた事と、そもそもツマグロヒョウモンの幼虫はじっくり観察できるチャンスが多いが、蝶になった成虫は、あまり庭で飛んでるのを見たことがなく、成虫の翅の模様のイメージが、私の頭にはインプットされていなかったからである。

さて、我家の庭先では、春先の草むしりの際には、必ず場を居合わせる事になる馴染みの幼虫がツマグロヒョウモンである。庭先の砂利の駐車場のところには、野生に生えているスミレが有るのだが、何故か、他の雑草は抜いても、スミレだけは抜かない。ほんの一時のことで有るが、スミレの花が咲く頃に、辺りが青の絨毯になるのが、楽しみだからである。そして、このスミレを大切に思っているのは、私以外にツマグロヒョウモンも同じ。これからも、スミレを通した共生関係を築いて行ければと思う。

そして、ツマグロヒョウモンの事を調べているうちに行き着いた事実に、この蝶も、1980年代には、近畿以西にしか生息しておらず、徐々に生息域が東進北上し、近年では、北関東でも見かけるようになってきた種類との事である。

最後に、何故か、今年2019年は、庭で、まだ一度もツマグロヒョウモンの幼虫を見かけていなかった。原因を想像でもしてみようかと気にかけていた矢先の裏庭でのツマグロヒョウモンの成虫(雌)との遭遇。うちのスミレで、産卵して良いよと、声かけしたのは、間違いない。

以下は、2019年8月2日追記


最初の投稿から3日。やはり、今年も我が家の敷地に、ツマグロヒョウモンは産卵にやって来ていた。実は、投稿の翌日、小さめの幼虫を発見していたのだが、昨日は、かなり大きく育った幼虫を3匹も、草むしりの最中に見かける。

さて、土日の昼間とかに、ツマグロヒョウモンの幼虫が居ないかな〜と、地面を見ていた割に発見出来ず、何故昨日は、立て続けにかなり大きく育った幼虫を3匹も見つけれたか?

最近の幼虫の発見に共通しているのは、時間帯であり、薄暗くなり、懐中電灯を使い始めた辺りの時間帯で目にするようになった事実である。

ツマグロヒョウモンの幼虫達は、外敵の鳥の目につき易い日中の時間帯は、ちゃんと隠れているよ。

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クサギカメムシ

これも、昨日庭で撮影。ちゃんと撮ったつもりが、少しピンボケ。

大きなカメムシだなぁ〜というのが第一印象だったが、直ぐに名前も判明。

クサギカメムシというカメムシの世界では至極一般的なカメムシとのことである。

ちなみに、クサギカメムシのクサギの由来は、成虫が臭木という蔦植物に付く事からきているとのことである。他にも、桑の木なんかにもよく来るとの事である。……後日、クサギという植物が樹木である事を知り、この臭木という蔦植物というのは、ヘクソカズラの事ではないかと思うようになっている。ヘクソカズラなら、我家の庭の地面を所々這いまわっている。

一方、幼虫が生活したり、産卵に選ばれる木は、杉やイチイ、桜や桐と言ったところらしいが、我が家の近辺に、イチイは敢えて植樹でもしない限りは無いだろうし、桐(アオギリ)も、同じ様な状況かなと思う。そうすると、杉か桜を産卵に選んでいるという事なのだろうか。

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2020年5月22日追記

最近、家の外灯に、クサギカメムシやアオツヤカメムシが沢山飛来していた(全部、我家の庭で誕生したのかなと推測する。)日があった。今年は、新顔のカメムシを見つけると匂いチェックをしていることから、このクサギカメムシの匂いチェックもしてみる事にした。

カメムシとしては、かなり大型のカメムシなので、強烈な匂いに見舞われることも予測し、このカメムシを数秒間摘んでいた指を、恐る恐る鼻腔に近付けてみた。因みに、カメムシを直接鼻腔に近づけるというスタイルは、採用していない。

すると、匂いの方は一般的なカメムシ臭の後に、比較的直ぐに柑橘系の爽やかな匂いがしてきて、カメムシ臭の方は直ぐに消えるのに、爽やかな柑橘系の匂いは、ずーっと残るみたいなタイプであった。総合印象としては、悪臭には思わない。

ただ、想定外だったのは、その強烈な刺激であった。指を鼻に近づけるや否や、鼻腔の奥にツンと来る刺激に見舞われたのであった。所謂、ワサビを大量に摂取した時に鼻の奥にくる刺激と同じものだった。

ワサビが鼻にツンと来る原因物質は、アリルイソチオシアネートという揮発性の高い物質だとの事だが、クサギカメムシによる鼻腔奥の刺激の原因物質と同じ成分かは、私には分からない。

ただ、なんとなく分かってきたのは、所謂、カメムシ臭の原因物質は揮発性が高く、同時に油分も含んでいそうな柑橘系の成分だけが、付着した部位に残り続けるんだと思う。

カメムシの匂いは、意外と様々な世界に可能性を持っていそうだぞとの気がしてきた今日この頃。(笑)

最後に、上の写真より、もうちょっと鮮明なクサギカメムシの写真を貼り付けておく事にする。

ムモントックリバチ

昨日庭で写真に収めた昆虫に、こんな蜂も居た。

この蜂が庭のテラスに置かれたボックスと家の壁の隙間に入っていくのが目に入った。直ぐに近寄り見てみると、泥で作られたと思われる巣を発見。

そして、その蜂が、ちょうど巣穴に蛾の幼虫を運び押し込んでいる瞬間だった。そして、よくこうした狩バチ達は、シャク蛾の幼虫を捕らえていると聞いていたが、確かに、捕まえて運んでいたのは、シャクトリムシの一種だった。

巣の位置も確認できたし、今後少しの間、ムモントックリバチの行動を観察出来ればなと思う。