ウスムラサキシマメイガ Hypsopygia postflava (Hampson, 1893) or モモイロシマメイガ Hypsopygia mauritialis (Boisduval, 1833)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長で8ミリぐらいあった気がするのだが……。

一瞬で、シマメイガ亜科の蛾である事は分かったが、いつも見るトビイロシマメイガではないような勘は働いていた。何処が違うかというと,頭部や触覚が黄色いところである。トビイロシマメイガは、頭部も触覚も、濃い紫色である。

では、種名はと言うと、ウスムラサキシマメイガとモモイロシマメイガのどちらか、正直分からない。

ネット上の両種の写真を見る中で、ごっちゃに紹介しているサイトに出くわす気がする。そもそも,似ている別種が存在しているということは、長い歳月の間、地理的分断等があり,種分化したと思われるが、この観点から生息域で、両種の大まかな棲み分けを掴もうと考えたが、両種とも,本州から南西諸島までといった具合に,ほとんど違いが見出せない紹介が多かった。

ちなみに,海外の生息分布の方は、ウスムラサキシマメイガHypsopygia postflava (Hampson, 1893)として調べると,台湾やインドシナ半島やインドといったところからの生息報告があるようで、一方、モモイロシマメイガHypsopygia mauritialis (Boisduval, 1833)として調べると,ウスムラサキシマメイガと被るアジアの生息域に加えて、オーストラリアの東岸や、アフリカ大陸の南部やマダガスカル等やモーリシャス諸島からの報告が見て取れる。もちろん、似た他種との混同した報告も含まれるとは思われるが、この広範囲な拡がりの意味は、私には、簡単には分からない。大陸が移動する前に,この蛾が既に存在したかどうかである。

最後に,モモイロシマメイガもウスムラサキシマメイガも,セグロアシナガバチの巣に入り込み,巣を食べて育つ習性を持っているとのことであり,人間が除去した蜂の巣をビニール袋に入れたまま放置しておいたら、翌春にこれらの蛾が沢山ビニール袋内に羽化して来たとの興味深い記事をネット上で見かけた。ちょっと、自分も同じことをやってみようかなと思った。ただ、セグロアシナガバチの巣が見つけれるか分からないので、他のアシナガバチの巣も食べる気がするので、庭の他のアシナガバチ達の巣で実験してみようかとも、目下考えている。

ちなみに、セグロアシナガバチPolistes jokahamae Radoszkowski, 1887は、東アジアとハワイやポリネシア諸島からの生息報告がある蜂である。

コマエジロホソメイガ? Polyocha diversella Hampson, 1899

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長9ミリぐらいだったのではないだろうか。

先ず,この手の細長い蛾で、下唇髭が細く先へと尖っている蛾は、ツトガ科マダラメイガ亜科のホソメイガ達だという事を学んだ。ただ、ちょっと慎重になりたいのは、雌雄の差か何かで、下唇髭が尖っていない寸詰まりのタイプもいる可能性である。ちなみに同じような身体つきで、下唇髭がフサフサとしている蛾達は、同じツトガ科のツトガ亜科に属する蛾達である。

では、種名はと言うと、取り敢えず、コマエジロホソメイガにクエスチョンマーク❓を付ける形で、紹介させて頂こうと思う。他にも,マエジロホソメイガやヒメマエジロホソメイガを筆頭に幾つかのホソメイガ達が存在するらしいが、しっかりとした見分け方が確立されていない種群かと思われるためである。その中から、一番可能性のありそうなのが、私には、コマエジロホソメイガと思えたという感じである。

幼虫の食草は、ちょっと辿り着けなかった。

生息分布の方は、取り敢えず日本の本州にはいるぐらいまでしか整理出来なかった。

クスサン 繭 Saturnia japonica japonica (Moore, 1872)

最近,近隣のとある場所で、建物の壁に、この繭が沢山張り付いている場所に出くわした。

こんなに目立つ大きな繭を作る蛾達と言えば、ヤママユガ科の蛾達しかないよなと思ったのだが、初めて見る繭だった。

同時に,ヤママユガのクスサンの繭って,どんなんだろうと調べたところ,ズバリ、クスサンの繭と判明。

この大型のクスサンという蛾が、茨城県でも増えているらしい。ただ、ヤママユガやヒメヤママユやウスタビガの繭は近隣でよく見かけるが、このクスサンの繭に近隣で出会ったのは、今回が初めてであり,近隣の至る所に広範囲には拡がっていないのは分かる。

一応,このクスサンの繭(別名スカシダワラ)を2個ほど胸ポケットに入れて持ち帰って来たので、羽化するのは今年なのか来年なのか分からないが、羽化を待ってみたいと思う。

一応,クスサンの幼虫は、広食性で様々な植物を食べれるようである。そして、これが、時に害虫として、嫌がられるケースに発展することもあるとのことである。

生息分布の方は、国内は、北海道から屋久島辺りまでいるようである。奄美大島以西の沖縄諸島には、少しだけ違う亜種が生息しているようである。そして、台湾や中国東岸や朝鮮半島からロシア沿海州南部まで、海外にも生息しているらしいが、あまり正確な情報を掴めなかった。