今年は、冷夏で長雨続きという事も有ってなのか、仕事で出入りする国の施設の敷地で、この生物に(偶に)出くわす。
この写真の個体で、ざっと測って80センチ超え、伸びれば、優に1メートル20センチは超えそうな長さ。正直、気色悪い。
半月状の頭部を写した写真が以下のもの。
ほぼ同じ場所で、この生物に出くわしたのは、なんと10年ぶりぐらいかもしれない。その間、その同じ国の施設には、私は、月曜から金曜までは、ほぼ毎週ずっと出入りして、雨の日などに地面を見ている瞬間は数え切れないほどあったが、このオオミスジコウガイビルが這っていたり、とぐろを巻いているのには出会わなかった気がする。
この理由は、この生物が、乾燥や直射日光から身を守る本能の為か、人目につく明るい時間帯に乾燥しそうな開けた場所に出てこない性質が強くあるからだと思う。ミミズは、年中、よく見切り発車で、地表を這い、途中で干からびてしまっている個体に出くわす事がよくあるが……。また、その年の気候に、大きく個体数が左右されている可能性もある。
しかし、今年の長雨と冷夏が、このオオミスジコウガイビルの感覚を鈍らせているのか、朝の9時ごろに、一斉に森の中へ這って逃げ込もうとしている瞬間に、今年は出会う。
長さが、エゲツなく気持ち悪いが、一応、このオオミスジコウガイビルも、ナメクジ等を捕食してくれる点では、益虫なのではないかな。雌雄同体で、自ら分裂する事で増えていくみたいだけど、小さな個体の写真を以下に載せておく。
上の写真のもので、20センチぐらいだが、楊枝が少し太くなった程度の太さの割には、全長が長めなのが、このオオミスジコウガイビルの特徴の気もする。
そして、このオオミスジコウガイビルは、元々は東南アジアの生物で、1960年代頃には、東京で生息の報告例が有り、今に至っているようである。ただ、そんなにあちこちで見かける生き物ではない事と、私がこのオオミスジコウガイビルを見かける国の施設の敷地内でも、局所的にしか出くわさない事を考えると、日本の天候や風土が大きく変わらなければ、爆発的には増えない生き物のような気はする。
このコウガイビル(陸棲プラナリア)を調べていて分かったのは、日本には、このコウガイビルの種類の陸生プラナリアは、3科6属20種も居るのかという事だった。今回のオオミスジコウガイビルが、その20種に含まれているのかは、私には判断出来ないが、一応、我家の庭に居る在来のクロイロコウガイビル(詳しい種までは分からない)の記事も少し前に、ブログにアップしているので、良かったら、そちらも読んでくださればなと思う。