マメドクガ Cifuna locuples confusa (Bremer, 1861)

最近,近隣で見かけて、写真に撮っていた蛾の一つである。

背景が不思議な色になっている原因は、この蛾の止まっている壁に、誰かがスプレーで落書きをしたからである。公共物への落書きはしないで欲しい。

この蛾の大きさは、前翅長17ミリぐらいだったであろうか。

前脚を前に突き出して止まっている独特のスタイルから、直ぐにドクガの仲間だというのは分かったが、種名までは直ぐに出て来なかった。そして、調べてみたところ,マメドクガの雄と判明。雌の触角は、糸棒状で、雄より少し大きいようである。

2年前の6月27日に,そんなに悪くない写真で投稿しているが、その時よりも、今回,もう少しアップの写真が撮れたので、再投稿してみた。

さて、この蛾の種名が直ぐに記憶から呼び起こせなかった理由の一つは、この蛾の成虫に出会える頻度である。同じドクガ科のゴマフリドクガやドクガの名前は直ぐに出て来るが、これは、近隣で沢山出会えるからかもしれない。ただ、マメドクガに関しても,幼虫には沢山出会えると思う。

幼虫の食草は、マメドクガというだけあって、マメ科の植物は間違いないのだが、近隣の自然下では、それ以外の科の植物を食べている現場に出くわす事も多い気がする。

最後に、このマメドクガの生息分布に関してだが、国内は、北海道から九州を経て、おそらく南西諸島にも居ると推測したい。その根拠として、海外の生息分布を列挙すると,台湾、韓国から朝鮮半島を北上してロシア沿海州南部まで。他にも中国の東部。他には、ネパールやブータンの辺りからの報告もあるように見える。

イネカメムシ Lagynotomus elongatus(Dallas 1851)or Niphe elongata(DALLAS, 1851)

このカメムシは、近隣で時々見かけるカメムシである。

この個体で、大きさは体長12ミリぐらいだったのではないだろうか。

種名は、イネカメムシ。5年前の9月17日にも投稿している種である。

稲を嗜好するカメムシらしく,稲を吸汁することによって、斑点米の原因になるカメムシの一つとして知られているが、太平洋戦争後に全国に拡がり,その被害を軽視しなかった農業関係者達の努力によって、ほぼ絶滅みたいな状況になっていたカメムシである。

しかし,近年、再び,田んぼに増え始めているカメムシとのことである。イネを吸汁するカメムシ達の中では、稲への嗜好性が高いカメムシと言われている記事というか情報を見かけたが、一時ほぼ絶滅状態みたいになっていた状況を考えると,田んぼ周りの他のイネ科雑草ではなく、稲に集まる習性が仇となりピンポイントの農薬散布等で死滅していった可能性も考えてみたくなってしまう。田んぼの周りのイネ科雑草に分散していれば、そんなに絶滅みたいにはならないのではということである。

そして、最近,何故増え始めたかというと,強力な農薬を使わなくなった田んぼも現れ始めたのではないかなーとも勝手に想像してみたい。

さて、生息分布の方は、国内は本州以南……南西諸島まで。昔は、北限は、どこまでいたのか情報がなかったが、現在は,まだ東北地方とかには、少ないのではと推測したい。根拠は、昨年2023年に、福島県が、「いわき市でとうとうイネカメムシ発見」みたいな記事を紹介しているので……。一方,海外の生息分布は,Niphe elongataとLagynotomus elongatusの両学名で調べるたところ、両方とも海外での生息情報が、簡単には分からなかった。ただ、海外にはいないはずがないと思うので、学名違い等も視野に、時間がある時に、もうちょっと深く調べてみようとも思う。

ところで、イネカメムシに結構似ているシロヘリカメムシAenaria lewisi (Scott, 1874)という種が属は違うが、カメムシ科カメムシ亜科には存在して、シロヘリカメムシの食草は、イネ科のササ類とのことである。ただ、このカメムシも、海外での生息分布の情報を容易く見つける事が出来なかった。両種とも,ちょっと起源が、どこにあるのか好奇心を唆るカメムシ達かもしれない。

フタスジトガリヨコバイ Futasujinus candidus (Matsumura, 1914)

昨晩、我家の外灯下に来ていたヨコバイの一種である。

ちょっと写真がボケてしまっているのが残念である。

大きさは、体長5ミリぐらいだった。

種名は、フタスジトガリヨコバイだと思われる。

トガリヨコバイのトガリの部分は、鼻先の尖りのことだと推測するが、上の写真は、上手くその特徴を捉える事が出来ていないかもしれない。

成虫も,幼虫も,イネ科の植物に寄生するようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外は、韓国からの報告が上がっている。