クモンクサカゲロウ Chrysopa formosa (Brauer, 1851)

数日前に我家の外灯下に来ていたクサカゲロウの一種である。

大きさは、体長で10ミリぐらい。翅の先までで15ミリぐらいだったであろうか。

最初は、我家の外灯下の定番のクサカゲロウであるヤマトクサカゲロウ(背に黄色い条が見える)かと思ったが、肉眼でシッカリと見た時に、腹部に何本かの黒いスジが入っているのが目に飛び込んできた。写真だと翅の網目と被ってしまい、分かりにくくなってしまっている。

この腹部の黒いスジが、この個体だけの特徴の可能性も視野に調べてみることにしたのだが、すると、同じ特徴を持ったクサカゲロウがヒットして来た。名前は、クモンクサカゲロウという種である。

種名のクモンの由来は、頭部に九つの紋があるところから来ているとの知識を得たが、確かに一部隠れてしまっているが頭部に紋(今回の場合は、小点)が見て取れる。

さて、このクモンクサカゲロウの生息分布は、国内は、本州から九州と大雑把に書かれた情報しか拾えなかった。一方、海外の生息分布は、動物地理学的な旧北区の日本と同じような緯度のエリアには遠くヨーロッパの方まで生息しているクサカゲロウであると分かった。ちなみに、ヤマトクサカゲロウ(Chrysoperla nipponensis (Okamoto, 1914))は、学名に、nipponensisと言うふうに付くぐらいなので、日本と日本の近くの国々からの生息報告があるぐらいである。

キタオオクサカゲロウ?

この大きなクサカゲロウは、最近見かけた。この昆虫の一番心に残る印象としては、その大きさである。

これまで見てきた似たような種よりは、ぐんとデカい気がする。

翅先まで入れると3センチぐらいある。候補に挙がったのは、オオクサカゲロウ属のオオクサカゲロウとキタオオクサカゲロウであるが、オオクサカゲロウの写真はどれも、身体の真ん中に黄色い縦線が見て取れる。上の写真の個体には、見て取れない。

そうすると、キタオオクサカゲロウなのかなと考えた。

発見場所は、結構人工物の多い場所であったが、ユラユラとゆったり飛んでいた。

ヨツボシクサカゲロウ?

数日前に、家の外灯下で見つけて写真に撮っていた。

クサカゲロウの仲間というのは一瞬で分かるし、実際のところ、我家の外灯下ではたまに見かける昆虫である。家の外灯に集まる昆虫達を今年から観察した限りでは、今のところ3回(3サイクル)ぐらい発生しているような予感がする。

そして、今回は、何種類もいる緑色をしたクサカゲロウの仲間達の中から、写真を頼りに可能な限り種名を割り出してみようと思った。

先ずは、数日前に撮った写真を。

サイズは20ミリ弱ぐらいだったと思う。写真を見て分かる特徴は、眼が赤っぽい。背に黄色い筋が見える。このふたつの特長とサイズを考慮すると、沢山のクサカゲロウの仲間から既に結構絞られることになり、その候補のうちの一つに一般種であるヨツボシクサカゲロウの名が浮上してくる。

そして、また、あまり注目されていない特徴だが、翅の外側の先の方に、一部緑色が微妙に厚く見える箇所があるのも、本種の特徴の気がする。

他には、我家の庭のアムール・メープルの生垣(生垣にはお勧め出来ない‥暴れ過ぎる)に、クサカゲロウの卵を見つけたことが有るのだが、その形状が、ヨツボシクサカゲロウの卵として紹介されている画像達と類似しているのである。

これらの点から、上の写真の個体は、今のところ、ヨツボシクサカゲロウと思っても良いかなと思った次第である。ちなみに、ヨツボシクサカゲロウのヨツボシは、顔のアップを見ると、4つの黒点か何かが見て取れるのかなと思う。

こうしたクサカゲロウの幼虫達は、テントウムシ達の様にアブラムシを捕食してくれる習性がある。

益虫なのである。