ヤマトスジグロシロチョウ? 雄 春型 Pieris nesis Fruhstorfer,1909 or Pieris nesis nesisFruhstorfer,1909 福島県南部 標高600メートル付近

先週末に茨城県と福島県の県境辺りで渓流釣りをしていた際に見かけた。

最初は、こんな薄暗い場所にモンシロチョウがいるのは珍しいなと思った。同時に,モンシロチョウと同じ属には、少し山地生で食性も少し違う似たような種が居たよなという知識が脳裏をかすめた。確か名前はスジグロシロチョウ。

確かめるために,半ば寿命を迎えかけていたこの個体の翅裏を見てみた。

明らかにモンシロチョウとは違うし,スジグロ(筋黒)の所以みたいなものを見て取れる。

ここから、初めて、スジグロシロチョウなるものの生態を少し掘り下げて調べる作業をしてみたのだが、元々は、日本には、スジグロシロチョウ(Pieris melete Menetries,1857)とエゾスジグロシロチョウ(Pieris dulcinea tomariana Matsumura,1928)とヤマトスジグロシロチョウ(Pieris nesis Fruhstorfer,1909)の3種が知られていたようである。やがて、1952年には、ヤマトスジグロシロチョウは、本州中南部のものは少しまた違うということで、本州北部&北海道亜種と本州中南部亜種(Pieris nesis japonica Shirozu,1952)に区別されることにたったようである。

では、上の写真の個体が、どのスジグロシロチョウに当たるのかというと、おそらく、ヤマトスジグロシロチョウ本州北部&北海道亜種の春型♂であろうと思う。

スジグロシロチョウの見分けかたに関しては、ウェブ上に多くの紹介サイトが存在するので、それらの方々のサイトに譲ろうと思う。

一応,幼虫の食草は、自然のアブラナ科の植物ということである。

生息域の方は、上の方でも触れたが、北海道の一部と本州の山間部と思ってておけば無難なのではないだろうか。