コミスジ 成虫

この蝶は、ちょうど1ヶ月ぐらい前に、一番近い山系の裾野で見かけて写真に撮っていた。

大きさは、開張3センチ弱ぐらいだった。西日は当たってたものの、随分、茶色がかっているなとは感じていた。

現場でも、ミスジチョウの仲間というのは分かったが、既に投稿済みの種と思い、スルーしていた。しかし、過去の投稿を振り返った際に、ミスジチョウの仲間で投稿済みなのは、ミスジチョウのみであり、本種はコミスジという種と分かった。本州だと、年2〜3回発生しているようである。

幼虫の食草は、クズやハギ等のマメ科の植物とのことであり、比較的何処にでもいるとの事だが、近所近隣で見かけた記憶はない。

この蝶よりも、北方系と思われるミスジチョウは、我家の庭のモミジにも産卵して行った事があるので、身近な生息を確認している。

さて、このコミスジは、日本では、北海道から屋久島、種子島迄は生息しているが、トカラ列島以南の南西諸島にはいないとの事である。海外では、亜寒帯のシベリアから、熱帯のインドシナ半島まで生息している模様である。

因みに、リュウキュウミスジという凄く似た種が、沖縄本島や石垣島にはいるとの事である。

ミスジチョウ 幼虫 成虫

昨晩、夜に懐中電灯で、家の庭木を照らしていたら、モミジの未だ芽生えたばかりのフニャフニャの葉にぶら下がる蛾の幼虫らしき物体を発見。

写真が撮りにくい場所だったので、一旦捕獲して、室内で撮影を試みた。

なんか見たことがあるようなないような。早速、蛾の幼虫を当たるが、ヒットせず。こんなに特徴的な出立ちにも関わらず、ヒットして来ない理由が分からないまま、どっちが頭部だろうと、もう一度、その幼虫を観察すると、意外にも頭部はハッキリと見えていた。

その頭部の紋様を見て気が付いた。過去にヒメジャノメの幼虫の頭部を見た時と同じだと。そして、蝶の幼虫だと気が付いた。上の写真でも、その頭部の特徴は写っている。

今度は、蝶の幼虫を当たると、直ぐに、ミスジチョウの幼虫がヒットして来た。

ミスジチョウの幼虫は、今回のモミジのようなカエデ類を筆頭にハンノキやブナ科の樹木の葉等を広範囲に食べるようである。

ミスジチョウは、ごくたまに我家の庭も飛んでいるのを見かけるが、似た感じで小さめのコミスジに比べると、全然少ない印象である。

低空をサラサラっと迷いなく飛んで静止することなく立ち去るミスジチョウが、気付かない間に、我家のモミジの木に産卵してたとは少し感動である。

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2021年5月10日追記。

実のところ、この写真を撮った後に、このミスジチョウの幼虫は飼育してみた。

数日で殆ど動かなくなり、死んでしまうのかと思っていたら、いつの間にかモミジの枝にぶら下がり蛹になっていた。

そして、蛹になってからが長かったが、蛹の方も、この蝶の成虫のサイズからすると小さいもので、しかも蛹の下半分は透けていて身が入っているようには見えなかった。半ば、本当に、こんな小さな蛹から中大型のの蝶が羽化して来るのかと半信半疑であった。

しかし、ある日、4月の終わり頃だったが、その蛹は蝶になっていた。蛹期間は2週間ぐらいだったと思う。

翅が上手く開かなかったのか、乾くまで待っているのか、室内のカーテンの後ろにいた。何回か自力で羽ばたいて移動しているのを確認したので、屋外へとリリースしてあげた。

しかし、翌日、庭のスイレンバチに浮いているのが目に止まった。ごめんなさいという気持ちで、弔ってあげようと拾い上げたところ、まだ生きていたので、近くの草むらに止まらせてあげた。

その後の消息は分からない。