クロハネシロヒゲナガ 成虫

本日、昼休憩に選んだ場所で、車から降りて深呼吸しようとしたところ、足元の草むらを、何やら未確認飛行物体が飛んで移動している。

最初は、生物なのか、何かに引っ掛かったゴミの浮遊なのかも分からなかったが、どうも生物っぽい。蜘蛛が白いクモの巣の上を少しづつ横移動しているのかなとも思ったが、移動距離が長過ぎる。

そして、そのうち、私の想定外の長さの触角を持ったとても小さな体の昆虫の身体部分が、中心に何となく見えて来た。後は、ひたすら何かに止まり静止するのを待つのみ。

何とか止まったその昆虫をスマホで写真に撮るが、どれもピントが合う前に飛び立たれてしまう。

諦めて、少し離れた小川沿いの土手上の畔道を歩き始めたら、そこかしこに、その昆虫が飛翔している。

今度は、何とか草むらの奥深くに着陸した個体にピントを合わせることが出来た。

ネットで検索して調べたところ、クロハネシロヒゲナガという昆虫である事が判明。そして、蛾の仲間である事も分かった。

それにしても、触角が長いし、飛翔中もしっかりと確認出来るだけの太さがある。触角は、重量もあるのか、重そうに横に横に低空飛行をするだけである。

今回のクロハネシロヒゲナガとの遭遇で遠い過去のある思い出が蘇って来た。子供の頃、山陰の小串という漁港で釣りをしている時に、突如目の前の海の中をヒラヒラと超長い生き物らしきものが泳いでいる。今回と同じ様に、一瞬???であったが、その時も目が慣れて来たらユラユラの繋がる先にこじんまりした魚体が数匹見えた。そのユラユラは、なんとそのイトヒキアジという魚の7,8メートルにも及ぶヒレだったのである。

それからは、こんな魚見たこと有るんだと、友達らに自慢しまくったものだ。

今回のクロハネシロヒゲナガも、私には未知なる変わった生物との出会いという似たような小さな感動を与えてくれた。

一見の価値のある蛾だと思う。