モンウスグロノメイガ? 成虫 Bradina geminalis (Caradja, 1927)1

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。そして、昨晩、初めて来たというわけではなく、毎年、周期的に現れる蛾でもある。

大きさは、前翅長13ミリというところであった。

腹部が細く長いので、オスであることが分かる。

元々は、この蛾は、ウスグロノメイガという名で呼ばれていたが、現在では、モンウスグロノメイガ、シロテンウスグロノメイガ、ヒメアカウスグロノメイガ、アカウスグロノメイガ、オオウスグロノメイガの5種類に分類されている。モンウスグロノメイガを除く後半の4種が確立されたのは、1984年頃と思われる。

さて、上の写真の個体をモンウスグロノメイガ?とした理由というか根拠を少し述べると、消去法でいくと、ヒメアカウスグロノメイガとアカウスグロノメイガには、赤っぽい要素が見て取れるはずだが、上の写真の個体には、赤っぽい要素があるようには見えないので、この2種が外れる。

あと、オオウスグロノメイガに関しては、信憑性はともかく、横脈紋に付随する白点がないものが紹介されているのを見る。上の写真の個体では、薄ら白点が見える。

そうなって来ると、モンウスグロノメイガかシロテンウスグロノメイガのどちらかという事になるが、シロテン(白点)と呼んでいいほどは、ハッキリとした白点を認識する事は出来ない気がする。

ゆえに、モンウスグロノメイガ?として紹介した次第であるが、種の同定に自信満々というわけでは、到底ない。嫌、元ウスグロノメイガに関する他の方の投稿も自信満々というものは少ないはずであるし、そうなるのが自然な近似種達だと思う。それぐらい、微妙な近似種達の予感がすると、現段階では言っておく。

さて、幼虫の食草は、ネット上の情報から拾うと、枯葉なのではないであろうか。

クロヘリキノメイガ 成虫 Goniorhynchus butyrosus (Butler, 1879) 1

最近、近隣で、この蛾を見かけ、写真に撮っていた。

ツトガ科ノメイガ亜科の蛾なのは分かる。早速、調べ始めると、一番近い紋様の配置は、クロヘリキノメイガであった。

でも、肝心のクロヘリ(黒縁)が、無いではないか?

あと、複眼のルビー色も珍しい気がした。

この時点で、クロヘリキノメイガが臭いのだが、お蔵入りになっていた蛾である。

しかし、その後、以下の蛾に、同所で出会う事になった。

大きさは、開張サイズで、16ミリぐらい。

これぞ、典型的なクロヘリキノメイガ。複眼の色も、最初の写真の個体と同じく、ルビー色。こうなって来ると、最初の写真の個体も、クロヘリキノメイガと考えたい。

では、最初の個体が、どうしてあそこまで黒縁が消えたかという事だが、正直分からない。劣化で鱗粉が落ちると、あそこまで黒縁が無くなるという事なのであろうか。

ところで、この蛾の分布域を眺めたところ、本州を北限に九州や琉球を経て、台湾や中国南部まで報告がある。

そして、幼虫の食草は一般的に知られていないと書かれているが、沖縄では、リュウキュウイナモリという植物を食べると報告されていた。リュウキュウイナモリって何であろうと調べたところ、アカネ科の植物らしいが、では、この蛾がいた場所で、代替え種として該当しそうな植物も、皆目見当がつかない。(一応、アカネ科で、その付近にありそうな植物としては、ヘクソカヅラとヤエムグラであろうか。)

何が、クロヘリキノメイガの幼虫の食草なのか、じっくり、推理して行くしかないと、長期戦を覚悟している自分が居る。

のんびり行こうよ〜。

マエキノメイガ? 成虫 Herpetogramma rudis (Warren, 1892) 1

最近、近隣で、この蛾を見かけて写真に撮っていた。

大きさはと言われると、正直思い出せない。ただ、一般的なこの蛾の標準サイズを当てはめると、前翅長13ミリぐらいの大きめのノメイガであったのかと思う。

種名はと言うと、マエキノメイガが臭いなと思うのだが、微妙に似ている蛾達も多い。

そして、また厄介なのは、ネット上の信頼筋の投稿主達の投稿におけるマエキノメイガの画像に頑とした一貫性を見出せないのである。変異が多い蛾なのかとも考えたいが……。

次は、またいつ会えるか分からないが、似た種も含めて、沢山眺める機会が増えて、これらの近似種達の差異を掴んで行ければなと考える。

ちなみに、上の写真の蛾が、マエキノメイガとして、マエキノメイガの幼虫の食草は、イノコヅチとのことである。この蛾がいた場所なら、日陰でも日向でもイノコヅチは、幾らでも生えてそうな場所である。