黒っぽいハナアブを見つけたと、少し観察していたら、運の良いことに近くの壁面に止まってくれた。
背景が奥域もなく動かない壁面であったので、私にしては写真のピントを合わせる事に成功した。
地面の上でホバリングする姿やサイズからハナアブの仲間だろうとの予測はつけて、ネット上で調べ始めたところ、アリノスアブという種に行き着いた。体長は1センチちょっとといったところであったと思う。
ただ、ハナアブ科でありながら、花の蜜を吸うことは無いようである。
アリノスアブを漢字で書くと、蟻の巣虻である。幼虫は、アリの巣の中で蟻達と共生して成長して来るようである。
何種類か存在するアリノスアブの中で、このアリノスアブは、トビイロケアリという蟻の巣に共生することが知られている。
因みに、トビイロケアリというのは、極々普通に見られる赤茶色の蟻である事が分かった。話の方向は変わるが、蟻なんて種類を特定するのは不可能とも思っていたが、このアリノスアブが濃く飛んでいた場所の蟻をチェックすることによって、蟻の種の特定に近づく方法もあるんだなと気がつかされることになった前進した1日となった。