カラカネハナカミキリ Gaurotes (Paragaurotes) doris doris (Bates, 1884)

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。

体長10ミリぐらいだったと思う。

この日、同じ場所で、数種のジョウカイボンに出会い、またジョウカイボンかと思いそうになった時、いやいや、今度は、カミキリではないかと気付いた次第である。

種名は、カラカネハナカミキリ。

産卵は、各種枯れ木に行われ、成虫は、色々な花に集まるようである。

低地から山地まで生息しているカミキリとの事だが、ネット上の色々な方の紹介を眺める限り、山地での遭遇が多いような気もした。自分の中では山地=気温が低いと捉える事が多いが、このカミキリが冷涼な気温帯を好んでいる証拠になるか分からないが、GBIFのオープンデータでは、ほぼ日本国内に生息が限定されているのが分かるのと、関東以北東北に目撃報告が集中しているのである。ゆえに、低地から山地までのフレーズは、正確には寒冷地域の低地から……それ以外の地域は、冷涼な山地に棲息しているといった表現の方が、正確なような気がしている。

そして、北海道東部にも、生息報告が見て取れるが、この千島列島の一部含むこのエリアのカラカネハナカミキリは、別の亜種として捉えられているようでもある。

トガリシロオビサビカミキリ Pterolophia(Pterolophia) caudata caudata (Bates,1873)

最近、近隣で、このカミキリの写真を撮っていた。

正直、この手のサビカミキリの仲間は、紛らわしい種が多く、種名に辿り着けるか自信が無かったが、意外とあっさりと種名に辿り着いた。

大きさは、体長1センチちょっとだったと思う。似たようなサビカミキリの中では、大きい方だと、私は感じた。

種名は、トガリシロオビサビカミキリ。

フジの枝や枯枝に集まるカミキリらしい。野生のフジが、近隣には沢山ある。

このカミキリの目撃報告は、GBIFのオープン・ソースでは、国内に集中しているような気がした。

キイロトラカミキリ Grammographus notabilis notabilis (Pascoe,1862) 2

昨晩、我家の外灯下に、キイロカミキリが来ていた。写真を撮ろうと屈むと、もう1匹、近くに発見。

大きさは、どちらの個体も18ミリぐらいだったのではないだろうか。

昨年から、我家の庭にいるこのカミキリの存在に気が付いたのだが、実は、ちょうど一週間前に、同じく我家の外灯下で、別の個体の写真を撮っていた。その時の写真が以下である。

本年5月27日撮影

全然、色合いが違うのである。胸部背側の黒い二つの紋の大きさも違う。

何が違うの?……ひょっとして雌雄の違いか?……とも考えたが、おそらく、最初の写真の明らかに煤けた感じのものは、1週間ぐらい生き延びた証というか劣化で、黄色い産毛が取れていった姿なんだと、自分の中で結論を出した。胸部背側の黒い二つの紋も、擦れて拡がったのではと考えた。

このカミキリの幼虫は、クヌギやコナラの朽木等の中で育つらしい。何年ぐらい幼虫でいるのかは、調べていない。(パッと調べても分からなかった。)

分布域は、国内では北海道から九州まで。海外の分布域は、ちょっと分からなかった。

ちなみに、東京都は独自のレッドデータで、絶滅危惧I類に指定。神奈川県も、要注目種としている。