マルクビツチハンミョウ Eurymeloe corvinus (Marseul, 1876)

最近、近隣で見かけた昆虫の一つである。

大きさは、体長15ミリぐらい。

写真では分かりづらいが、現場の肉眼では、もっと青光りしていた。

直ぐに、ツチハンミョウだと分かったが、過去に見た記憶のあるツチハンミョウ達、オオツチハンミョウ?、ヒメツチハンミョウ?とは違う気がすると思った。何が、違うかと言うと、先ず触角が短いと感じたのと、体型も少し寸胴で短いと思った。もちろん、体長の短さは、メスだとしたら、産卵期ではないために腹部が大きく伸びてない可能性もあるとは思うが……..。

では、日本に数種類生息していると言われるツチハンミョウの中では、何という種かと言うと、マルクビツチハンミョウという種ではないかと思われる。マルクビツチハンミョウのマルクビのマルが何を意味しているのかは正確には分からないが、この写真のツチハンミョウの首の部分(胸部背側)が、他の種のように縦に長いのではなく、横に長いのは、この種の特徴のように思う。

さて、このツチハンミョウ達の習性というのは、過去の他のツチハンミョウの投稿でも触れているので、今回は省略するが、このマルクビツチハンミョウは、日本に生息するツチハンミョウ達の中では、一番珍しい種とも知った。各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、埼玉県と長野県と大阪府が準絶滅危惧種に、愛媛県が絶滅危惧種Ⅰ類に、三重県が絶滅危惧種Ⅱ類に指定している。

ちなみに、海外は、済州島含む朝鮮半島の南部には生息しているようである。

オオツチハンミョウ?

数日前に、我家のテラスの上を徘徊しているところを見かけて、写真に撮っていた。

一瞬、蟻と思いそうだが、蟻と考えるには大きく、腹部だけでも、2センチ弱ぐらいありそうなサイズである。

実際のところ、私には正体の目星は付いていたのだが、気になった点は、触角の雰囲気であった。

昨年の2月に、やはり我家のテラスで、似たような昆虫を見つけ写真に収め、ヒメツチハンミョウ?という種名で投稿していたことから、上の写真の個体もツチハンミョウの仲間であろうとの予測はついた。

しかし、昨年、ヒメツチハンミョウとして投稿した種の特徴であった触角の中央辺りの瘤が、今回は見てとれないのである。

ここで、ある方の投稿に、インパクトのある瘤があるのはヒメツチハンミョウで、目立った瘤がないのが、オオツチハンミョウであるとのような記載もあった事から、また、今回の上の写真の個体は、お腹が丸く大きく見えた事からも、タイトルに、オオツチハンミョウ?を選ばさせて頂いた次第である。

ただ、冷静に、触角の瘤の有る無しは、雌雄の差であったりしないであろうかと慎重に眺めている自分もいる。

最後に、このツチハンミョウの仲間は、カンタリジンという有毒成分を持つ事で知られるが、その辺の詳細は、私のヒメツチハンミョウの投稿に書いてあるので、そちらで掴んで頂ければなと考える。

上の写真の個体の第一印象として、腹部のはち切れそうな大きさがあったが、正直、この膨らみの意味はなんであろうとの好奇心は、現場でも私の中には芽生えた。これが産卵の兆候と結びつくのか、それとも捕食者達へのアピールであるのかも気になったりはした。

マメハンミョウ

最近、近隣の水田の畦道で見つけ、写真に撮っていた。

初めて見た昆虫であったので、なんとか写真に収めようと試みたが、逃げ惑う個体にピントを合わせる事がなかなか出来ないでいた。

一息ついて仕切り直しをしようと視野が広くなった瞬間、付近には4,5匹の群れがいる事に気が付いた。そして、大人しそうな個体を選んで写したのが、以下の一枚である。

『頭部が赤い虫』で検索すると、直ぐに同じ姿をした昆虫がヒットしてきた。

名前は、マメハンミョウ。ただ、マメと名前についているが、大きさは2センチ弱ぐらいはあった気がする。

写真のピントを合わせるのに苦戦していた際に、いっそ摘んで手のひらの上で写そうかとも思ったが、触るとヤバいやつとの勘も働いていた。実際のところ、勘は正しく、カンタリジンという毒成分を持つタイプの甲虫であった。

ちなみに、同じ成分を体内に含む昆虫としては、過去にアオバアリガタハネカクシヒツチハンミョウの投稿をしている。

さて、このマメハンミョウの習性として、成虫は各種植物を食すとの事である。実際、この写真を撮った際の群れも、イネ科の植物を食べていた。

一方、幼虫の方は、イナゴやバッタの卵塊の側に産卵され、近くのイナゴやバッタの卵塊を食べて成長するとのことである。確かに、辺りには、無数のイナゴ類が飛翔していた気がする。