セアカヒラタゴミムシ Dolichus halensis (Schaller 1783) 3

このゴミムシは、ゴミムシ中のゴミムシというか、ゴミムシの定番だと思う。

過去にも投稿済みのセアカヒラタゴミムシを、今回再度投稿しようと思ったのは、胸部背側が赤くないタイプと出くわして写真に撮ったからである。

体長で17ミリぐらいだったと思う。

今回の個体に出会った時に、サイズ的にセアカヒラタゴミムシ、確率的にセアカヒラタゴミムシだと思いたかったが、私がセアカの背(胸部背側)と思っている部分が赤くないのである。

ただ、調べたら、このタイプのセアカヒラタゴミムシも普通にいると認識されていることを知った。では、私が思う背が赤くなく、腹部背側が赤っぽい今回のような個体に出会うと、セアカヒラタゴミムシの背って、腹部背側の事かとの迷いというか不安が生まれた。

でも、やはり、腹部背側の上翅は真っ黒で、胸部背側が赤っぽい個体にも、よく出会う事を考えると、セアカヒラタゴミムシの種名に含まれる背は、胸部背側で良いような気はするのだが、どうなのであろう?

さて、このセアカヒラタゴミムシは、我家の庭にもいる。そして、我家の庭の個体群は、以下のような感じである。

撮影は、本年5月31日……折りたたんだ下翅がレントンゲン撮影みたいに透けて見えているので、上翅のその部分は、色が薄く透明に近いんだと思われる。

同じ個体をもう一枚。

こちらは、光の当て方なのか、下翅は透けていない。直前の上の写真と同じ個体である。

ちなみに、我家のセアカヒラタゴミムシは、この胸部背側が赤茶色で、上翅の中央上側の色素が抜けるタイプである。(今のところ、他のタイプに出会った記憶がないと書きながら、3年前の我家の庭で見かけたセアカヒラタゴミムシの投稿で、凄くオーソドックスな個体の投稿をしているのにも気が付いた。)

最後に、これらの色彩変異が、どんな条件で生まれるのか、もしくは、もしかしたら、どんな条件で推移してゆくのか、ゆっくり観察して行ければなと考える。

相手は、自然下に幾らでもいるセアカヒラタゴミムシだし。

追記………本種の学名の登録年が18世紀と古いが、世界中に広がっているゴミムシのようである。ヨーロッパ、中央アジア、ロシアそして日本に及ぶ。

スジアオゴミムシ Haplochlaenius costiger (Chaudoir,1856)

本日、仕事から帰宅後に、日暮れまで、庭の草むしりをした。

すると、草むらから、このゴミムシが飛び出したのを見逃さなかった。

大きさは、体長22ミリぐらいある。近隣で出会うこの手のゴミムシにしては大きい。

そして、このゴミムシは、世間一般的には普通種であるが、個人的には出会いたかったゴミムシであった。

最初に種名を告げると、スジアオゴミムシ。見分けるポイントは、脚の関節が黒くなっているところは着目して良いと思う。

なんで出会いたかったかというと、このブログを始めた数年前に、我家の庭で夜に出会っているのである。夜に懐中電灯下だと、胸背部は赤銅色が強くなり、恥ずかしながら、当時は、セアカヒラタゴミムシと思っていた。(今では、セアカヒラタゴミムシの胸背部は、光沢を持つはずがないことは学んでいる。)

そして、あのゴミムシが何であったのかを確認するためにも、再び我家の庭で出会いたかったのである。

そして、本日、再会できた。

スジアオゴミムシ………これからも、このゴミムシは、間違わないと思う。

追伸 今晩は、ゴミムシに関しては、もう一つ嬉しい出来事が………先ほど、庭のコンクリートの部分に、やつれたゴミムシらしき昆虫を発見。軽い気持ちでつまみ上げようとすると、高温のガスを爆発音と共に噴出する。高温ガスの温度は、ミイデラゴミムシより上と感じた。(笑)

目下、バケツに捕獲中なので、明るくなったら、写真に撮ろうと思っている。

オオスナハラゴミムシ Diplocheila (Isorembus) zeelandica (Redtenbacher, 1868)

本日、我家の庭で朽木の下にいるところを捕まえて、写真に撮った。

ちょこまかと逃げ回る姿は、一般的な黒いゴミムシの仲間に見えたが、捕まえて見てみると、身体はガッチリと硬く、大きな顎も目に入った。

これは、いつもの黒いゴミムシ達とは違うと感じて調べてみた。

大きさは、体長で2センチちょっとといったところであろうか。

触角の第4節より先が赤褐色のところや、上翅の後端から腹部がはみ出ているところや左右非対称の顎牙の特徴から、オオスナハラゴミムシという種だろうとの結論に至った。

左右非対称の顎牙が見て取れる写真を以下に。

このガッシリとした顎牙と特殊な形状は、カタツムリの殻を割るのに適しているとのことである。我家の庭には、元々、目に見えるような大きさのカタツムリはいた気はしないが、ここ数年は、近隣の色々なカタツムリを持ち帰って来て、観察し終えると、庭に放してはいた。最近も、随分大きく育ったウスカワマイマイが、家の壁を這っているのを目撃している。そんな環境に誘き寄せられたのか、我家の庭で、この大きな強そうなゴミムシを目撃出来たのは、嬉しく感じる。

さて、種名にスナハラ(砂原)と付くことから、大きな河川の砂洲や沿岸部に居そうなイメージだが、我家の立地のような台地上の疎に森林があるような場所にも普通に生息しているゴミムシとの事である。