コシロアシヒメハマキ 成虫 Hystrichoscelus spathanum (Walsingham, 1900)

一昨日の晩に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長で8ミリぐらいであったであろうか。

種名は、コシロアシヒメハマキかと思うのだが……。

実際のところ、昨年の6月に近隣で見かけた個体を投稿済みの種であるが、その時の写真よりは遥かに良い写真が撮れたと思うのと、我家で写真が撮れたという観点から、再投稿してみようと思った。

幼虫の食草は、ブナ科のコナラやクヌギ等とのことである。

生息分布の方は、国内は、本州以南……九州を経て奄美大島辺りまで。海外は、台湾からの生息報告もあるようである。

チョウセンカマキリ Tenodera angustipennis
(Saussure, 1869)

近隣で見かける大きめのカマキリと言えば、オオカマキリ、ハラビロカマキリ、そして、今回のチョウセンカマキリであろうか。

そして、その3種の中では、チョウセンカマキリが一番出会える回数が少ないようにも感じる。

では、どんな外見かと言うと……。

この個体で体長9センチぐらいだったと思うが、ちょっと細っそりしているのが分かる。同じぐらいの大きさのハラビロカマキリ(実際の体長はハラビロカマキリはそんなに大きくないらしいが、でっぷりしてて大きく見えるのかな)は、このチョウセンカマキリと比べると、かなりふっくらしている気がする。

他に、前脚基部の間にある胸部の色はどうであろう?

はいはい……やっぱりオレンジ色だ。オオカマキリは、ここがレモンイエローといったところであろうか。

次に下翅(後翅)の雰囲気というか色を見てみよう。

オオカマキリやハラビロカマキリと違って、随分と色が薄い気がする。そして、今回気が付いたが、腹部も、こんなにオレンジ色だったんだ。

さて、このチョウセンカマキリは、3年前に、家の近所で見つけたチョウセンカマキリの卵塊の投稿をしているが、今回は、少し、チョウセンカマキリの分布を眺めてみようと思う。ここで、似た大きさのカマキリであるオオカマキリやハラビロカマキリとの進化の過程での接点へのヒントが見つかるかもしれないことを目論みながら……。

このチョウセンカマキリの生息分布は、国内は、本州以南……九州近海を経て南西諸島まで。海外は、韓国や台湾や、台湾の反対側の中国大陸側には生息しているようである。そして、海外は、比較的新しい移入なのかハワイやアメリカ東海岸には生息しているようである。

一方、オオカマキリは、アジアにおいては、更にその生息分布の範囲が広がった感じで、北海道や東南アジアでも見られるようである。アメリカ東西沿岸部からの報告もある。

ちなみにハラビロカマキリは、更にその生息範囲が広くなった感じで、ちょっと大袈裟にいうと、疎だが世界中に拡がっている感じであった。

シロヒトリ 雌雄 触角の違い Chionarctia nivea
(Ménétriès, 1859)

8月の暮れより、近隣の自然下では、シロヒトリとの遭遇が容易いはずだが、この沢山いるシロヒトリを眺めながら、今年は、自分にしては珍しく好機を逃す事なく、一つの実験(調査?)を試みれたと思う。

そうだ……沢山出会えるシロヒトリ達を見比べて、雄と雌の違いを見出し、確証してみようと……。

そして、運の良い事に、モデルは沢山いるだけでなく、おとなしく近づいても逃げない。おまけに、手で摘んでも、擬死の習性で、しばらくの間は動かず、観察はし放題になる。

そして、もう一つ運の良いことに、この日は、産卵直後と思われる個体が、産みつけた卵に覆いかぶさるようにいた。普通に考えると、その個体がメスだと思うので、その個体はどんな特徴があったかは以下の写真で説明してみる。

触角が糸棒状に見える。厳密には、糸棒状というよりは、片側に微妙な櫛歯(鋸歯)があるのが分かる写真を以下に。

以上が、メスの触角の特徴であるが、蛾の一般的な傾向である雌の方が大きいというのは、この蛾にも当てはまり、雄が前翅長30ミリぐらいといったら、雌が35ミリぐらいではないだろうか。

続いて、雄の触角の特徴が見て取れる写真を以下に。

少しアップしたものを以下に。

確実に両歯状になっているのが分かり、しかも片側の櫛歯は長めである。

以上が、シロヒトリの雄と雌の違いである。

近隣でヒトリガの仲間は擬死の習性を持つものも多いが、ちなみに、擬死すると、どういうメリットがあるのかを確信するような現場には出会したことがない。