セマダラハバチの一種

昨日、子供達にせがまれて、近所の山林に探検に連れて行った際に、目に付いて、写真に収めた。

家に帰って、黄緑色のハバチと検索すると似た昆虫の写真が沢山ヒットして来た。

同時に、ハバチ類は、未開の研究分野が多いといういつもながらの事実に直面する事になった。

上の写真のハバチは、セマダラハバチの一種というところまでしか分類しようがないという結論に至った。種を識別するための豊富かつ正確な情報が少ないのである。

黄緑色と黒のコントラストが新鮮なハバチであった。ハナイカダの花を吸っていた光景も、新鮮だった。

ギンイチモンジセセリ  (つくば市)

昨日、とうとう正体を突き止める事が出来た蝶の紹介をしたく思う。

数週間前に初めて見た時、低空をユラユラとフラフラと飛ぶ黒い蛾を何とか写真に収めようとしたが、なかなか静止してくれなかった。その蛾は狭い範囲を徘徊しているのだが、なかなかスタミナがあって、地上に降り立たない。その日、見たのは、その1匹だけであった。

しかし、今、同じ場所で、その昆虫が結構(まぁまぁ)飛んでいる。今度は、被写体も多いので、のんびり屋で警戒心の薄い個体を見つけ、何とか写真に収める事が出来た。

そして、気が付いた。蝶じゃないかと。

そして、この蝶を調べていて知ったのは、結構レアな蝶だという事だった。環境省のレッドリストでは、純絶滅危惧種に指定されており、茨城県のレッドデータでも絶滅危惧Ⅱ類(将来絶滅の可能性も無きにしも非ずといったいったイメージ)に指定されている。福岡県と大阪府は、絶滅を宣言している。

では、この蝶が好む環境はと言うと、明るい草地で、幼虫は、枯れたススキ、チガヤ他を食草とするとの事である。辺りをパッと見た感じでチガヤやススキがあったか思い出せないが、ススキもチガヤも近隣では、当たり前に存在する植物である。ただ、アシヨシやエノコログサにも産卵し、幼虫は育つとの記事も読んだので、このギンイチモンジセセリが居たスポット(比較的狭い範囲)が小川の土手であった事を考えると、それらの植物を利用している可能性は大いにあると思われる。

成虫になるとヒメジオン他…周りで咲いている花で吸蜜するようである。白い花は好みとの記事も読んだ。

ところで、翅の裏に見えるラインからギンイチモンジ(銀一文字)の名が冠されているが、実際に現場で目視すると、薄い水色に見える個体が多かった。

さて、このギンイチモンジセセリが数を減らしている理由って何なんだろう?植生含む生息環境を見渡した時に、茨城の至る所で見れる景色(環境)と何ら違いは無い。同じ環境なら、近隣にいくらでもあると思った。

人為的に数ペアを移動させれば、色んな地域にゆっくりと定着していきそうな気もするが………他にも、このギンイチモンジの脅威になる条件が隠されているのかもしれない。

もし、生息範囲が拡がらない理由が有るとしたら、彼らの蝶としての飛翔能力の無さは少し起因していると思われる。低空を弱々しくユラユラフラフラするだけで、遠くまで移動していける雰囲気がない。交通量の多い幅員のある道路なんか渡れる気がしない。あとは、身を隠せる草が茂った場所がない開けたところに出たら、鳥やトンボ類に一瞬で捕食されそうな蝶としてはヨタヨタした飛び方である。

最後に、何枚か同じ日に撮ったギンイチモンジセセリの写真を載せておく。

クロハネシロヒゲナガ 成虫

本日、昼休憩に選んだ場所で、車から降りて深呼吸しようとしたところ、足元の草むらを、何やら未確認飛行物体が飛んで移動している。

最初は、生物なのか、何かに引っ掛かったゴミの浮遊なのかも分からなかったが、どうも生物っぽい。蜘蛛が白いクモの巣の上を少しづつ横移動しているのかなとも思ったが、移動距離が長過ぎる。

そして、そのうち、私の想定外の長さの触角を持ったとても小さな体の昆虫の身体部分が、中心に何となく見えて来た。後は、ひたすら何かに止まり静止するのを待つのみ。

何とか止まったその昆虫をスマホで写真に撮るが、どれもピントが合う前に飛び立たれてしまう。

諦めて、少し離れた小川沿いの土手上の畔道を歩き始めたら、そこかしこに、その昆虫が飛翔している。

今度は、何とか草むらの奥深くに着陸した個体にピントを合わせることが出来た。

ネットで検索して調べたところ、クロハネシロヒゲナガという昆虫である事が判明。そして、蛾の仲間である事も分かった。

それにしても、触角が長いし、飛翔中もしっかりと確認出来るだけの太さがある。触角は、重量もあるのか、重そうに横に横に低空飛行をするだけである。

今回のクロハネシロヒゲナガとの遭遇で遠い過去のある思い出が蘇って来た。子供の頃、山陰の小串という漁港で釣りをしている時に、突如目の前の海の中をヒラヒラと超長い生き物らしきものが泳いでいる。今回と同じ様に、一瞬???であったが、その時も目が慣れて来たらユラユラの繋がる先にこじんまりした魚体が数匹見えた。そのユラユラは、なんとそのイトヒキアジという魚の7,8メートルにも及ぶヒレだったのである。

それからは、こんな魚見たこと有るんだと、友達らに自慢しまくったものだ。

今回のクロハネシロヒゲナガも、私には未知なる変わった生物との出会いという似たような小さな感動を与えてくれた。

一見の価値のある蛾だと思う。