オオホソクビゴミムシ (つくば市中部)

昨日、仕事の昼休みに仕事先の施設内の森を今年初めての散策。2月にしては、気温が高く、ウォーキングやジョギングを楽しむ人達の姿が目に飛び込んで来る。

仕事のスケジュールが過密であったので、ほんの束の間の散策であったが、幾つかの昆虫を見付ける事が出来た。

ただ、直ぐに目に付く場所にいたのは、ツマグロオオヨコバイのみ(しかも一匹)で、他の虫達は、森に沢山ある切り株の中で、まだまだ越冬中であった。そして、その切り株の樹皮を剥がす事によって、彼らはその姿を現してくれた。急に寝込みを襲う事になったが、ヨタつくスズメバチ以外の昆虫は、一瞬で切り株のフレークの中へと姿を消して行った。

先ずは、以下の甲虫。

動きが速くピンボケの写真しか撮れなかったが、名前はオオホソクビゴミムシ。別名、ヘッピリムシ。

このオオホソクビゴミムシとの出会いは、少し面白かったので、少し紹介しておこう。既に樹皮(赤松なんだと思う)が剥がれた切り株を蹴って振動を与えた瞬間、木の中や地面から所々で高さ5センチぐらいの潮吹(鯨の)というか小爆発が起きてる事に気が付いた。そして、この正体を突き止めようと、切り株の表面を少し崩すと、上の甲虫が何匹も現れたという具合である。

因みに、ネット上でこのオオホソクビゴミムシのガス放出の記事を読むと、音と共に悪臭漂うガスを噴出とあるが、私にはガス放出時の音(おそらくプサーとかしてるんだと思う)は記憶には残らなかった。ガス噴出の方は、まさに急に小さな爆発が起きると言った感じで、その噴出されたミストが、暫し霧状の小さなキノコ雲?みたいな感じで煙幕ならぬ霞状に大気中にハッキリ見て取れる。あとは、臭いに関しては、しゃがんでこのオオホソクビゴミムシのガス放出を観察していたのだが、その距離まで漂って来ることは無かった。

このオオホソクビゴミムシのガス噴出の結論として、個人的には、凄く効果が有ると思った。あれだけ派手なパフォーマンスだと、臭いや毒性がどれぐらいのものか実感出来るまでは、近付いたり、手に取るのは躊躇してしまう気がした。

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2020年3月25日追記

最近、鮮明に写せた写真が増えたので、以下にアップしてみる。

もう一枚。

アオバアリガタハネカクシ

お正月休みに、近所の里山を流れる小さな水路を、網を片手にガサガサしていた際に、網の中に、この小さな朱色と黒のクッキリとしたコントラストの小さな虫が沢山入って来る事に気が付いた。

水中に半分埋没し半分浮遊しているような枯れ草を掬うと、必ずこの虫も沢山入って来るみたいな感じであった。

写真は拡大しているが、実物は1センチ無いぐらい。

直ぐに帰宅後に、名前を調べるが、意外とアッサリと、アオバアリガタハネカクシの名前が出てくる。

ここで、意外だった事実は、このアオバアリガタハネカクシの特徴として、潰れた時とかに体から滲み出るペデリンという毒成分に触れると、数時間の時を経て、物凄い痒みに襲われて、ゆくゆくは毒成分に触れた場所が、ミミズ腫れになるとの事であった。ネット状で見られるこのアオバアリガタハネカクシによると思われるミミズ腫れの写真は、まさに結構なミミズ腫れ状態の写真であった。

そして、結果、火傷(ヤケド)虫と呼ばれていて、注意喚起のネット記事が上位に沢山来ている事も知ることになった。

ここで疑問が出て来たのだが、一年を通して、時に水の中に浸かり、水辺の生き物を、かなりラフな格好(夏場とかは、半袖短パン等)で捕まえたり観察したりしている身だが、無意識のうちに、このアオバアリガタハネカクシに触れてミミズ腫れが出来た思い出や記憶が無い気がする。この原因として、敢えて潰さないとペデリンという毒成分に触れる機会が起こらないとか、アオバアリガタハネカクシ自体に、それほど攻撃性や攻撃力(毒量)が無いのとか、素朴な疑問が生まれて来たのも事実である。

さて、このアオバアリガタハネカクシは、夏場にはよく灯火にも集まってくるらしい。しかし、上の写真を見る限り、どこに翅が有るのとの疑問も生まれて来た。もちろん、上の写真の個体が幼体であり、翅が未発達の可能性もあるが、ハネカクシの名前の由縁も、ちょっと調べてみようかとの好奇心が湧いて来た。

あと、この時間差で痒みやミミズ腫れが起きるという現象も、少し良い知識が付いたと思う。皮膚から突然、痒みと共に、変な文字が浮き上がって来たとかの魔術とかにも利用出来そうと思った。

私は、魔術を仕掛ける側ではなく、暴く側の人間であろうと思う。

キイロシリアゲアリ(つくば市南部)

昨日、仕事の合間、休憩中に辺りを散策。以下の写真のようなアリの仲間が高密度で居る場所を発見。

大きさは、5ミリちょっとぐらいなのではないだろうか。どの個体も、お腹がパンパン。女王蟻の風格を備えている。

この蟻を見つけた時に、この蟻がシロアリの仲間なのか、それとも普通の蟻の仲間なのか、正直、私には分からなかったのだが、腹部の頭部寄りがくびれているのは、普通の蟻の仲間であるとの情報を得てからは、種名に辿り着くのは速かった。

このキイロシリアゲアリの多雌性の特性も、フィールドで見た状況と合致していた。お腹がパンパンの雌ばかりで、3分1ぐらいのサイズの2ミリ程度と言われる雄の姿は何処にも見当たらなかった。おそらく、9月頃に交尾を終えた後に生き絶えたのではと推測する。

では、このキイロシリアゲアリの雌達(全て女王蟻だと思う)は、晩秋の11月後半に、一体、何のために、一斉に葉表の目立つところで日光浴ならぬ目立つ行動をしていたのであろうとの疑問が生まれてきた。そろそろ翅を落とし、地表で越冬産卵態勢に入るらしいが、一体何の為の行動なんだろう…………写真を取ろうとスマホを近づけても逃げようとはしない。何の準備なのであろう?