シモフリスズメ(幼虫)(つくば市南部)

本日も、仕事の昼休みに、休憩先の近所を20分程度散策。

気温も低めで、虫達の活動も穏やかなのか、そんなに目に付かない。そんな中、幅2メートル強の水路の反対側から生えている常緑樹の幼木に、黄緑の大きめの蛾の幼虫を発見。2メートルの水路は、私には飛び越えられないので、対岸からなんとか腕を伸ばして、写真に収めてみた。

その時に撮ったものが以下のものである。

私の知る蛾の幼虫としては珍しく、常緑樹の葉に付いていたので、その路線でネット検索していくと、比較的すぐに、シモフリスズメの名前がヒットしてくる。写真では写せなかったが、スズメガの幼虫の特徴である尻尾のような突起は確認してある。

このシモフリスズメの幼虫は、多様な植物を食べれるとの事であるが、モクセイやネズミモチ等の常緑樹の葉っぱも食べれるらしい。実際、この写真の個体が食べている葉が、キンモクセイかギンモクセイか分からないが、実生で自然に生えてきたモクセイの仲間のような気がする。

クサシロキヨトウ(稲敷市旧桜川村)

先日の日曜日に、旧桜川村の方に出向いた時に、空いた時間を見つけて、ぶらり稲刈り後の田んぼ周りを散策。

中型の蛾の成虫を見つけたので、写真に収める。以下が、その時に撮った写真。

クサシロキヨトウの幼虫は、稲を中心にイネ科の植物を食べるとの事である。

昆虫の視点から人間の世界の価値観が、昆虫界にどれだけ浸透してるか分からないが、とにかく薄汚れたボロボロのいでたちである。

でも、これは自然界で揉まれて汚れたのでは無く、生まれた時からこの色彩なんだと思われる。それにしても、人間の価値観での汚れ感が半端ない………プロレタリア万歳!!

クモヘリカメムシ

少し涼しくなり始めた秋口より、イネ科のメヒシバやエノコログサの雑草群に、この細長いカメムシを見かけるようになった。

名前は、クモヘリカメムシ。(下の写真は、珍しく微妙に明るさの補正してあります)

写真は拡大してしまっているが、平均サイズ17ミリぐらい。危険を感じると、身軽に飛び立つ逃避行動を何回でも続ける。

さて、このクモヘリカメムシは、 イネ科の植物に付くみたいで、水田の周りに、メヒシバやエノコログサを始めとしたイネ科の雑草群が有ると、当然、同じイネ科の稲にも移動して、実に加害を与えてしまう稲の害虫となってしまうようである。

ただ、私が幾つかの水田周りの雑草群を見て回る限り、必ずこのクモヘリカメムシは居るような気がする。直ぐに見つけれるということは、見えないところでは、結構な数が生息しているのではと推測する。

稲穂の早い段階で吸汁されしまうと穂はあるけど実が入ってないみたいになってしまうとのことである。また、クモヘリカメムシの吸汁は、斑点米の原因にもなる。

そこで、重要になってくるのは、害虫の発生〜越冬場所になる水田周りの畦等の雑草刈りである。単なる無計画な人間のペースでの雑草刈りでは、刈られる草も、生存をかけて、結実までの成長スピード等を進化させてくるだけである。

重要なのは、雑草、そこを生活圏にする害虫、そして農産物のライフサイクルや習性を、しっかりと観察・洗い出して、計画的に水田周りを維持する知識や計画を学問として、進化・浸透させる事だと感じる………もしかすると、取り戻す事だと感じる。

身近な自然に触れる中で、頂点を自負する人間達の奢りを横目に、弱者や死者を装いながら、生存への進化を遂げている小昆虫や植物達のしたたかさにに気づかされる事が有る。

道具や薬を進歩させるのと同時に、したたかさや小さな変化を見抜ける人間の繊細な感覚が退化の方向に向かっていないか不安になる今日この頃である。

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2020年3月27日追記。

我が家の庭でも、越冬したと思われるクモヘリカメムシの写真を撮ったので、以下に貼り付けておく。撮影年月日は、3月9日。