オオヨコバイ (つくば市中部)

少し前に、仕事先で、敷地内の雑草が広範囲に渡って刈られた日があった。と同時に、住処を終われ隣接する植込みに、普段植込みには居ない昆虫が多数押し寄せてきていた。

そんな昆虫のひとつが以下のオオヨコバイであった。

オオヨコバイが元々跳び回っていた場所は、イネ科のメヒシバやエノコログサがメインで生えていた雑草群であった。

大きさは、似たサイズのツマグロオオヨコバイと同じぐらいで、8ミリ内外。ただ、ツマグロオオヨコバイが横這い(ヨコバイ)の名に相応しく、横歩きで葉裏に隠れたりするのに、このオオヨコバイの方は、危険を感じると、飛び立って逃げる感じである。なかなか静止してくれない。この理由の一つは、このオオヨコバイが生息するイネ科のエノコログサやメヒシバの茎が細く、茎裏等に回っても姿を隠せない事が関係しているように思える。だったら、少し遠くへ飛んで逃げろという危険逃避行動を学習して進化して行ってる気がする。

このオオヨコバイは1年中見られるわけではなく、少し涼しくなり始めた秋口から、まさにイネ科の雑草群の中に(大量)発生し始めた印象がある。

ただ、同じ植生の雑草群でも、居る場所と居ない場所や、生息数が濃い場所と薄い場所がある気がする。この違いを、今後、観察・考察して行ければなと思う。

スジキリヨトウ 成虫 幼虫

こないだ、娘と庭の芝の手入れをしていた時に、この幼虫に出くわした。初対面というわけではなく、我家の庭に芝がある限り出会い続ける蛾の幼虫の気がする。

その名は、スジキリヨトウ。

大きさは、これで2センチぐらいだったと思う。我家の芝庭では、たまに見かける幼虫だが、我家の芝が、これといってこの幼虫の食害に合ってる実感はない………もちろん気付いてないだけかもしれないが……


2020年5月6日追記

昨晩、家の外灯に集まる虫を眺めていたら、とある蛾を発見。そのうち種名でも分かれば良いなと思いながら、ポケットからスマホを取り出し写真に写す。

すると、また違う外灯に色合いが微妙に違う蛾が止まっている。

すると写真に撮ろうとしている最中に、また別の蛾が外灯の下の壁に体当たりしている。そして止まった。

一応、手の届く範囲にいた蛾達を写真に収めた。その場で写真を撮っている時には、色合いの違いから別種の蛾達を写していると思っていたが、部屋で撮った写真を見返した時に気が付いた。

これらは、色合いや雰囲気に個体差があるが、同種ではないのかと。

同種だと気が付いた後は、推理が始まる。この蛾達が、よりによって遠方より我が家の外灯の下に集まって来ている可能性は低い。家の敷地内で誕生している可能性が高いのではと。

ここまで来ると、外灯の前にある高麗芝の芝生から出て来たスジキリヨトウって、この蛾ではないのかとの疑惑が生まれる。

あとは、裏付けだが、全てズバリ、スジキリヨトウの成虫であった。

ここで、また疑問が出て来た。GW中ということもあり、期間中のんびりと外灯の下に集まる虫は眺めていたが、昨日までこのスジキリヨトウは見かけた覚えがない。きっと、サナギが羽化し始めたのかなとも思われる。今年は、3月の頭辺りからは、夜に芝生の上を歩くスジキリヨトウの幼虫を確認していたので、今のシーズンが1回目の発生なのかなとも考えた。

さて、このスジキリヨトウ……大きさは縦に2センチ弱ぐらい。思ったよりズングリしている。雌の触角は、糸状。雄の触角は両櫛歯状。(1枚目と3枚目の写真が櫛髭状で雄かと思われる)

今回、同定の決め手となったのは、なんといっても翅を貫く鳥の脚みたいな筋紋様だが、これが、このスジキリヨトウの成虫の期間にずっとハッキリと見てとれるのかは分からない。

ヤマトシリアゲ

先週、近所でこの昆虫も写真に収めていた。

最初は、細い蛾の一種と捉えていたのだが、どうも、シリアゲムシ科のヤマトシリアゲという別の昆虫であることが分かった。

シリアゲムシの名前の由来は、雄の尾が長くサソリのように上方へとクルリと持ち上げてる姿から来ているらしい。また、シリアゲムシ科には、数種が知られているが、殆どの種が長く太い特徴のある嘴(クチバシ)を持っている。

この事実を知っていたならば、この時もそのクチバシが写るようにと横の角度から写真を撮る事を試みたのにと悔やまれる。

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2020年4月30日追記

本日、出勤前に家のテラスに居た昆虫の写真を撮る。写真で見ると、特徴ある嘴と尻尾が微妙に反り返っているところから、シリアゲの仲間と分かる。

名前は、ヤマトシリアゲ。上の昨年10月の写真の個体と色合いが違うが同種である。春先に、誕生する個体は黒系で、晩夏に誕生する個体は赤茶系との事である。色合いが、あまりにも違うことから、以前は晩夏誕生の色合いの個体群は、ベッコウシリアゲと呼ばれて別種扱いされていたとの事である。

頑丈そうな長い嘴は、他の昆虫等に差し込み体液を吸うために進化したものである。