ナミルリイロハラナガハナアブ? Xylota amamiensis (Shiraki,1968)

数日前に近隣で見かけて写真に撮っていた昆虫である。

大きさは、体長10ミリぐらいだったと思う。

肉眼では、ハバチの一種と思っていたが、写真で見返すと、触角は短いし、後脚は太いはで、ハエの仲間かと理解した。

では、種名はと言うと、苦戦したが、ナミルリイロハラナガハナアブという種が、かなり近い線を行っているということに辿り着けた。

種名にあるように、ハナアブの仲間である。

生息分布は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ちょっと分からなかったが、このハラナガハナアブが属するXylota Meigen, 1822という属は、ヨーロッパを中心に北米大陸含め世界中に進出している事を知った。

オイワケヒメシャク?  成虫 Idaea invalida invalida (Butler, 1879)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長8-9ミリで、とても小さなシャクガが来ているなみたいな印象を持った。

そして、このサイズで、この雰囲気のヒメシャク達は、紛らわしいのが多すぎて、正直、種を特定するのが簡単ではない。そして、簡単ではないことが、誤った種の同定を起こす可能性は大である。

では、上の写真の個体は、 何というヒメシャクかを考える時に、私が着目したのは、亜外縁線の黒点の列である。ここが、他の類似種とは違い、翅脈に沿っているのか、縦に微妙に伸びている点である。大概は、亜外縁線を形作るように横に伸びる種が多いのである。

そして、外横線と翅脈が交わる箇所が、ところどころ、微妙に濃い点に見える気がする。

これらの特徴と、全体的な雰囲気から選び出すと、オイワケヒメシャクという種がかなりの有力候補だと感じた。オイワケヒメシャクの平均サイズとも、上の写真の個体のサイズは一致する。

幼虫の食草は知られていないようである。

生息分布の方は、国内は、本州以南……屋久島辺りまで。海外の生息分布は、ちょっと分からなかった。

追伸: 枯葉育ちのウスキヒメシャクという種も、凄く似ている事を確認したので、ウスキヒメシャクの可能性もないか、今後、こうした似た雰囲気の極小のヒメシャク達の観察は続けて行きたく思う。

シバツトガ? 成虫 Parapediasia teterella (Zincken, 1821)

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、体長9ミリ弱ぐらいであったと思う。

違う角度からの違う個体の写真を、もう一枚。

ところで、このシバツトガと思われる蛾は、これから我家の外灯下に現れる似たような細いツトガ達と比べると、サイズ感が小さい気がする。

幼虫の食草は、種名が表すように、イネ科の芝が知られている。

生息分布の方は、国内は、北海道から沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ちょっとミステリアスなのが分かった。先ずは、この蛾の学名で調べると、殆ど海外の情報が出てこないのである。そこで、この蛾の英名であるbluegrass webworm mothというフレーズで検索したところ、海外のウキペディアのようなものに辿り着いた。そこには、興味深いことが書かれていたのだが、アメリカ合衆国のジョージア州で、1821年に発見されたようである。その後、西方のニューメキシコ州やアリゾナ州で見つかったのpが、1930年代。カリフォルニア州のロサンゼルスで見つかったのは、1955年。サンフランシスコは、1988年。そして、目下、北米大陸のあらゆる場所に拡がり中の蛾なのである。

一応、日本では、1964年の兵庫県が初観測となっている。

知名度の割に、正確な情報の少ない蛾なのが分かった。