トビモンオオエダシャク 成虫 Biston robustus robustus (Butler, 1879)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蛾である。

大きさは、開張で70ミリぐらいであった。

種名は、トビモンオオエダシャクであろうと思う。まだ早春と言えるこの時期に活動している蛾は多くはないこともあり、その限られた選択肢の中から選べることになるので、この時期は、種名に辿り着きやすい気がする。一般的には、2月-4月の間に見れる蛾のようである。

この蛾は、紋様に関しては、変異が多いようだが、この時期にこんな紋様でこんな雰囲気なのは、トビモンオオエダシャクなのかもしれない。一応、外見的特徴で、私が目安にしたものがあるとすると、後翅の表面に見えるはっきりとした黒い外横線が1箇所、外縁に向かって丸みを持って飛び出す箇所がある事だったであろうか。この特徴は、ネット上の様々なトビモンオオエダシャクの写真を見ても、共通していた特徴のような気がする。

さて、幼虫の食草は、これまた多くの科の樹木の葉が食べれるようである。2年前に、トビモンオオエダシャクの幼虫と思われる投稿をしている事を確認したので、良かったら、そちらもご覧いただきたい。

トビモンオオエダシャクの生息分布の方は、国内は、おそらく北海道から九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の方は、朝鮮半島、台湾、ロシア南東部にもいるようである。

この蛾に関して気になることは、春先に出てきて活動出来ることから、寒い地域に特化した蛾なのかと思いたいのだが、沖縄や南西諸島といった気温が穏やかなエリアにもいることである。その背景にどういう理由があるのであろうか……気になる。

オオハガタナミシャク 成虫 Ecliptopera umbrosaria umbrosaria (Motschulsky, 1861) 2nd

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾である。本日は、この1匹しか見つける事が出来なかった。

大きさは、前翅長14ミリといったところ。

調べたところ、直ぐにオオハガタナミシャクと判明。2年前の9月にも投稿していることも確認した。

この蛾の幼虫の食草は、ブドウ科のヤブガラシやノブドウやサンカクヅルやエビヅルとのことである。

この蛾の生息分布は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島を含む南西諸島まで。海外の生息分布は、台湾やインドに、殆ど同じ外見の蛾が生息していることを知った。ネット上では、簡単に行き着けなかったが、おそらく他のアジア諸国にも生息しているものと思われる。

一般的には、5-6月と8-10月に年2回出現する蛾と紹介されている事が多いが、今回のように、3月の終わりには羽化する個体もいるようである。

この蛾の特徴として、止まる時に腹部を反り返して止まるというのがあるが、上の写真でも、その特徴は見て取れる。

アトジロエダシャク 成虫 Pachyligia dolosa (Butler, 1878)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蛾である。同じ場所に2個体がいた。

大きさは、どちらも前翅長20ミリといったところであろうか。

早春に現れていることから、その時期的な特徴から調べたところ、種名はアトジロエダシャクと直ぐに判明。

それにしても、一般的なエダシャクとは思えない翅を閉じた止まり方である。

ただ、エダシャクの雄に多い特徴である雄の触角が櫛髭状という特徴が分かる写真を以下に貼り付けてみる。上の写真とは別の個体である。

少し横から撮った写真をもう一枚。

幼虫の食草は、多岐に渡る樹木の葉が食べれるようである。

この蛾の生息分布は、国内は、北海道から、南は屋久島まで生息しているようである。海外の生息分布は、朝鮮半島にはいるらしく、済州島や日本海の孤島の竹島からの生息報告も上がっているようである。

最近、気が付いてきたのだが、気温が低い時期から活動出来る昆虫は、寒い気候に適応した種が多い気がする。そして、大抵は、そうした種の国内の南限は屋久島になる。この理由は、九州以南で、屋久島が国内では、低い気温を提供できる標高の高い山を持つ最南端の地になるからであろう。地

球温暖化の中、こうした種が、まだ茨城の平地で見ることが出来る時代ではある。