カバキコマチグモ

少し日が経ってしまったのだが、6月29日の事。仕事の休憩時間に休憩場所に選んだ場所の近くを散歩していた時の事である。

ススキか何かの葉が折り畳まれて巻かれている箇所が有った。中に潜んでいる昆虫が落ちないように、慎重に開けてみた。慎重に開けたのには、理由があって、少し前に同じようなヨシアシの類の巻かれた葉を鼻唄混じりに開けた時に、想像以上に勢い良く中にいた昆虫(蛾の幼虫と思しきクネクネした動きだった)が飛び出して来て、まさに鼻歌どころじゃなく度肝を抜かれた記憶を持っていたからである。

そして、この日、突然の飛び出しも警戒予測しながら、慎重に葉を剥いた際に目に飛び込んで来たのは、蛾の幼虫ではなく、蜘蛛と思しき昆虫であった。

名前は、直ぐにカバキコマチグモと判明。大きさは、大きい印象を抱いたが、脚を除く体長で、15ミリぐらいあったと思う。

一向に逃げる気配を見せないので、何枚か写真を撮ることができたが、写真を見て一番印象に残ったのは、矢張りおどろおどろしい牙であった。正直、蜘蛛って、こんなに立派な牙を持っていたかなと思った。

そして、この牙の役割に繋がる事実を知る事になるのだが、一応、このカバキコマチグモは、在来種の中では一番強い毒を持つ蜘蛛との事であった。

毒の成分は、幾つかのタンパク質からなる神経毒のようだが、含まれる物質の中に痛みを増幅させる成分も入っているらしく、噛まれてしまうと結構痛みが長引くようである。そして、確かに、このカバキコマチグモに噛まれないように注意してくださいとの自治体の警告のページも、ネット上で沢山ヒットしてきた。

確かに噛まれたくない蜘蛛であるが、ススキの草刈り等をした際に、束ねたススキを半袖で脇に抱えた時に、噛まれそうな予感もする。今のところ、噛まれた思い出はない。

最後に、このカバキコマチグモの雌は、巣の中で、生まれてきた何百という子供達に我が身を食べさせ、最終的には絶命してしてしまう習性を持っているとの事である。

他の生物に食われまいとあらゆる抵抗をするであろうカバキコマチグモが、我が子達が体液を吸う事には抵抗をしないのは、昆虫にも母性に繋がる本能があるという事なのかなぁ〜。

ゴホントゲザトウムシ

数日前に、家の外灯に集まる昆虫を観察していた時に、壁面ではなく、地面にも目を向けた時(これは日常的なルーティーンだが)に、この得体の知れない昆虫が歩いていた。

実際のところ、5月24日にも、同じ場所で同じ昆虫に出会っていて写真に納めていたのでそちらの写真を使い投稿させて頂く。

写真では掴めないと思うので、言語で補うと、脚を入れない体の大きさが10ミリぐらい裕にある。ゆえに、かなり大きく感じる昆虫である。

私の場合は、これが蜘蛛とは違うと疑わなかったが、実際のところ、蜘蛛ではなくクモ綱ザトウムシ目のザトウムシの仲間である。

動作の方は、蜘蛛より全然遅く、キャッチするのは容易な気がした。

食性は、小昆虫の捕食との事で、この晩も外灯下に集まる小昆虫を捕食しに現れたと考えて良いのではと思う。

遅くなったが、名前の方は、ゴホントゲザトウムシである。写真からは見て取れないが、背中に一列の突起が5本連なるようである。

局所的にしか見られない(準絶滅危惧種に捉えている都道県あり)昆虫という事で、我家の庭に居てくれたのは、自然の豊かさに繋がる気がして、なんか嬉しい。

写真の個体も、脚を何本か失っている。自然界での喰うか喰われるかを、物語っている気がする。

ワカバグモ

最近、林内を散策している時に見つけた。ノゲシかアレチノゲかの上の方に居た。

最初は、ハナグモかと思ったが、明らかにハナグモより大きく、腹部の形も違うような気がする。

風に揺れる草の上ではピントが合わなかったので、地面に降りてもらった。

脚を入れない体長で、1センチぐらい。写真の個体のように、脚先や頭部の方が色付いているのは、雄の特徴のようである。

ワカバグモ(若葉蜘蛛)のネーミングが、この蜘蛛の色合いから来ているなら、良いネーミングだと思う。透明感のあるグリーンが、とても印象的な蜘蛛だった。