ウスグロセニジモンアツバ 成虫

我家の外灯下に時々来ている小さめの蛾の名前が分かったので投稿する事にする。

2021年7月23日 自宅にて撮影

大きさは、前翅長で1センチぐらい。今まで、翅を中途半端に広げて止まる姿から、シャクガ科ナミシャク亜科を当たっていたが、なんとヤガ科のカギアツバ亜科の蛾である事が分かった。

種名は、ウスグロセニジモンアツバ。漢字で書くと、薄黒背虹紋厚羽辺りだと思うが、背虹紋のパートが種名を言い表している。腹部背側の対になった紋が虹色に光るようである。私が撮った上の写真でも、キラキラ光っているのが見てとれる。

幼虫の食草に言及している投稿は、サッとは見つけられなかった。

ここに来て、とうとう我家の外灯下によく来ていた蛾(春に多かった)の正式な種名が分かったが、同時に過去に間違った種名で投稿していないかと不安になってきた。再確認してみようと思う。

ヒサゴクサキリ

ここ数日、近所で、このバッタの仲間をよく見かける。

大きさは、体長4センチちょっとぐらいであろうか。とにかく、シミが多く薄汚れた感を醸し出しているが、クサキリなのは分かった。

という事で、クサキリの褐色型かぐらいに考えていたら、どうもヒサゴクサキリという独立した種である事が分かった。同時に、その薄汚れた外観も、本種の種としての特徴だと知った。

さて、このヒサゴクサキリという種を調べていて、分布域の特異性を言及している方が複数いたが、私も、このヒサゴクサキリの分布域に興味が惹かれた。

元々、南方系の種らしいのだが、大隅諸島、九州、対馬、四国、伊豆諸島、本州に生息しているようである。ただ、本州の生息域が偏っている。日本海側は山口県でしか確認されておらず、太平洋側は、千葉県辺りまで生息確認されている。しかし、内陸でも見られるのは、岐阜県以西であり、それより東の地域では、海沿いで見られるとの事である。

これを推理するには、他のクサキリ類の存在を考慮しないなら、日本海とかが存在しなかった何万年も前に、元々海沿いに生息していて、その後、温暖化の影響で現在の日本海の辺りに水が溜まり始めて、日本列島が大陸から切り離されて以降は、未だ日本海側を北上出来ていない段階なのではとの仮説を立ててみたい気もする。おそらく、似たようなケースは、他の生物でも生まれている気はする。もちろん、これに、寒さにデリケートな体質も日本海側への進出を遅らせているんだと考えたい。

ところで、このヒサゴクサキリが依存する植物は、ササ類の中でもメダケらしい。最近まで、メダケもヤダケもアズマネザサも、皆、篠竹として一括りと認識してしまっていて区別出来ないでいたが、ここに来て、近隣に生えている所謂背の高い笹はメダケである事を掴んできている。要は、ヒサゴクサキリの好物は、近隣近所の至る所にあると言える。

各都道県が独自に定めるレッドデータで、千葉県が絶滅危惧I類に、また東京都が準絶滅危惧種に指定しているが、元々、北限に当たる地域であり生息数も多くなく、逆に、これからの温暖化の方向の中で少しづつヒサゴクサキリにとっては好環境が増えているような気もする。

ツマキシャチホコ 成虫

昨晩、我家から徒歩でも直ぐに行ける公共施設の駐車場にある大きな電灯下に集まる虫を見に行った。

実のところ、その前日も訪れていたのだが、殆ど不発に終わっていた。でも、昨晩は違った。結構、初見と思われる蛾達に出会えた。

以下の蛾もそのひとつである。

大きさは、体長で25ミリを少し超えるぐらいだったのではないだろうか。タカサゴツマキシャチホコ、ムクツマキシャチホコといった近似種がいるが、こちらは、普通のツマキシャチホコかと思われる。

幼虫の食草は、ブナ科のミズナラ、コナラ、クヌギ等である。

私は、この手の蛾を写真や実物で何回も見て来ているので、蛾にしか思っていないが、明らかに枯れ枝に擬態していることは明白である。人間の知能だと、枯れ枝が壁や葉に垂直(地面に対して)にくっ付いている筈がないと見破れるが、鳥等には気付かれないのかもしれない。

いっその事、地面に転がっているように止まっていれば、枯れ枝そのものと思うが、地上には、違う捕食者も多いんだと思う。

ところで、同じ日に同じ場所で、このツマキシャチホコが、翅を広げている瞬間にも立ち会えた。もし、直前に同じツマキシャチホコに出会えていなかったら、同じ蛾だとの勘が働いたか自信はない。

以下がその写真。