フシキアツバ  成虫

昨晩家の外灯下に寄って来ていた蛾の一種である。

大きさは、前翅長で2センチないぐらいだと思う。同じ日に、殆ど同じサイズ・形で、ウスキミスジアツバと思われる蛾もいたが、2種を写真で見返すと、このフシキアツバと思われる種の方が、色が若干濃い目なのと、このフシキアツバの方には、内横線と中横線の間のぼやけたラインの存在がある。

他にも昨晩は、この2種よりも二回り程大きい似た色合いと紋様を備えたオオアカマエアツバという種も家の壁に止まっていた。

面白い事実は、この3種の共通点として、幼虫の食草が枯葉と言う点がある。

そして、もう一つ、この似た雰囲気の3種を昨晩見つけて思った事は、ちょうど2ヶ月前辺りに、この3種は我が家の外灯下に1回目の出現をしているということである。言い換えるなら、今回の出現は、今年2回目という事になる。

この流れだと、この3種が、今年あと何回出現してくるのかも確認してみたくなって来たのは言うまでもない。

ハイイロチョッキリ

名前は、ハイイロチョッキリ。

少し前より近隣の雑木林でたまに見かけるゾウムシの仲間である。

名前はハイイロチョッキリだと思う。大きさは、鼻の先までで2センチぐらいなのではないだろうか。

所謂、ブナ科の各種ドングリに産卵し、卵を産みつけたドングリを、葉が少し付いた状態の枝ごと、まさに刃物で切ったようにスパッと切って地面に落とす習性がある。……因みに一番好まれるドングリはコナラのドングリとの事である。

最初の頃、雑木林に囲まれた駐車場のアスファルトの上に所々に枝葉の塊が落ちているのを見て、秋の天気が荒れた日等に地面に落ちて来ていると思っていた。……自分より全然年上のお友達から、チョッキリという虫が落としていると教えられるまでは……。

このハイイロチョッキリは、ドングリの笠の部分から穴を開けて産卵する。チョッキリの習性は無いものの、同じようにドングリに産卵するシギゾウムシの仲間達は、ドングリの笠じゃない部分に穴を開けて産卵するみたいである。

また、樹上ではなく地上付近で発見したこの写真の個体は、危険を感じた時に、身軽に飛んで逃げた。この事からも、樹上でも、産卵のためにドングリからドングリに移動する際も、飛翔の形態も使っていると思われる。

成虫で冬は越せないらしく、秋にドングリに産卵をすると寿命を全うしてしまうようである。

写真の個体の胸部右側の頭部との境目あたりに極小の刺みたいな部分が辛うじて見て取れるが、この刺(両サイドに)があるのが、雄との事である。

ムラサキツマキリアツバ 成虫

最近、近隣の小川沿いの小道を散歩していた時に見つけた。

大きさは、開張サイズで4センチぐらいだったと思う。

この蛾は、少し特徴ある止まり方(翅の両端を少し上へ曲げる)をするみたいだが、そんな特徴も決め手になって、ムラサキツマキリアツバという種である事が分かった。

幼虫の食草はスイカヅラとの事である。正直、スイカヅラなら近隣の至る所に繁茂している。

似ている種に、ウンモンツマキリアツバという蛾が居るようであるが、幼虫の食草のイボタノキというのが、ピンと来ない。イボタノキって、どれって感じである。

ウンモンツマキリアツバとムラサキツマキリアツバの相違点としては、他に、ムラサキツマキリアツバの方が、紋様がハッキリクッキリしているという特徴がある。

上の写真の個体の紋様は、私には充分過ぎるぐらいに、クッキリハッキリに感じられる。