タカサゴシロカミキリ Olenecamptus formosanus (Pic, 1914)

10日ほど前に我が家の外灯下に来ていたカミキリである。

大きさは、体長20ミリぐらいであったと認識している。

初めて出会うカミキリの気がしたが、調べたところ,タカサゴシロカミキリという南方系のカミキリであることが分かった。

同じシロカミキリ属には、本種よりも少し北方に適応したオオシロカミキリという種もいて、少し似ているのだが、上の写真の個体は、タカサゴシロカミキリだと思う。

生息分布の方は、国内は、本州の近畿以西と紹介されているサイトもあったが、温暖化が進む現在、茨城県の南部には生息しているようである。海外の生息分布は、タカサゴと名前に付くぐらいなので、台湾にはもちろん生息しており,韓国からの生息報告もあるようである。これらの台湾や韓国といった位置関係から類推しても,国内の南西諸島や対馬や隠岐からの報告があるのは頷ける。

幼虫は、胡桃の倒木等を好むようであるが、確かに我家には、胡桃は生えている。胡桃のイメージと結びつかない温かい南西諸島では、胡桃がシマサルスベリに置き換わるようである。

コカブトムシ 雄 Eophileurus chinensis subsp. chinensis (Faldermann, 1835)

最近,近隣の雑木林内の遊歩道上で見つけた。

直ぐに、アイツだろうと目星は付いたが、調べたところ、睨んだ通りであった。

大きさは、体長で15ミリといったところ。

ツノが見える横からの写真を一枚。

種名はコカブトムシ。

目星を付けることが出来た理由は、過去に写真には撮っていなかったが、同じ森の中で見かけたことがあったからかもしれない。

幼虫は、朽木の中で育つのだが、成虫になると,樹液に集まるわけではなく,死肉等に集まる習性を持つ。

生息範囲の方は、国内は北海道から九州までいるようである。奄美大島や沖縄本島や、それより先の八重山諸島には、それぞれに固有の亜種が存在するようである。海外の生息分布は、韓国や中国の東部の各地から生息報告が上がっているが、日本国内の一般的なタイプと全く同じタイプとも思いにくい。

最後に,コカブトムシは、分類上は、カブトムシ亜科に属するカブトムシの仲間である。

なお,都道府県が独自に定めるレッドデータでは、熊本県が絶滅危惧Ⅱ類に、福岡県、大分県、愛媛県、和歌山県、長野県が、準絶滅危惧種に,山口県と岩手県も動向を注視している種みたいな括りに入れている。

クシナシホシオビコケガ Aemene takahashii (Kishida, 2018 )or クシヒゲホシオビコケガ Aemene altaica (Lederer, 1855) 茨城県と福島県の県境付近 標高600メートル近辺

茨城県と福島県の県境付近に、植物観察をするお気に入りの場所があり,先週末に出かけてみた。

観察中には、数種の昆虫にも出会ったが、本種もその一つ。

大きさは、前翅長10ミリ弱。とても小さな蛾である。

種名は、一昔前であったなら、ホシオビコケガで良かったんだと思う。ただ、情報だと,2018年に,クシヒゲホシオビコケガAemene altaica (Lederer, 1855)とクシナシホシオビコケガAemene takahashii (Kishida, 2018 )の2種に細分化されたとの事である。

そして、これ以降,両種の外見的特徴を紹介してくれているサイトが増えつつあるようであるが、この手のそっくりな蛾達を視覚的な外見的特徴で判断することが難しいと感じている今日この頃でもある。知りたいのは、両種にどんな生息分布の傾向があったりといったような進化や変異に繋がる情報が、本音、必要と感じている。

という事で、一昔前のホシオビコケガとしての生息分布を記しておくと,国内は、北海道から南は屋久島辺りまでのようである。海外の生息分布は、朝鮮半島や東シベリアにはいると思われる。GBIFのオープンソースを見ると,韓国の済州島からも報告があるようである。

ところで、最後に,このホシオビコケガを調べている際に、幼虫の姿が目に留まったのだが、この幼虫に見覚えがあるのである。近所の田んぼ脇のコンクリート用水路のコンクリートに生える苔を食べている幼虫ではないかとの記憶があるのである。とにかく、見覚えのある幼虫なのである。時間がある時に,確かめに行ってみようと思う。そして、ドンピシャだったら、持ち帰り,羽化させてみようとも考えている。

ちなみに、上に書き忘れてしまった重要な情報だが、幼虫の食草は地衣類である。