リンゴカミキリ Oberea japonica (Thunberg, 1787)

数日前に近隣で見かけたカミキリムシのひとつである。

大きさは、正直ハッキリとは思い出せないのだが、体長18ミリぐらいだったのではないだろうか。

よく似た近似種も含めて、たまに見かけるカミキリではあるが、上の写真の個体の種名は、リンゴカミキリであると思う。

桜の葉っぱなんかを食べるカミキリらしく、バラ科の樹木の葉が好物らしい。このカミキリの写真を撮った真上にも大きな桜の木が茂っているのを知っている。

生息分布は、国内での生息のみが知られているカミキリらしく、北海道から九州………九州は近海の島々まで生息しているようである。

近隣で見かける似たカミキリに、ソボリンゴカミキリOberea sobosana (Ohbayashi, 1956)という種がいるが、こちらは、本州から九州にかけて生息しているようで、元々は九州の山地系のカミキリとの情報があるが、このカミキリも、近隣で見かける気がする。外見状の違いは、このソボリンゴカミキリの方は、肩部まで黒い部分が伸びている点である。

以下に、最近、茨城県と栃木県の県境辺りの標高300メートル付近で見かけたソボリンゴカミキリと思われる個体の写真を貼っておく。

ミヤマカタバミ Oxalis griffithii Edgew. & Hook.fil. 近所の山 標高350メートル

先週末に近所の山に車で散策に行った際に、小さな沢で見かけた。

直ぐに、カタバミの仲間であろうと想像したが、平地でよく見かけるカタバミの類よりは、葉が大きく、形状も少し特徴があるなと思った。

そして、平地のカタバミの種が、誰かの靴底にくっ付いて来て、ここに繁殖した可能性も視野に、もう少し観察を続けたところ、種の鞘の形が平地のカタバミ達とは違って、鋭尖頭ではなく、少しズングリしているなとの印象を持った。

この時点で、平地のカタバミとは違う種だと確信して、帰宅後に調べたところ、ミヤマカタバミという種だと判明。

そして、興味深いのは、このミヤマカタバミは、平地のカタバミ類が咲かせる黄色い色の花と違って、白い花を咲かせるようである。いつか、その白い花も見てみたいものである。

さて、このミヤマカタバミの生息分布は、国内は、本州から九州なのだが、条件として、標高の少し高い山地というのが付け加えられるはずである。気温の低い東北地方なんかは、どれほど里に降りて来ているか気になるところではあるが……。海外の生息分布は、中国、フィリピン、ヨーロッパからの報告があるが、おそらく少し冷涼な山地に生息しているものと思われる。また山という気温的に分断されやすい地形に生息していることから、それぞれの地域によって、個性に違いが現れているものと推測する。実際、日本においても、ミヤマカタバミ以外に、コミヤマカタバミやオオヤマカタバミという変種(variety)が知られている。

最後に、このミヤマカタバミは、各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、愛知県が準絶滅危惧種に、佐賀県が絶滅危惧Ⅱ類に、高知県と徳島県が絶滅危惧Ⅰ類に指定している。

ヤブデマリ Viburnum plicatum var. tomentosum 茨城県福島県の県境付近 標高700メートル前後

先週末に、ぶらっと茨城県と福島県の県境付近の山を散策しに行った。

時折、道路から遠方に白い花を咲かせる中低木が目に入った来ていたのだが、私は、ヤマボウシかと思っていた。

そんな道中、林道脇に大きな白い花を輪っか状に咲かせる横広がりの中低木が現れたときに、すかさず観察のために近寄り、写真に撮った。そして、繋がった。遠方に見える白い花を咲かせる横広がりの木は、これと一緒だと。

種名はヤブデマリだと思う。

横広がりの樹形に、大きな白い花の輪っかが多数散見する姿は、清々しく美しく感じられた。庭が大きければ、一本植えたい木だなとも思った。

さて、このヤブデマリの生息分布は、国内は、岩手県盛岡市辺りが北限との情報もあったが、本州から九州にかけての太平洋岸に自然分布しているようである。日本海側には、ケナシヤブデマリ(ヒロハヤブデマリ)という種が存在するらしい。

海外の分布は、朝鮮半島や中国の南東部が知られている。また自然分布か分からないが、アメリカ合衆国の北東部からの報告もあるようである。