ハミスジエダシャク? 成虫 Hypomecis roboraria (Denis & Schiffermüller) 1775

約2週間前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、開張で40ミリぐらいあったと思う。

我家の外灯下には、似たような蛾は数種類が頻繁に訪れるので、そのうちのどれかだよなとスルーしていたのだが、もう一度、この蛾をどの種だろうと、当てはめてみたところ、どうも未投稿のハミスジエダシャクではないかとの結論に至った。

このハミスジエダシャクの幼虫は、マツ科から、ブナ科、トウダイグサ科、マメ科、バラ科、ミズキ科と、広範囲の植物を食べれるようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外の生息分布は、ヨーロッパの西から東へとほぼ全土に、中央アジアの温帯に、そして東アジアの温帯から亜寒帯にかけてといった超広範囲に拡がっている。所謂、動物地理学的に旧北区と呼ばれる地域を網羅している蛾であり、このことから各大陸がもっと凝縮していた時代に既に誕生していた蛾なのかなと想像してみたい。

クロハナムグリ Glycyphana fulvistemma (Motschulsky, 1858)

数日前に近隣の野原で見かけたハナムグリである。

こんな黒い艶消しのハナムグリを過去に見たことがあったであろうか、それとも記憶から出てこないだけで、過去に既にブログに投稿していたであろうか、どちらの記憶が正しいのか正直分からなかった。

確認した所、未投稿の種と分かった。故に、投稿してみようと思う。

大きさは、体長で13ミリぐらいであったであろうか。

種名は、クロハナムグリというらしい。

同時期に、近隣でコアオハナムグリには、よく出会えるが、このクロハナムグリに出会ったのは初めてである。ちなみに、昨年は、ヒメトラハナムグリという種と初遭遇できたのも記憶に残っている。

さて、このクロハナムグリだが、大体5月ぐらいから見られるハナムグリで、生殖活動及び産卵活動を終えると寿命を全うする個体が殆どで、おおよそ一年の寿命のサイクルを持つハナムグリらしいが、稀に、翌冬を越冬する個体もいるとのことである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。北方領土からの報告もある。海外は、朝鮮半島からロシア沿海州南部にかけて……樺太からの報告もあるようである。他にも、台湾やインドシナ半島にもいるようである。

オオバギボウシ Hosta sieboldiana (Hook. ) Engl. var. sieboldiana(1888)

先週末に、茨城県と栃木県の県境付近、標高300メートル付近で、少しだけ動植物を観察する時間があった。

ふと、林道の開けた陽射しの当たる場所で、以下の植物が目に飛び込んできた。

私の心の中での、第一声は、「ギボウシじゃん。しかも超でっかい。」であった。

今まで、我家の近隣の平地で、野生のギボウシを見かけることはあったが、どれも、上の写真のギボウシより5分の1ぐらいは、小さく、もっと葉っぱの色が濃いギボウシである。この平地で見かけるギボウシが、元々自生していたのかは分からないが、花期に薄紫の花を咲かせている時期には、綺麗な花の色合いだなと見惚れてしまうのも事実である。

さて、今回のこの巨大なギボウシの種名はと言うと、これがオオバギボウシという種だと思いたい。花はコバギボウシの薄紫と違い、白色らしい。そして、平地で見かける野生のギボウシの方が、コバギボウシなのではと思いたい。もしかしたら、もっと細分化されているかもしれないが、取り敢えず、この2系統は気温で棲み分けをしているのが読み取れる。

基本的に、高緯度や山地等の涼しめの環境で生育しているのが、オオバギボウシで、西日本とかにあるのがコバギボウシと読み取った。

ところで、この上の写真の個体も、微妙に葉の端の方が色が薄く覆輪の形で斑が見えるが、こうした中から日本人が選抜し、楽しんでいたであろうギボウシを江戸時代ぐらいに、ヨーロッパへと持ち帰ったものから、現代の海外の斑入りを始め、様々な改良されたホスタがスタートになっているのかなと想像した。

一応、オオバギボウシの分布を簡単に書いておくと、国立科学博物館が日本の固有種と紹介しているページがあったが、なんとなく、隣国の同環境には生息してそうな予感もする。