アオダイショウ 2nd

最近、近隣の林の林縁を歩いていると、蛇らしきものが斜め前方にゆっくり逃げていくのに気が付いた。

この森では、昔からシマヘビをよく目にしていたので、ブログ未投稿のシマヘビの写真が撮りたくて、少し追跡してみた。

普通なら、ヘビはスルスルと逃げて、切り株の中や枯れ枝がまとめられたような場所に逃げ込んでしまい姿を消すが、今回は、途中でピタッと静止した。同時に、こちらに顔を向けて首を数段に折り曲げて、いつでも飛び掛かれそうな威嚇のモードに入ってきた。

その時に気が付いたのだが、威嚇モードになった時に、尻尾の先を激しく揺らし、バタバタバタという音をさせていた。

私がスマホを近づけて写真撮影中は、ずっと緩い威嚇モードだったが、全然逃げる気配がないので、近くに落ちている長めの枝を蛇に近づけたら、飛びつき噛み付いてくるのであろうあろうかとの好奇心が生まれ、実際に実践してみた。

しかし、予想に反して、全然、枝の動きに反応しない。枝を鼻先まで近づけて、頭の上を押さえても、全然身じろぎもしない。

蛇って目が悪いのかなとも考えながら、私からその場を後にした。

10分ぐらいのその森の散歩が終わって、車に戻る途中で、再び、その蛇とは鉢合わせする事になった。お互い、同時に気が付いたみたいに、認識し合った瞬間にお互いの歩が止まった。

しかし、今度は、ヘビは威嚇体制に入る事なく、風景に化ける作戦を取ってきた。その際に、沢山、近くで写真を撮らせてもらうことが出来た。

ただ、蛇の方も、本当に数ミリづつだが、ゆっくりとゆっくりと後退しているのがせつなかった。1回目の時は、余裕が無くて、何も考えずにその場を後にしていたが、今回は、近くで写真を撮らせてくれた事に感謝の気持ちを抱きながら、その場を後にした。

後で、シマヘビだったら良かったなとの期待を持ちながら、調べたが、やはりアオダイショウである。

そのうち、シマヘビの写真が取れればなと思う。

オオミノガ?

我家では、このミノムシは、毎年見かけていた。

しかし、今年は、何か変?このミノムシが大量発生している事に気が付いた。その証拠に、顔を出して移動中のこのミノムシに、昼夜構わず結構出会う。

今まで、ミノムシって言ったら、木の枝の同じ位置にずっと居る生物のような認識だったが、とにかく、今年は、このミノムシの移動している瞬間に出会う。

写真は、9月の半ばに我家の庭で撮ったものだが、この少し前から、このミノムシの積極的な移動を目撃していた。

ミノムシの仲間は、おおよそ、日本に40種類ぐらい居るらしいが、ネット上では、数種類の紹介がされているだけである。元々、研究が発展していないジャンル(種類)のような認識を持ち始めていた矢先だったが、実際のところ、種や生態の特徴への言及も、いまいち揺るぎない一貫性(潮流)みたいなものを見出せないでいたというのが、本音である。

上の写真のミノムシも、オオミノガという名で紹介されている写真と大きさや形状が酷似しているから、オオミノガ?というタイトルで投稿しているが、本当に、オオミノガなのかは定かではない。

さて、このミノムシは、毎年、ポツリポツリとモミジの木などに慎ましくぶら下っているのは知っていて、しかし、付近に葉が食害されている痕跡は見つけられないし、一体、何を食べているのであろうか、はたまた、生きているのであろうかと少し心配になるような生物であった。

今回、庭のミノムシの多さに気が付くと同時に、例えば、この写真の個体が付いているモミジの木の葉が殆ど残っていない事にも気が付いた。そこで、ミノムシって葉を食べるの?と思い、調べたところ、オオミノガは、各種広葉樹木の葉を食べるとの記事を複数見つけた。

さて、ここで、解けない疑問が出てきてしまったのだが、我家の玄関ドアのちょっと上に陣取る同種と思われるミノムシが居るのである。5、6メートル離れた近くの木の葉まで、その場を不在にしている事を気付かれずに移動するのは不可能な気がする。一回だけ、その場所に鎮座するその個体と思しき個体が、殆ど直下の地面を昼間に這っていたのを見た記憶がある。しかし、夜には、殆ど同じ玄関ドアの上(今回はドアの開閉時に当たる場所)に戻って来ていたのは覚えている。(下の娘が、蓑虫は、あんなドアが頻繁に開く場所にくっ付くのは馬鹿なのかと言っていたのを覚えている。)

ここで、今回投稿に使った上の写真をよく見て頂きたいのだが、私には明らかにモミジの枝に付いた地衣類を食べている瞬間に見えてしまう。右の方の地衣類には、食痕と思われる必然的な形跡が見て取れる気がする。

こうなって来ると、玄関ドアの上の同種と思われるミノムシも地衣類を餌にしていたのかと合点がいく。

では、殆ど葉が無くなったモミジの葉を食べた犯人はと言うと、この投稿で初登場で番狂わせな展開を作るが、1匹のオオミズアオの終齢に近い幼虫が、ムシャムシャ食べていたのは、その後目撃している。

私は、オオミノガの幼虫は、葉も食べるが、地衣類も食べていると思いたい。

ところで、このミノムシというのは、オスは蛾になるが、メスは、蓑の中で一生、変態しないで過ごすようである。

1990年代の半ばに、中国起源のオオミノガヤドリバエの出現で、福岡県を皮切りに全国的に姿を消し、都道府県によっては、絶滅危惧種種の部類に入れられたオオミノガだが、最近は、復活してきているとの事である。

我家の庭にいるのが、オオミノガであるなら、今年は大発生している。

ハンミョウ

ちょうど2週間ぐらい前の事だが、家族で一番近い山系の山に登山に出かけた。

その際に、見かけて写真に撮った。

大きさは、体長15ミリぐらいだったと思う。登り始めて何合目ぐらいなのであろうか、標高200メートル付近の開けた日当たりの良い場所に群れでいた。

どの個体も近付くと直ぐに飛び立つが、ハンミョウという虫である事は分かった。ハンミョウ自体は、カラフルに鮮やかな虫として知っていたが、実物に出会ったのは、初めてであった。

確かに、頭部に金属光沢があり、全体的に多彩で、人目を引き、人間の記憶に残りやすい虫ではあるが、タマムシの全体的な光沢と輝きには敵わない気がした。ネット上で、美しいと言われている虫達は、実際にフィールドで出会って、自分の目で見て、自身の感想を持つ事は大切であると思う。同じく、ネット上で美しいと言われているアカスジキンカメムシなんかも、同じタイプであろう。ただ、どちらも繊細に味のある美しさ(光沢)を持った色彩の昆虫である事は同意する。

さて、このハンミョウを、その場で捕まえる事は出来たが、ハンミョウ=カンタリジン(有毒水脹れ成分)の子供の頃からの前知識があり、指で摘むことを躊躇した。

しかし、もう一度、調べ直してみると、時代は変わっていた。正確には、。ツチハンミョウ科のツチハンミョウマメハンミョウは、カンタリジンという有毒成分を持っているとの事だが、所謂、本種含むオサムシ科ハンミョウ亜科のハンミョウ達には毒は無いと紹介されるようになっていた。ちなみに、同じ毒成分は、私が近隣で出会う昆虫達の中では、ハネカクシ科のアオバアリガタハネカクシ(アオバアリガタハネカクシの毒成分は、ペデリンという別成分であるらしい事が後日分かった)やカミキリモドキ科のモモブトカミキリモドキなんかも備え持っている。

という事で、今度は素手での捕獲にチャレンジしてみようと思う。このハンミョウは、同じ山の600メートル付近の開けた林道の辺りにも居た。要するに、水が染み出すような山間の開けた乾燥した場所に群れていた印象である。

最後に、沖縄には、オキナワハンミョウという種が居るらしく、本土のハンミョウと瓜二つの外見なのだが、沖縄本島含む南西諸島は、170万年前には、大陸や日本本土と地殻的に分離していると認識している。それほど長い期間を瓜二つの形態維持で生きてきている事に、ちょっとだけ好奇心がくすぐられる。