マダラチビコメツキ

3週間ぐらい前だったと思う。1月にしては比較的暖かい日だったと記憶するが、よく散歩する近隣の田園地帯で、何か生き物でもいるかなぁ〜と、畔に置き捨てられている木の板を、ひっくり返してみたことがあった。

すると、この極小の昆虫が1匹だけ動いているのが目に入った。

真冬でも暖かい日には、昆虫が僅かながら活動しているのは目にしてていた。ただ、暖かい季節と違い、ダメ元になる事が殆どだが、この日は運が良かったのかもしれない。

ところで、この極小の甲虫を眺め返しているうちに、異常に小さい(5ミリぐらいしかない)が、コメツキムシの仲間に似ているなとは気が付いていた。

そこで、コメツキの仲間を調べ始めたものの、なかなか種には辿り着けなかったのだが、とうとうネット検索を繰り返すうちに、マダラチビコメツキという種に行き着く事が出来た。

このマダラチビコメツキなる極小のコメツキは、畑なんかでよく見られ、1年を通して見る事が出来るとの事である。確かに、1月の終わりに活動しているのを見ると、1年を通して見る事が出来るという情報は信憑性があるのかなと思った。

クロダハゼ

数週間前のことだが、近所の小川でガサガサをした際に、ヨシノボリの仲間が数匹入った。

今回は、捕まえた数匹を確実に家に持ち帰り、じっくり観察してみた。理由は、近所の幾つかの水系に、どんだけの種類のヨシノボリの仲間が生息しているんだろうと、本格的に調べてみようと思い始めたからである。

その時、捕まえたヨシノボリの仲間の写真は以下である。

この水系(小川)には、明らかに少しサイズが大きくて、シーズンを通して黒っぽいヨシノボリが生息している。こちらは、少し前に、クロヨシノボリというタイトルで投稿済みである。

しかし、今回捕まえた個体群は、小さめで少し詰まった感じの雰囲気である。調べてみたところ、一番特徴が似ているのは、旧名トウヨシノボリ……最近の名前でクロダハゼであった。

トウヨシノボリという名前が最近クロダハゼに変わった経緯は、ここでは触れない事にする(ちゃんとした説明をするとなると、しっかりとヨシノボリ属の勉強をしなければならなくなりそうだが……目下その時間が持てない)が、とにかく、このクロダハゼの特徴としては、大きくても6センチぐらいまでとの事である。

そして、私が住むエリア全般で見かけるヨシノボリは、このクロダハゼがほとんどなのではないかと想像している。

因みに、この小川には、明らかに数センチ大きいクロヨシノボリや、ヨシノボリの仲間ではないが同じハゼ科のヌマチチブなんかも生息しており、今回のクロダハゼとクロヨシノボリは、同所で捕まえることが出来るスポットもある。このため、今までは、婚姻色が出た体色が濃くって大きいのが雄で、顔が長く無くサイズも小さくって色が付いてない個体が、雌だと思おうとしていた。

ただ、今回の投稿の背景には、それらは別種で、クロヨシノボリとクロダハゼの2種に分けれるとの確信が少し持て始めたからである。

ただ、一方で、じゃあ、産卵期に婚姻色が鮮やかに出たクロヨシノボリの雌はどれ?とかクロダハゼの雄は確実にどれ?とか、もう少し両種の雌雄の見分け方や現地でのデータを増やして更に裏を固めて行く必要があるとも当然思っている。

まぁ、家からすぐ側の小川だし、このヨシノボリの仲間は、ウジャウジャ居るので、データは嫌でも増えていくと思われる。

クロヨシノボリ

一つ前に投稿したヌマチチブを捕まえた同じ日に、ヌマチチブより多くのヨシノボリも捕まえていた。

そして、この際、数あるヨシノボリの種の中で、今回捕まえたヨシノボリが、正確には何というヨシノボリなのかを突き止めてみることにした。

今回捕まえたヨシノボリの写真は以下に。

先ず、その日捕まえたヨシノボリ達は、多少の誤差はあるにせよ、概して色が黒い。春から夏にかけて水温が緩み、雄の婚姻色が色濃く出る時期ならともかく、この極寒の時期に真っ黒に近い体色を考えると、クロヨシノボリという種が臭いと思い始めた。

そして、クロヨシノボリの細部の特徴と照合した結果、頬に殆ど紋様が無いことや、胸鰭基部の三日月状の紋様の雰囲気等から、やはりクロヨシノボリなのではとの結論に至った。

少し、色の薄いメスの写真も以下に載せてみようと思うが、そちらの写真では、薄らではあるが、クロヨシノボリの特徴である体側を縦(頭部の方から尾の方に)に貫く線のようなものが辛うじて見て取れる気がする。

さて、このクロヨシノボリの更なる特徴の一つとしては、短めの小河川に多いという報告がある。この点も合致していて、捕まえた河川は、本当に数キロ登れば細流になってしまうような環境である。

ただ、このクロヨシノボリが淵を好んでいるとのことだが、ここには共通点を見出せず、流速の速い瀬や急流にも沢山いる。

ここで、このクロヨシノボリを調べていて知った事実に、このクロヨシノボリをレッドリストに入れている都道県が想像以上に多く、絶滅危惧Ⅰ類に指定している都道府県が、新潟県に富山県に山口県。絶滅危惧Ⅱ類に指定している都道府県は、福井県に佐賀県に大阪府。他にも、準絶滅危惧種に指定している県が2県といった具合に、身近にいる割には、他県では数を減らしているようである。

ここで、幼少よりあまりにも馴染みであったヨシノボリ達ののレッドデータを調べたところ、このクロヨシノボリがダントツで、続いて、オオヨシノボリがグッと後方を追走しているといった感じであった。

近隣・近所では、頬に明らかに赤い斑点や波紋様が見えるカワヨシノボリやシマヨシノボリも見かける記憶があるので、今後は、ちょっとこのヨシノボリ属の棲み分けを探ってみたくもなった。