ヌルデ

ひとつ前の投稿で、ウルシ科のヤマハゼの投稿をしたが、同じくウルシ科のヌルデの投稿もしてみようと思う。

漢字で書くと白膠木。昔、木を削って滲み出た白い液体を染料に使っていた事から、この漢字が当てられいるようである。近隣では極々普通に目にすることができる落葉中低木である。新しい開墾地等には、真っ先に芽生えてくる樹木かもしれない。似たような習性を持つアカメガシワより、沢山生えているかもしれない。

また、ヌルデの小枝には、翼というかヒレみたいなものが必ず付いていることから、見間違える事も無い樹木である。

そして、ウルシ科の植物との事もあり、条件が整うと、秋に結構綺麗なオレンジ色に紅葉する。

以下のヌルデは、近隣のヌルデの中では、まぁまぁの紅葉を見せている方である。(笑)

ただ、このヌルデという植物は、日向が好みなのか、夏の強光線で葉焼けを起こしてしまいがちで紅葉状態をしっかりと維持出来ない葉も多く見られることが多い。

また、これは、ヌルデに寄生する虫(例えば、ヌルデシロアブラムシ等)が多く、ヌルデが防御反応として、葉や枝に瘤を作る生理作用も、紅葉時の葉の美しさを保つ事に妨げに働いていると思われる。

滅多に大きく育ったヌルデは見かけないが、一箇所だけ近隣の公園におそらく自然に芽生えてきたヌルデが、樹高10メートルぐらいに育ち、秋に綺麗な薄いオレンジ色の紅葉を美しく見せている場所を知っている。この場所は、公園という事もあり、他の樹木も疎らにあり、良い塩梅に影になる時間帯が出来て夏の陽射しを受ける時間を減らし、秋のしっかりとした紅葉に繋がっている気がする。

ヌルデの紅葉の事ばかりに触れたが、ヌルデは、古来より人々の生活に密着してきた植物であり、ヌルデシロアブラムシへの防御反応で出来る虫瘤の中に溜まる黒い染料は、昔の人達のお歯黒の風習の時に使われていたらしい。

最後に、このヌルデのエピソードとしては、近隣の平野部で極々普通に見ることが出来る落葉中低木であるが、過去に栃木県の鬼怒川温泉のドライブインの駐車場に小苗が生えているのを見たことがあり、少し標高の高いこんな所にも生えているんだと意外に思った事がある。

その場所のヌルデは、虫の影響を受けておらず綺麗なピンピンの葉をしており、きっと秋には美しい紅葉を見せてくれるんだと思った事がある。

ヤマハぜ

近隣の秋の自然下で、一番間違い無く赤やオレンジに綺麗に紅葉している木と言えば、ヤマハゼなのではと思う。

そして、鳥が種を運ぶのか、近隣の自然下では、結構至る所で目にすることができる。

ヤマハゼを意図的に植林すれば、秋には結構人目を引くスポットを作れると思うが、一般的に紅葉を演出しようとするとモミジとなってしまうのである。

ただ、モミジの紅葉は、ヤマハゼより1ヶ月は遅い。そして、モミジが綺麗に紅葉する12月の頭には、平均気温もグッと下がり、ちょっと身震いしながらのモミジの紅葉鑑賞になってしまうのである。寒さで、紅葉を楽しむ余裕なんか持てない日が、ほとんどとであるという事である。

そういう意味からも、11月の半ばのまだまだ暖かい陽射しの中で、綺麗な鮮やかな紅葉を見せるヤマハゼは、私にとっては、まさに秋を的確に象徴してくれる落葉中低木なのである。

ただ、滅多に樹高10メートル以上に育ったヤマハゼとかには出会わない。大抵は、クヌギやコナラ等の落葉高木をメインにした雑木林の林縁等の要は日差しが充分に当たるところにしか育っていない。

元々、何十年も生きる長命の樹木ではないと思うし、この斜面で綺麗な紅葉を見せるヤマハゼも、ゆくゆく隣りの木々が大きく育ち、充分な日差しを受けれなくなると、自然と枯れていってしまうのかなと思う。

ヤマハゼ……とても、綺麗な紅葉を見せる落葉中低木だと思う。因みに、近隣の自然下にはヤマハゼばかりで、ヤマの付かないただのハゼは、公園等の人為的な環境にしか植えられていない気がする。

あくまでも、私の主観だが、ヤマハゼとハゼを遠目に見分ける基準としては、ヤマハゼの方が紅葉の色が赤から黄オレンジまで様々な気がする。ハゼの方が、ちょっと濃い赤みたいで単色の紅葉を見せている気がする。そして、ハゼの方が、ヤマハゼより、少ししっかりと大きく育っているような気もする。

ツルウメモドキ

近隣の野山にツルウメモドキがあったよなという記憶は持っていたが、あのツルウメモドキの黄色の皮と赤い実のコントラストが絶妙な趣きある実を見たのも10年ぐらい前で、あれは幻だったのかなと自分の記憶を疑い始めていた矢先の遭遇であった。

また、昨年、小学校の娘が学校でリース作りをするというので、近所の野山から赤や青の実を付けた蔦類(確か…トキリマメにノイバラサルトリイバラに、カラスウリにアオツヅラフジとかも取ったかな)を集めてきた事があった。

その時に、どうしてもツルウメモドキも揃えたいと思ったのだが、近所で生えている処を思い浮かべる事が出来なかったのであった。

しかし、今回、バッチリとツルウメモドキの生えている場所を見つけることが出来た。これからは、何時でも取りに行ける。

今回、このオレンジの実をたわわに付ける個体に出会えたが、この場所は、シーズンを通して何回も訪れる場所なので、実が付いていない時には、その存在に気が付いていなかった事になる。

そして、このツルウメモドキは、雌雄異株との事である。実がなったという事は、雄株も近くにあるのであろうか、それとも、雄株はなくとも実は出来るのであろうか?

その辺の知識は現在の私には無いが、とにかく、冬枯れが始まりつつある野山に、ハッと目を惹く彩りを添えてくれるとても日本人好みの風情のある実を付けてくれる植物だと思う。

自然下でも生け花等の人工下でも、私の心を洗ってくれる美しい実姿だと思う。