アキカラマツ

我家から徒歩1分もかからない所の竹林の林縁で見つけて写真に納めていた。以下の写真の撮影年月日は、昨年の11月3日。

この植物の名前が分からずに今まで来ていたが、昨日、偶然覗いたネット上のページで同じ形態の植物を発見。アキカラマツという名前が分かった。

そして、写真を整理していたら、この場所から2キロぐらい離れた里山の林縁でも、同じ植物を写した写真を発見したので、以下に貼り付けておく。撮影年月日は、昨年の11月4日。

2枚の写真を見比べると、微妙に葉の形に違いがあるように見えるが、同一種だと思われる。

さてさて、このアキカラマツという草の印象は、他の草本と違い華奢な超極細の幹を持った樹木の苗といった印象である。そして、一本生えていたら、側にあちこち生えてるような植物ではない。どうやら多年草のようである。樹木ではないので、ヤマウドのように、一見、木のように見えても、冬場は地上部は枯れているか、そのままの姿を保っているものと思われる。そのままの姿を保っていたら、木の気もするが。どっちなんだろう。未だ未だ冬枯れの今週末、確認しに見に行ってみようかな。

何故、アキカラマツという名前なのかは、ネット上で諸説色々書かれているのを拝見したが、カラマツは、確実に高山帯に生える落葉針葉樹のカラマツから来ていると思われる。理由は、このアキカラマツの近縁種で山地に多いカラマツソウの花と、針葉樹の唐松の葉が瓜二つなのである。

では、アキはと言うと、カラマツソウが、夏前に花を咲かすのに対して低山の里山に見られるアキカラマツは、秋口に花を咲かせているからの秋から来ているのではと思いたい。ただ、こう書いておきながら、近所のアキカラマツが秋に花を咲かせている確認も取っていない事を告白しておく。

最後に、このアキカラマツに関しての総評として………増えて困る雑草類ばかりに目が行きがちだが、身近な自然の中には、このアキカラマツのように繁殖への本能の慎ましさか、ひっそりとしか生息していない………もしかすると人々の視界から消えゆく植物も存在している事を気付かせてくれた植物の部類である。

高山に生えるカラマツソウも、絶滅危惧IB類〜希少種までとレッドリストに載せている幾つかの県もあるが、今回の投稿の主役のアキカラマツも、沖縄県で絶滅危惧IA類、鹿児島県では絶滅危惧種に指定されているようである。

セイタカハハコグサ

少し前に、庭の花壇の端に、この植物が生えている事に気が付いた。前々から、この花壇の周り半径5メートル以内の範囲に現れ、膝丈ぐらいまでの大きめの背丈まで成長し、チチコグサ系に見られるような褐色の花を咲かせる植物のロゼットであると断定して間違い無いと思う。

では、名前はというと、あまり知られていない外来種のセイタカハハコグサではないかと思う。

このロゼットも径で20センチぐらいあったが、成長も勢いがあり、この手のハハコグサ属の植物として立派な力強い姿に成長する印象がある。

ただ、ネットで調べていて、この植物の紹介記事や情報は、想像以上に少ない気がする。戦後に琉球地方で確認されて、そこから広まったヨーロッパ原産で北米経由(?)の外来種というぐらいである。

そして、我が家の庭の一画にひっそりとたまに成長しているのが謎であって、他の場所でよく見かける植物の気はしない。

そして、このセイタカハハコグサは、在来のハハコグサグサの先祖と言われたりもしている記事を読んだが、ハハコグサ自体が、大陸や朝鮮半島から入って来た有史以前帰化植物と言われているので、広大なユーラシア大陸を長い年月をかけて移動して来た植物なのかとも遠き古代に想いを馳せる。

という事で、今後は、この植物が我が家の庭以外のどこで繁殖して、どういう分布をしているのか、ちょっと近辺を注意深く見廻してみようと思う。

アメリカオニアザミ (つくば市中南部)

先日、仕事の昼休み時に、仕事先の施設内の所々にある草むらに生えている植物のロゼットの写真を次から次に撮っていた時に、ひとつだけ見慣れない気になるロゼットがあった。大きさは、直径40センチぐらい。

刺が生えてるところから、直ぐにアザミの仲間で、前知識もあったことから、外来種のアメリカオニアザミという種に行き着いたが、この写真の植物は、アメリカオニアザミで合ってるのではと思う。

さて、このアメリカオニアザミという種を簡単に説明すると、日本に入って来たのは1960年代。北米から輸入した牧草に種が混じっており、北海道から拡がりが始まった外来種ということである。北米から移入された事実から、アメリカの名前が付いたのかと想像するが、原産地はヨーロッパのようである。

国立環境研究所の公表では、九州にはまだ侵出していないようである。

因みに、上の写真を撮った時に、今後の知見のためにも、刺の感触はどれぐらいのものであるか確かめようと、葉を握ろうとしたのだが、一瞬で、とても触れれるような植物でないことに気が付いた。それぐらいに、刺の鋭さと強度が半端無い。その刺の凄さが分かって貰えるように、刺のアップの写真を以下に載せてみる。

この刺の凄さを物語る事実としては、このアメリカオニアザミが牧草地に生えていても、鹿や牛等の動物達は口にしないようである。

では、この外来種のアメリカオニアザミを国が法的にどういう扱いに指定しているかというと、その他の総合対策外来種の括りに入れている、所謂、現段階では様子見の外来種という事である。因みにその他の総合対策外来種の上に、重点的対策外来種があり、その上に、緊急対策外来種という括りが存在する。

一方、ネット上で、アメリカオニアザミの事を調べていた際に、沢山の自治体のこのアメリカオニアザミ駆除をお願いするページがヒットして来た。強い繁殖力を持つ危険な外来生物と、ほぼ全てのページで紹介されていた。私が使うGoogleの検索では、近隣自治体では、坂東市のアメリカオニアザミ対策のページが上位に出て来た。

ここで、私の見解を結論から書くと、国が、このアメリカオニアザミに関して、その他の総合対策外来種として調査段階の種であり、緊急対策の呼びかけはしていないのも理解は出来る。何事も慎重さが必要であり、私も、このアメリカオニアザミが強い繁殖力を持っているという各自治体の宣伝には誇張がある気がする。私は、今回アメリカオニアザミのロゼットの写真を撮った場所に10年近く通っているが、このアメリカオニアザミがどんどん増えていっていたり、近辺の定期的な草刈りが出来ない場所に、このアメリカオニアザミの群落が出来ているような場所は見つけれない。また、このトゲトゲの植物が、身近な場所に強い繁殖力で増えて行っていたら、市民は黙っていない。芝生に寝転がれない、ペットが傷だらけになっている、子供を外遊びさせれない等の苦情が殺到して、毎日ニュースを賑わせてる可能性もある。

ただ一方で、末端に近い市民との接点である自治体の呼びかけも正しい気がする。強い繁殖力があるかないかは別にして、市民生活に脅威を感じさせるほどの刺を備えた植物を、自治体の独自の将来を見据えた環境分析で、駆除していくのも賢明な動きなのではないかなと思う。

ただ、人を管理する立場のものや団体は、市民に正しい知識を与える努力はしてほしい。もしくは、市民自身がが正しい知識を身に付けて行って欲しい。先程の坂東市の例を挙げるなら、私が調べた限り、国が緊急対策外来種に指定しているアレチウリの対策を呼びかけるページは見つけられなかった。なぜ、国の指針に沿わずに、アレチウリより先にアメリカオニアザミなのか、ちゃんとした理由と説明があってこそ、日本に未来を感じる。

例として、近隣の坂東市の名前を出したが、別に一般論の中での例であって、坂東市だけを非難したり、坂東市の市政を悪く思う気持ちは微塵もありません。