ヒメツチハンミョウ?

昨日、帰宅した際に玄関テラスに、人生の中で見た記憶の無い昆虫が素早く移動しているのが目に止まる。

直ぐに、強力な懐中電灯を片手に、スマホで撮影を試みる。なんとか撮れた写真が以下のものである。

大きさは2センチぐらい。アリにしては大きすぎる。そして、印象に残るのは触角にある瘤みたいな存在。

早速、〝触角に瘤のある黒い昆虫〟でネット検索すると、比較的簡単に、ツチハンミョウの仲間であることが分かった。

では、種類は?

ツチハンミョウの仲間は、国内で7種類が知られているとの記事をどこかで目にした記憶が有るのだが、触角の瘤の位置や全身の色合い(ツチハンミョウの種類によっては、藍色の色合いが明らかに見て取れるものたちもいるようである)や腹部の太さや腹部横面の雰囲気から、ツチハンミョウとしてはよく紹介されているヒメツチハンミョウなのではと思うのだが、どうなのであろうか………

まぁ、ツチハンミョウとして、私達が持っておくべき知識としては、触角の瘤は、雄の特徴であり、雌にはない。他には、春先に、数千個の卵を地中に産み、孵化した極小の幼虫達は、様々な花の茎を登り、花の上で待機する習性があると言う事であろうか。この目的は、蜜を集めに飛んできたハナバチ(クマンバチやミツバチ等)の身体になんとかしがみ付いて、彼らの巣まで辿り着く為である。巣に辿り着いた後は、運ばれて来る蜜団子等を食べて成長していくとの事である。そして、一風変わった変態のステージを経て成虫へとなっていくようである。ここで、繋がったことが有るのだが、たまに、春先に、キク科の花の中心の雄しべのところが、胡麻をまぶしたみたいになっていて、それらの花の変種なのかと思っていた事があったのをハッキリ覚えている。あの時目にしていた超極小の細いゴマ文様が、このツチハンミョウの仲間の幼虫達であったのではと思われる。

また、上の写真でも見て取れるが微妙に翅の名残が有るが、飛ぶ事は出来ない。もっぱら歩くのみである。

そして、ツチハンミョウの仲間のこの特徴は絶対紹介しておこうと思うが、カンタリジンという毒成分を体内に保有しており、捕まえた際に腹部から出る黄色い液体に触れると、皮膚が水膨れみたいになってしまうとの事である。このカンタリジンという成分を主成分とするカンタリスという薬は、昔は外用・内服共に利用されていたらしいが、現在では、日本では、カンタリジンは毒薬に、カンタリスは、劇薬に指定されている。

また、古い歴史の中では、このカンタリジンという成分(含有する虫をすり潰したもの等)は、暗殺薬や媚薬や発毛薬として使われて来たらしい。

最後に、最近、同じような皮膚に炎症を起こす虫として、アオバアリガタハネカクシの投稿をしたのを覚えているので、関心がある方は、そちらも参照してみてください。

ホトケノザ

少し前に、シソ科オドリコソウ属のヒメオドリコソウという帰化植物の投稿をしたので、同じ科の同じオドリコソウ属のホトケノザという植物の投稿もしてみたく思う。

正直なところ、よく見れば結構違いが有るのだが、身近な雑草に関心を持ってない人には、ヒメオドリコソウもホトケノザも区別がつかないのではないであろうか?

かくいう私もそのひとりだった。ただ、今回、ホトケノザの投稿をして、少し前には、ヒメオドリコソウの投稿をしたぐらいなので、今後は2者が、ゴチャゴチャになる事はないと信じたい。

そして、我が家の庭に、現在生えているのは、どちらかを確認したところ、それは、ホトケノザである事がしかと確認出来た。

以下が、昨日、庭でホトケノザを写した写真である。

名前は、ホトケノザ。名前の由来は、上部の方の茎を包むように生えている葉を仏様の鎮座する座に喩えての事のようである。ヒメオドリコソウオオイヌノフグリと同じように秋に芽生え冬を越し、早春より花を咲かせる越年草。夏前には種子を作り枯れてしまうんだと思う。ただ、ヒメオドリコソウやオオイヌノフグリと違うのは、古来よりずっと日本に生息している在来種という点がある。

私の個人的印象では、我が家の庭でも、あちこちで繁殖しているわけでなく、家の表側にはあっても裏手には全くない等、厄介な繁殖力を備えた雑草の気はしない。抜きやすいのも、好印象。

最後に、春の七草に数えられているホトケノザは、この植物ではなく、コオニタビラコという別の植物との事である。こちらのコオニタビラコのロゼット状になった冬の葉も、確かに今回のホトケノザとは違ったタイプの仏様の座に見える気はする。

ヒメオドリコソウ

一昨日の土曜日に、家から比較的直ぐの水田の中を流れる水路を覗きに行った際に、畦道で発見。写真に収める。

この時期この畦道で一番目に付いたのは、オオイヌノフグリであったが、次に目に付いたのは、このヒメオドリコソウであったのではないであろうか?

このヒメオドリコソウも、オオイヌノフグリと同じくヨーロッパが原産地の帰化植物である。日本では、1893年の明治26年に東京の駒場で確認されたとの初記録が有る。

この植物もほぼ同じ時代に日本に入ってきた帰化植物のオオイヌノフグリ同様に、秋に芽生えて、緑色を保ったまま冬を越し、早春より花を咲かせている越年草である。

上の写真の個体は、まだ成長途中で小さいが、20センチぐらいの高さになり、群落を作っているケースも見る気がする。

本日、我が家の庭にも生えていたよなと、少し探すが、所々に生えている似た雰囲気の植物は、どうもヒメオドリコソウと雰囲気が違う事に、ようやく気がつけるようになった。それらは、在来種のホトケノザという植物であり、ここに来て、ようやくヒメオドリコソウとホトケノザを自信を持って見分けれると言い切れる様になった気がする。

ただ、我が家の庭でも、日陰の方に、下の方がクリーム色になり、徒長しがちのヒメオドリコソウが生えてた気がするので、こちらも探してみたく思う。

ちなみに、このヒメオドリコソウの葉を揉むと悪臭がするとのネット記事を幾つか目にしたので、真相や如何に?………覚えていたら、試して見ようと思う。