オオイヌノフグリ

昨日、少し早起きして、家から車で数分の水田の中を流れる水路を覗きに行った。

湧水を集めた水量は例年より多め。ただ、今回は、水路に生息する生き物よりも、水路脇の畦道に生えている植物に着目してみた。

早速、目に飛び込んできたのは、春先の外遊びでは定番のこの植物。

名前は、オオイヌノフグリだと思う。イヌノフグリの部分を漢字で書くと犬の陰嚢。ゆえに全体として、イヌノフグリという植物の大きい種類がオオイヌノフグリである。そうなって来ると、イヌノフグリという別の種類も存在するのかという事になるが、イヌノフグリという在来種は存在する。

さてさて、この見慣れた植物は、明治半ばの1887年に東京で初めて確認された外来植物である。大正時代には、日本全国に既に広がった模様。元々の生息地はヨーロッパであるが、現在は、世界各地に拡がりが確認されているようである。

この植物の特徴としては、秋に芽生えて、かなり緑の葉を維持し冬を越して、写真の様に早春より花を咲かせている所謂、越年草・2年草の部類である。

そして、冬の寒さや霜にも負けない理由は、この植物自体が冬場に茎内の糖度をあげたり、葉や茎に微小な刺があり霜や雪を寄せ付けない寒さ対策の進化を遂げている点は注目したい。

背丈のそれほど高くないこの植物が、暖かくなり他の植物達の背丈が伸びる前に、陽射しを独占し花を咲かせて種子を付けるライフスタイルは、賢い植物の進化だなと思う。

同じ様なコバルトブルーの花を咲かせる少し大型のネモフィラを一面に咲かせて有名になっている公園が有るが、このオオイヌノフグリも種を集めて、地元の道路沿いの少し大きめの休耕地を整地し秋に植えて管理すれば、春先には、ブルーの絨毯の空き地となり、人々の気持ちを和ませてくれそうな気はするが………先ずは、自宅で実験でもしてみるかな。

雑草の見直し。雑草との共存。

ヤマシロオニグモ

古い写真を整理していたら、ブログ投稿に使えそうな蜘蛛の写真を見つけた。撮影年月日は、昨年の6月20日。撮影場所は自宅。

写真では分かりづらいが、脚を入れない体長で2センチ弱ぐらいだったと思う。名前は、ヤマシロオニグモ。

今まで、種の断定に至らなかった理由は、紋様の変異が多くて、別の場所で撮った同じ蜘蛛と思える写真の個体達との共通項を見出すのが億劫になっていたからだ。

ただ、色合いこそ様々であるが、腹部背側のパターンは、このヤマシロオニグモの幾つもある紋様パターンのうちの一つの型と一致する気がして、勇気を持って、ヤマシロオニグモと断定してみた次第である。

この蜘蛛の特徴として、大きめの円網を地面に対して垂直に張り、昼間もその網の真ん中に鎮座している事が多いとの事である。網を張る蜘蛛の場合は夜だけ網を張る種も多いらしい。

ちなみに、写真の個体は、雌かと思われる。雄は、少し小さめで紋様他のの外見上の違いも有るはずである。

ヒメコウゾ

写真を整理してたら、綺麗なオレンジ色の実を付けた低木の写真が出て来たので、紹介してみる事にする。撮影年月日は、昨年の6月20日となっている。

この実の形と色から絞ると、コウゾかヒメコウゾのどちらかになると思われる。ヤマグワやマグワの実は、もっと赤く俵みたいな形だし、カジノキの実は、こんなにギッシリとした粒々感は無い。

では、どうして、タイトルにある通り、ヒメコウゾに絞ったかと言うと、コウゾは、カジノキとヒメコウゾの交配したもので、雌雄異株で、雄花と雌花の花期が揃わず、なかなか実が実らないとのことである。一方のヒメコウゾの方は、雌雄同株で、実が結実しやすいとの事である。

このことから、私は、安易に実が沢山なっている上の写真の低木をヒメコウゾと思いたがったわけである。安易過ぎるかもしれない。

因みに、カジノキとヒメコウゾのハーフであるコウゾは、中国生まれの外来種で、日本にコウゾが入って来る以前は、ヒメコウゾがコウゾ(紙麻)と呼ばれていたとの事である。

もちろん、最高の品質の和紙の原料になるのが、このヒメコウゾやコウゾの類である。どうして、この木が和紙の原料になる事へと辿り着いたのかは興味が湧くところだが、それを調べたり想像するのは、今後の私の宿題にしておく。

最後に、何気に撮ったヒメコウゾの写真。同じフレーム内には、私達の近隣の里山を代表するような樹木が偶然収まっている事に気が付いた。ヌルデにアカメガシワにヤマフジ…………