イオウイロハシリグモ

寒くなるのと歩を合わせ、めっきりフィールドの昆虫達の活動も簡単には視界に飛び込んで来なくなり、効率的に投稿のネタを見つける事が難しくなって来ていた。

そんな折、お正月休み、久しぶりに近所の里山で遊んでみる。枯れ草が覆い被さる小さな水路をガサゴソすると、先ず網に入って来たのは、縦筋文様のコントラストのハッキリした蜘蛛だった。拡大した写真だと分かりづらいが、脚を抜かした体長で、2センチ弱といったところであろうか。

撮った写真を参考に、早速、種を調べると、行き着いたのは、スジブトハシリグモとイオウイロハシリグモの2種であった。

大きさ的には、イオウイロハシリグモより小さめな特徴を持つスジブトハシリグモのような気がするが、スジブトハシリグモの横のクリーム色のラインは、イオウイロハシリグモの同じようなラインよりももっと真横に走っている気がする。また、スジブトハシリグモの方は、腹部の先の方のラインが、微妙に波打っているとの事である。この写真からだと、波打っているようにも見えるし、真っ直ぐのようにも見えて、分かりづらい。

因みに、どちらの種も、水辺に生息しているのは共通しているようである。短時間なら、水中で獲物を待つ事も出来るとの事である。

現段階では、私には、イオウイロハシリグモなのか、それともキシダグモ科の似た種類なのか断定出来ないが、取り敢えず、イオウイロハシリグモと言うことにしておく。

以上のようなことを書いていて、ふと思い出した事が有った。近所の里山の水際で同じような蜘蛛に出逢い、写真に収めていたよなと……

おそらく、それらのどれも、文様の変異に富むイオウイロハシリグモ達なんだろうと推測する。それらの写真も、以下にアップしてみる事にする。

上の個体の写真が撮られたのは、昨年の8月16日。この個体は、脚も入れると、8センチぐらいはありそうな大型の個体であった。卵嚢を抱えているのが分かる。

上の個体の写真が撮られたのは、昨年の8月10日と記録ではなっている。この個体は、水田から、数メートルのところの山側の藪にいたものだが、水路や河川からは、少し離れたところに生息していた。こちらも、卵嚢を抱えているのが分かる。

カラコギカエデ

ちょっと日数が経ってしまったが、11月3日に家のすぐ裏手の林の中で目にした植物の投稿をする事にする。

目にした瞬間、ちょっと首を傾げたが、カラコギカエデなのではないかなと思う。

私が住む地域の近隣で、野生に見かけるカエデ類は、イロハモミジ、オンリーな気がする。ゆえに、上の写真の幼木も、イロハモミジの路線はないか慎重になりたいが、上の写真の幼木の葉は3つに分かれているものばかりで、それ以上、5裂や7裂に分かれているものが見当たらない。イロハモミジだと葉と葉柄の接点に4裂5裂目となる小さな葉っぱが出てたりする事も多い。

しかし、上の写真の幼木の葉は、皆3裂に分かれている気がする。こうなって来ると、3裂に分かれる特徴があって、近隣で公園樹や街路樹に選ばれているカエデと言ったら、トウカエデがあるが、どうもトウカエデとも違う雰囲気を持っている気がする。トウカエデの葉は、表面が皺にならず、もっとツヤツヤしていている気がするし、この写真のように中央の列だけ少し長めの特徴は、あまり出てこない。

すると、やはりカラコギカエデは、あり得るなと思うのだが、カラコギカエデが谷地等に自生するという特徴も、今回目にした場所とは合致している気がする。

もし、カラコギカエデが自生していたとしたら、カエデ好きの私にとっては、個人的には凄いニュースであり、発見だと思う。何が発見かと言うと、日本の野生のカエデ類は、比較的標高が高い地域に自生しているものが多く、あまり人の話題に上らない今回のカラコギカエデも、その類と思いがちだが、標高20メートルそこいらの我が家の周りの地理的条件の中にも生息しているカエデ、もしくはそうした地理的条件の中に生息しているカエデという事実(事象)を、自分自身の目で確認出来た事かもしれない。

まだ、カラコギカエデと断言する事には慎重になっておくが、ほとんど人の注目に上らないカラコギカエデというカエデが、近隣の谷地にひっそりと自生している可能性が有るという記録として、本日のこのカラコギカエデの投稿が、その役割を果たしてくれればなと思う。

キイロシリアゲアリ(つくば市南部)

昨日、仕事の合間、休憩中に辺りを散策。以下の写真のようなアリの仲間が高密度で居る場所を発見。

大きさは、5ミリちょっとぐらいなのではないだろうか。どの個体も、お腹がパンパン。女王蟻の風格を備えている。

この蟻を見つけた時に、この蟻がシロアリの仲間なのか、それとも普通の蟻の仲間なのか、正直、私には分からなかったのだが、腹部の頭部寄りがくびれているのは、普通の蟻の仲間であるとの情報を得てからは、種名に辿り着くのは速かった。

このキイロシリアゲアリの多雌性の特性も、フィールドで見た状況と合致していた。お腹がパンパンの雌ばかりで、3分1ぐらいのサイズの2ミリ程度と言われる雄の姿は何処にも見当たらなかった。おそらく、9月頃に交尾を終えた後に生き絶えたのではと推測する。

では、このキイロシリアゲアリの雌達(全て女王蟻だと思う)は、晩秋の11月後半に、一体、何のために、一斉に葉表の目立つところで日光浴ならぬ目立つ行動をしていたのであろうとの疑問が生まれてきた。そろそろ翅を落とし、地表で越冬産卵態勢に入るらしいが、一体何の為の行動なんだろう…………写真を取ろうとスマホを近づけても逃げようとはしない。何の準備なのであろう?