キマダラカメムシ(つくば市中部)

昨日、仕事先で、コンクリートの基礎に付いているのを発見。第一印象は………とにかくデカい……デカいカメムシ。ぱっと見、2、5センチぐらいはある。

これだけ、特徴となるような大きなサイズなら、すぐに種名も判明するだろうと踏んでいたが、案の定、直ぐに名前が分かった。キマダラカメムシというらしい。凄い大きく感じた第一印象は正しかったらしく、カメムシ亜科では、国内最大種のカメムシらしい。

そんなカメムシが、以下の写真のカメムシである。

さて、このキマダラカメムシを調べていて、その食性(サクラ、柿等)や産卵樹(サクラ)への知識は、さておき、なかなか興味深い事実を知る事になった。

このキマダラカメムシは、本来の生息地は、北は台湾から南は東南アジアまでの南方の地域に生息していたカメムシで、日本への移入は江戸時代に遡る。1783年にツンベルグというスェーデン人が、鎖国時代の長崎の出島で発見、新種記載したのが、このキマダラカメムシと日本の最初の接点であるという事が知られている。ツンベルグの報告によると、当時の出島では、よく見る事の出来る昆虫だったとのことである。

そして、次に、このキマダラカメムシの生息報告例が上がるのは、それから約150年後の1934年に長崎においてであった。そして、1990年代には、福岡、佐賀などの九州北部で生息確認され、2000年代以降は、近畿以西の各県で、生息確認されるようになり、それ以外の地域では、、東京都や愛知県での報告例が有るぐらいだった。

2019年、確実に茨城県にも生息してるね。

ササキリ(つくば市中部)

よく散歩に入る林で、確かササキリっぽい昆虫を写真に収めていたなという記憶があった。でも、それ以降、同じ林に入っても、目にするのは、コバネイナゴばかりで、私が見たものはササキリではなく、コバネイナゴだったのかなと思うようになっていた。

しかし、本日、写真データを整理した時に、ササキリと思える写真を見つけることが出来た。撮影日は、9月2日となっている。

黒い複眼や、体側の黒いライン等の特徴から考えて、ササキリだと思う。記憶を辿ると、この個体は、3センチぐらいだったと思う。

ササキリは、昼行性のキリギリスの仲間で、食性も、植物から小昆虫までと雑食性である。

私のよく足を踏み入れる林でも、この1個体にしか出会った事はなく、沢山生息しているような気はしない。

カネタタキ

カネタタキの鳴き声は、私は好きな方である。我が家の庭でも、マサキの生垣の中から、時たま聞こえてくる。ただ、これはカネタタキの鳴き声だけをピックアップして聞いた時に、静寂の中に、等間隔で、チッチッチッチッチッ………チッチッチッチッチッチッ………チッチッチッチッチッチッ………チッチッチッチッチッチッ………と透き通るような高音の連続の鳴き声が耳に染み渡り、なんとも心優しい気持ちになれるのである。

しかし、実際、このカネタタキの声だけをピックアップして聞けるシチュエーションは、現在の私の家の周りには無い気がする。今の時期は、カネタタキの繊細な鳴き声を、完全に掻き消してしまいながら、外来種のアオマツムシの大合唱のシーズンへと突入している。

今の土地に引っ越してくる前に、ずっと街中の住宅密集地に住んでいた事があった。隣家との家の距離2メートル強、その薄暗い境界から、夏から秋にかけて、このカネタタキの繊細な鳴き声を聞く事ができた。大通りから少し入った必然的に高い樹木の少ない奥まった静かな住宅地の中なので、入浴中に風呂場の窓を開けた時に聞こえてくるカネタタキの生演奏は、本当に楽しみのひとつだった。

今となっては、偶然に玄関に迷い込んだカネタタキが、同じようなシチュエーションを、極たまに作ってくれるぐらいだが、カネタタキの風情ある美声を毎回楽しんでいられるほど余裕の無い日も多い……それぐらいの間隔で十分である。

思いの外の美声の持ち主の写真を以下に載せておく。短い翅があるので、オスのようである。メスには、翅は退化してしまっていて、存在しない。