ハヤシノウマオイ

少しタイムリーな時期を逃したが、我が家の庭始め近隣の雑木林では、8月いっぱい迄は、夜になると、このハヤシノウマオイの鳴き声が、あちらこちらの樹上(大概は高さ3メートル未満)から聴こえてきた。

我が家の近辺のハヤシノウマオイの鳴き声は、言葉で表すと、🎶シッチョン…………シッチョン…………シッチョン🎶と言った感じ。鳴き声の守備範囲は、10メートル四方に1匹と言ったところ。

このハヤシノウマオイを撮ったと思われる写真が以下のものである。

写真から分かるように、前脚と中脚に鋭そうな棘が見て取れる。この棘を利用して小昆虫を捕まえる肉食性の性質も持ち合わせている。

ハヤシノウマオイノには、凄い近似種でハタケノウマオイなる種類も居るみたいだが、両者の違いは、ハタケノウマオイの方が開けた草原みたいなところを好み、鳴き声も、もっとインターバル短く、速いピッチで鳴くようである。

取り敢えず、我が家の庭に居るのは、ハヤシノウマオイのようである。

イチモンジセセリ(成虫)

このセセリ蝶の仲間は、つくば市の仕事先で、たまに見かける。

名前は、イチモンジセセリ。写真からも分かるように、後翅の裏の点が一列(一文字)に並んでるところから、イチモンジセセリと名付けられている。

幼虫の好む食草は、イネやススキのイネ科の植物に、他にもカヤツリグサ科の植物。時に、イネを食害する害虫となる事から、古くから、イネを守るためのイチモンジセセリ対策は、色々と施されてきているようである。

そうした対策が功を奏しているのかは分からないが、家の近所の水田周りで、このイチモンジセセリに出会ったことは、今のところ記憶に無い。

一方、同じ科のオオチャバネセセリには、近所の水田周りで、比較的出会う事ができる。オオチャバネセセリに関しては、その幼虫の好む植物のひとつであるアズマネザザ(篠竹)の手付かずの群落が、私の家の周りに沢山存在する以上、安泰の生息圏を持っている昆虫なのかもしれない。

ミンミンゼミ

関東に住んでると、夏にミンミンゼミの鳴き声を聞く事ができる。出生から小学生時代までは、関東で過ごした私からすると、夏の定番の声といえば、ミンミンゼミの鳴き声だった。

しかし、日本全国どこでもミンミンゼミの鳴き声が聞けるわけではないと知ったのは、中学から高校まで過ごした九州の福岡時代であった。関東で過ごした幼少時代より、遥かに豊かな自然に囲まれた地域だったが、ミンミンゼミの鳴き声を聞く事は出来なかった。

そんな九州で過ごした中高時代に、時たま、東京の都心ど真ん中にあった祖父母の家を訪れる事が有ったが、それが夏休み中の訪問と重なると、このミンミンゼミの鳴き声を、かなりの大合唱で聞く事が出来た。そこには、ホームに帰って来た嬉しさとミンミンゼミの鳴き声とをクロスさせる自分が居た。

さて、再び、上京して関東に移り住み、早30年近くが過ぎた。ミンミンゼミの鳴き声が、夏に当たり前に聞こえる事に安心感を覚え、ミンミンゼミへの敬意や意識が失われていったのも事実。ただ、最近、昆虫達を始め身近な自然を紹介するブログを開始して、再度ミンミンゼミの鳴き声を思い入れを持って意識し始めると、このミンミンゼミの鳴き声は、アブラゼミやニイニイゼミやツクツクボウシに比べると、関東でも、思いの外、局所的なところからしか聞こえて来ていないかという気がしてきた。もっと突き詰めると、この雑木林には居るけど、少し雰囲気の違う近くのこの森には居ないと言った具合にである。

ヒグラシなんかも、同じ状況が当てはまる蝉のような気がする。

おそらく、この蝉側サイドからしての繊細な好みが、このミンミンゼミの生息場所が日本の中で偏りが生まれる原因になっていると思われるのだが……。比較的自然に囲まれた我が家の周りでも、このミンミンゼミの鳴き声は、随分遠方から聞こえてくるだけで、そこらじゅうのどこの木からでも発生しているわけではない事が分かる。

このミンミンゼミの鳴き声を辿り、その鳴いていた木や生息環境の共通点をチェックしていけば、ミンミンゼミの生態への意外な事実(落とし穴)に出食わせるのかもしれない。

本日、この文章を書いている現在(16時半)も、台風一過の気温上昇のせいか、9月に入ったが、ミンミンゼミの鳴き声を、ちょうど耳にしていた。因みに、今日は仕事は休みである。

来年は、もう少しミンミンゼミに興味持ってみようかな。一年のうち、蝉の鳴き声が聞こえる時期もいっときの事であるし……

最後に、仕事先で見つけた既に寿命を全うしたと思われるミンミンゼミの写真のアップで、この投稿を締めくくることにする。