ハジマヨトウ 成虫 Bambusiphila vulgaris (Butler, 1886)

一昨日、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長で22ミリぐらいあった。

パッと見た時に、遠目の肉眼では、チャオビヨトウかなとも思ったが、もしチャオビヨトウなら少し大きいなとも感じていた。

そして、写真を見返してみて、確実にチャオビヨトウではないと確信したのだが、ここから迷宮を彷徨い始めた。

しかし、とうとうハジマヨトウという蛾であろうとの結論に至ることが出来た。決めては、やはり、前翅の後端の両端(左右前縁側)に見える大きな黒い斑である。細部の特徴を照合していた時には、種に辿り着けなかったが、遠目に全体として眺めた時に、その左右両端の濃い色の斑の存在でハジマヨトウだと気が付くことが出来た。

さて、このハジマヨトウの幼虫は、マダケ、ハチク、モウソウチクといったいった所謂タケを食すらしい。ただ、もっと細い筍も食べるようで、メダケやヤダケからも幼虫が見つかるらしい。

確かに、我家の一帯には、モウソウチクにマダケにメダケを筆頭に、他にも数種の竹が生えている。

最後に、このハジマヨトウの生息分布は、国内は、本州以南…九州を経て、沖縄本島を含む南西諸島まで。海外の分布は、ちょっと分からなかった。

クワカミキリ Apriona japonica (Thomson 1878)

ちょっと日にちが経ってしまったが、本年8月1日に写真に撮っていたカミキリが未投稿の種であることに気が付いた。

ミヤマカミキリにしてはサイズが小さいのは一目瞭然で、ウスバカミキリにしても少しサイズが小さいはずなのだが、おそらくウスバカミキリと思い、スルーしてしまったんだと考える。

ただ、偶然にもクワカミキリという種も、ミヤマカミキリやウスバカミキリのような雰囲気の色合いをしている事を知り、急遽、少し前に写真には一応撮っていたカミキリは、クワカミキリだったんじゃないかと思い写真を見返したところ、クワカミキリの特徴と言える白黒交互のパターンの触角や上翅上部や胸背部の黒い粒々の存在等、前出のミヤマカミキリやウスバカミキリにはない特徴を持っていることを確認した。

下の写真の個体は、クワカミキリである。

大きさは、正直、正確には思い出せないんだが、35-40ミリの間だったと思う。

幼虫も成虫も主にクワやイチジクをホストとするカミキリである。もちろん、それ以外の広葉樹にも付くらしい。ただ、巷に沢山生えているクワの木やイチジクで見かけるのは、もっぱらキボシカミキリであり、このクワカミキリに出会えた事はない。

このクワカミキリの生息分布は、本州以南……九州近海まで。海外の方は、学名にJaponicaと付くぐらいだろうからか、確認出来なかった。

ヒメトビウンカ? 雌 Laodelphax striatellus (Fallén, 1826)

昨晩、我家の外灯下に来ていたウンカの一種である。昨晩だけ来たというわけではなく、ここのところいつも来ているんだろうが、たまたま昨晩写真に撮っただけに過ぎないと捉えてもらいたい。

大きさは、翅端までの全長で、3.5ミリぐらいだったと思う。

そして、「この虫何だろう?」となった時に、ウンカの一種であることを学んだ。

種名はと言うと、ヒメトビウンカじゃないかと思うのと、上の写真の個体は、雌なのではと思いたい。

そもそも、どうもイネの害虫という観点から、この手のウンカで要マークされているのは、ヒメトビウンカとトビイロウンカとセジロウンカの3種らしいが、セジロウンカというのは雌雄共に、胸背部の真ん中が明白に白いようである。トビイロウンカというのは、ヒメトビウンカと近いが、大きさが若干大きいようである。

これから考えると、上の写真の個体をヒメトビウンカなのかなとの思いたい。では、雌は、どうやって導き出したかと言うと、3種とも雌雄で各所に色合い的違いが現れる特徴はあるようであるが、一般的に雌の方が翅が透明に近かったり、薄い色合いの雰囲気になる気がして、上の写真の個体は、翅の透明感とかを感じて、全体的に薄い色合いだなと感じたからである。

ここで、少し脱線するが、少し前に、この手のウンカの顔つき(目つき)で、翅がずっと短くて、逆に横に少し広い昆虫の写真を撮っており、迷宮入りしそうだったが、これが、このヒメトビウンカの短翅型の可能性が出てきた。というのも、偶然だが、初めてこの手のウンカの事を学ぶ中で、長翅型と短翅型が存在する事を知れたのである。

ところで、この手のウンカは、単なる小さな昆虫というだけでなく、我が国の大切な主要穀物である稲の重要な害虫であるという事である。ただ、近隣の水田周りを歩いて感じるのは、田んぼ周りの畦の雑草群や、年々増える耕作放棄される田んぼの跡地を凝視すれば、所謂、稲を吸汁する昆虫達のオンパレードだが、農家が、これらの事実を重視しているようには見えない。要は、どの種も大発生しなければ、それほどめくじらを立てる被害にはなっていないのかなと思いたくなる。

もちろん、水田内の稲の害虫を殺すために農薬が散布されているはずだが、これがエゲツな過ぎれば、生態系上イネの害虫の上に立つ各種生物達も減っていくことになる。これが、どういうところに結びついてゆくのか、私にはまだ、しっかりとした根拠を基に整理し切れていないが、水田周りにいるトンボ達や水田上を飛び回るツバメ達が人類より長い年月をかけて、地球上で作り上げてきたバランスを、しっかりと計算出来る頭脳を培う前に、人類が地球上で我が物顔で生活している事は、ちょっと愚かに恥ずかしく思う。

さて、このヒメトビウンカの生息分布は、国内は、稲が栽培されているところには居るんだと思う。海外の方は、ヨーロッパにいたり、興味深いのは、パキスタンからキルギスやタジキスタンといった南北の広大なラインから生息報告が上がっている事である。また、イネ等作ってなさそうな北欧とかでは、何に寄主しているのか知りたいところである。