ルリヒラタゴミムシ Dicranoncus femoralis Chaudoir, 1850

先ほど、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。

大きさは、体長9ミリぐらい。

ちょこまかと素早い動きだったが、なんとか、束の間の静止した瞬間に写真に撮ることが出来た。

種名は、ルリヒラタゴミムシ。

初めて見たというわけではなさそうで、今年も初夏辺りに、少し青っぽい金属光沢のある小さなゴミムシが外灯下に来ているのは知っていた。ただ、黒い光沢のあるゴミムシも、光源の当たり方によっては、青光りするのかなぐらいに半信半疑であった。

しかし、今回は、このゴミムシは、黒というよりは明らかに上翅が瑠璃色をしている気がすると思い、調べたところ、ルリヒラタゴミムシという種がいる事を知った次第である。

さて、このルリヒラタゴミムシの生息分布は、国内は、北海道から九州まで。海外の生息分布は、韓国とロシア沿海州南部からの報告が上がっている。という事は、その狭間に位置する北朝鮮にも生息しているものと考えられる。

イネミズゾウムシ Lissorhoptrus oryzophilus (Kuschel, 1951.)

先ほど、我家の外灯下に来ていた極小のゾウムシである。

大きさは、図鑑とかだと体長3ミリぐらいとなっているが、肉眼での目測だと2ミリぐらいしかないように感じる。実際、マダニとかに見えてしまう。

種名は、イネミズゾウムシ。

そして、興味深いのは、この極小のゾウムシが、北米原産の外来種ということである。初めての確認は、愛知県の知多半島で1976年の事とのことである。

その後、日本各地へと拡がり、現在では、ほぼ日本全土に拡がっているようである。日本生態学会が定める日本の侵略的外来種ワースト100にも選出されている。

侵略的外来種というだけあって、成虫は稲の葉を食べ、幼虫は、稲の根を食べるとのことである。

そして、これも興味深いことだったのだが、このイネミズゾウムシは、両性生殖型と単為生殖型が存在しているということである。日本には、3倍体の雌だけで単為生殖出来る個体群が入って来ているらしいが、昆虫にも単為生殖とかあるんだとビックリした。

さて、このイネミズゾウムシの生息分布が気になったが、1988年には、朝鮮半島と中国で初確認……1990年には、台湾でも確認。しかし、私が想像した以上に、世界中への拡がりは見られず、原産地と見られるアメリカでも、全土に拡がっているわけではないようである。

もちろん、とても小さいゾウムシなので、人々に認識されていない可能性も無きにしも非ず。

タケトラカミキリ Chlorophorus annularis (Fabricius, 1787)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていたカミキリムシである。

大きさは、体長15ミリぐらいであったであろうか。

この手の紋様のカミキリムシは多いが、このカミキリは近年の記憶の中では初めて出会うカミキリだと思った。近年の記憶の中ではと前置きをしたのには理由があって、カミキリの名前など気にしていない時代には、よく出会っていたカミキリだよなと思ったからである。

そして、なんとなくこんな名前だったよなという記憶を頼りに調べてみたが、やはり、なんとなくの記憶の中にあるタケトラカミキリという名前が、このカミキリの種名であった。

さて、このタケトラカミキリは、伐採された竹や加工された竹に発生するカミキリであるが、近隣には、伐採されたり、自然倒壊したりの竹が結構放置されていて、見かける度に、タケトラカミキリは居ないかなと探していたのだが、これまで出会えないでいた。

正直、今回、この個体の写真を撮った場所の側にも、伐採された竹が山積みになっている場所があり、幾度となく何か居ないかなと通り過ぎながら眺めていたが、タケトラカミキリを見たことはなかった。

ただ、とうとう出会えて、写真にも撮ることができた。待てば、海路の日よりありである。

さて、このタケトラカミキリの生息分布は、国内は、本州以南……四国/九州……。おそらく南西諸島にも居るんだと思われる。というのは、海外の分布は、基本的に広く東南アジアには生息しており、暑い地域のカミキリと思ったからである。ただ、ヨーロッパ、北米大陸の西海岸、ブラジルの海岸沿い、南アフリカ、オーストラリア東部といった具合に、世界各地の沿岸主要都市に拡がっているようである。おそらく、竹製品の貿易や、竹の移植等で、人為的に移動させられた個体群と思われる。