コブマルエンマコガネ? Onthophagus atripennis (Waterhouse,1875)

最近、我家の庭で見かけるエンマコガネの仲間である。

大きさは、体長8ミリぐらい。

写真は、先ほど夕暮れの中で撮ったので、どうしてもピンボケになってしまったが、再度昼間の明るい時に、再チャレンジしてみようと思う。被写体は、必ずいると思うので……。

必ずいると断言できるのは、意図的に誘き寄せたので、その誘因する物体がある限りはいると思うのである。ちなみに、誘引する物体というのは、刺身に下ろして食べようとしていた小さい真鯛丸々一尾である。忙しくて、料理出来ずに腐らせてしまったのだが、水分が多すぎる生ゴミを出すのも気がひけるし、庭の片隅に置いておいたら、どんな生物がやってくるのか観察してみることにしたのである。

ただ、最初のうちは、周りにダンゴムシしが現れるだけで、4、5日が経過した。その後も、鯛は、綺麗な干物に仕上がっていくだけで、変化なし。

あまりに表面的に変化がないので、地面と接してる面と天地返しでもしておくかとひっくり返したら、予想外の光景が広がっていた。ひっくり返した途端に、黒い甲虫達が、地面へと猛スピードで潜り始める。そして鯛の方も、表面から見ると変化なしだったものの、裏側に空いた穴から中を食べていたのか、結構スカスカになっている。

そんな地面へと猛スピードで潜ろうとしていた甲虫達のひとつが、上の写真の甲虫である。もう一種、もうちょっと大きいのも居たのだが、そちらは今のところ捕獲出来ていない。

ここで、好奇心が生まれた。この表側は綺麗なままに、地面と接した面から慎重に食べるのは、戦略なのであろうかという事である。もし、一心不乱に表側に出て食べていたら、カラス等の鳥の格好の餌になってしまうと思ったのである。どうなのであろう。

さて、このコブマルエンマコガネの分布は、日本と韓国に集中しているようである。また、上の写真の個体は、おそらくメスで、オスの方は、もっとコブやツノが強調されるようである。

ただ、今回のこの実験は、本当は、もっと一瞬で終了すると予想していた。野良猫か、近所の野生の哺乳類達に持ち去られると踏んでいた。そして、そうなった時には、犯人を突き止めるために、トレイル・カメラを仕掛けようと考えていた。

たまたま、お腹を空かせた哺乳類は、家の近所に居なかったようである。

クロゴモクムシ Harpalus niigatanus (Schauberger, 1929)

最近、我家の外灯下によく来ているゴモクムシの一種である。

大きさは、体長12ミリぐらいだったのではなかろうか。

種名は……赤っぽいけど、クロゴモクムシと紹介されることが多いクロゴモクムシかなと思う。

同じようなサイズで、似た雰囲気にウスアカクロゴモクムシという種もいるらしいが、クロゴモクムシは、側縁に毛が生えているという特徴を指摘しているサイトがあり、そちらも参考に、上の写真の個体は、クロゴモクムシだろうと同定させて頂いた。(上の写真の個体は、よく見ると側縁から疎に毛が生えているように見える。)

さて、このクロゴモクムシの分布は、国内は北海道から九州辺りまでとの事である。海外は、 GBIFのオープンデータのマップで眺めたのだが、現段階では、日本の関東甲信越の辺りからの目撃報告しかあがっていなかった。

ジュウジアトキリゴミムシ Lebia retrofasciata 2

昨晩、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。毎年、数回見かけるとても小さなゴミムシの仲間である。

大きさは、体長6ミリぐらい。正直、肉眼では、紋様なんか見えないと思う。

種名は、ジュウジアトキリゴミムシ。普段は樹上性のゴミムシのようだが、灯火にもよく来るようである。

国内での分布の方は、北海道から南西諸島まで。海外は、学名で検索をかけても、出てこないのではないかと想像する。理由は、ミヤマジュウジアトキリゴミムシLebia sylvarum Bates, 1883等の類似種がいて、実際の種と学名がゴチャゴチャに扱われていて、何かの基本種にまとめられている可能性があるからである。ちなみに、ミヤマジュウジアトキリゴミムシLebia sylvarum Bates, 1883は、検索にかけると、日本と韓国に生息報告が出てくる。

あまりに似ている種は、ゆくゆくは、しっかり調査して、学名の統合なりをしていかないと行けないのかもしれない。