オオアオイトトンボ Lestes temporalis (Selys, 1883 ) 2

目下、この大きなイトトンボに沢山触れ合える場所がある。

種名は、オオアオイトトンボだと思う。日本のイトトンボ属最大のトンボである。

5月の今頃現れ、11月ぐらいまでは見れるトンボである。

この手のトンボには、オオ(大)が付かないアオイトトンボという種もいるが、両種とも、近隣の自然下では時々見かけるイトトンボである。

ただ、今回、このオオアオイトトンボが、それほど広くない草むらに密集している場所を見つけたのである。この場所は昔から知っているが、オオアオイトトンボの存在には気が付かなかったので、今が旬なんだと思いたい。

さて、このオオアオイトトンボと戯れてて感じたのは、このトンボは、人間の接近を、どれほど危険に感じているのであろうかという点である。というのは、近付くと逃げるが、決して遠くへ逃げようとはしないのである。飛んで逃げても、せいぜい数十センチ先の草茎に直ぐに止まるのである。もし、小さな網でも持っていたら、直ぐに数十匹は捕獲出来てしまう。

このオオアオイトトンボの生息域を眺めると、世界中に分布するアオイトトンボが、極東の日本近辺で固有進化したものと考えたくなる。国内では、北海道南部から、九州まで……国外では、ロシア沿海州南部から朝鮮半島にかけて生息報告されている。

一応、現在、北海道では、絶滅危惧種として扱われているイトトンボである。

最後に、胸部のアップの写真を以下に。

ホソミオツネントンボ

1週間ぐらい前に近隣で見かけて写真に撮っていた。

随分、地味な色合いのイトトンボだなというのが第一印象だった。

大きさは、体長35ミリぐらいだったと思う。

この枯れ果てた色合いと雰囲気から、直ぐにオツネントンボとホソミオツネントンボが候補に上がった。

両種の写真を見比べたところ、ホソミオツネントンボであろうとの結論に至った。

オツネンの意味は、越年であり、成体の形で冬を越すのである。成体で冬を越せるトンボには、他にオツネントンボとホソミイトトンボがいるぐらいである。

類似種のオツネントンボは、ずっと枯れ果てた色合いだが、ホソミオツネントンボの方は、成熟するとオスもメスも水色に変わるのである。しかし、メスの一部には、成体になっても色が変わらない個体達もいるようである。