トビイロウンカ Nilaparvata lugens (Stål, 1854)

昨晩、我家の外灯下に来ていたウンカである。

大きさは、体長4-5ミリぐらいだったと思う。

種名は、トビイロウンカだと思う。

このトビイロウンカは、稲の最重要害虫として認識されている昆虫と知ることになったが、ウンカを始め他の昆虫でも知られていることだが、このトビイロウンカには、長翅型と短翅型が存在するらしい。

取り敢えず、上の写真の個体は、長翅型に見える。

この長翅型と短翅型の誕生のメカニズムは、日長時間、食べる植物、生息密度と様々な要因が絡んでいるようであるが、長翅型は移動が得意で、高密度の中で生まれた短翅型は集中的に、狭い範囲のイネを吸汁してしまう傾向があるとの記事も読んだ。そして、年に数回発生する中で、この翅の長短の使い分けをしている可能性もあるとの興味深い情報も目にした。

さて、このトビイロウンカの生息分布を調べる前に、興味深い情報に行き着いたが、国内の多くの地域(九州以北)では越冬出来ず、各地の1回目に見られる個体達は、九州や南西諸島や、他にも外国からジェット気流とかに乗って飛来した個体達ということである。それが、定着して一年を通して、秋まで、代を重ねて行っているとのことである。

海外の生息分布を眺めた時に、稲の栽培をしてそうなアジア地域には全般にいるようだが、稲作地帯でも寒い地帯には、そんなにいないようにも感じた。

地球温暖化って、単なる気温の上昇だけでなく、人間生活への様々な付随的な影響ももたらして来るんだと思う。

予測と準備が出来る人材の育成が、あらゆる分野で明暗を分けそうな気がする。

ハリマナガウンカ Stenocranus harimensis (Matsumura, 1935)

一昨日の晩に我家の外灯下に来ていたウンカの仲間である。

最近は、こうしたカメムシ(半翅)目頸吻亜目の小昆虫を見ても、ウンカの仲間だとか、ヨコバイの仲間だとか、グンバイの仲間だとか、直ぐに分かるようになって来ている自分がいる。

大きさは、全長5ミリちょっとのウンカのようである。(正直、自分の記憶を元には思い出せなかった。)

種名は、ハリマナガウンカ。

水辺のイネ科やカヤツリグサ科の植物を吸汁するようである。

生息分布は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の生息分布は、日本以外は、ちょっと分からなかった。

ちなみに、福岡県は、このウンカを、都道府県が独自に定めるレッドデータで、準絶滅危惧種に指定している。

ヒメトビウンカ? 雌 Laodelphax striatellus (Fallén, 1826)

昨晩、我家の外灯下に来ていたウンカの一種である。昨晩だけ来たというわけではなく、ここのところいつも来ているんだろうが、たまたま昨晩写真に撮っただけに過ぎないと捉えてもらいたい。

大きさは、翅端までの全長で、3.5ミリぐらいだったと思う。

そして、「この虫何だろう?」となった時に、ウンカの一種であることを学んだ。

種名はと言うと、ヒメトビウンカじゃないかと思うのと、上の写真の個体は、雌なのではと思いたい。

そもそも、どうもイネの害虫という観点から、この手のウンカで要マークされているのは、ヒメトビウンカとトビイロウンカとセジロウンカの3種らしいが、セジロウンカというのは雌雄共に、胸背部の真ん中が明白に白いようである。トビイロウンカというのは、ヒメトビウンカと近いが、大きさが若干大きいようである。

これから考えると、上の写真の個体をヒメトビウンカなのかなとの思いたい。では、雌は、どうやって導き出したかと言うと、3種とも雌雄で各所に色合い的違いが現れる特徴はあるようであるが、一般的に雌の方が翅が透明に近かったり、薄い色合いの雰囲気になる気がして、上の写真の個体は、翅の透明感とかを感じて、全体的に薄い色合いだなと感じたからである。

ここで、少し脱線するが、少し前に、この手のウンカの顔つき(目つき)で、翅がずっと短くて、逆に横に少し広い昆虫の写真を撮っており、迷宮入りしそうだったが、これが、このヒメトビウンカの短翅型の可能性が出てきた。というのも、偶然だが、初めてこの手のウンカの事を学ぶ中で、長翅型と短翅型が存在する事を知れたのである。

ところで、この手のウンカは、単なる小さな昆虫というだけでなく、我が国の大切な主要穀物である稲の重要な害虫であるという事である。ただ、近隣の水田周りを歩いて感じるのは、田んぼ周りの畦の雑草群や、年々増える耕作放棄される田んぼの跡地を凝視すれば、所謂、稲を吸汁する昆虫達のオンパレードだが、農家が、これらの事実を重視しているようには見えない。要は、どの種も大発生しなければ、それほどめくじらを立てる被害にはなっていないのかなと思いたくなる。

もちろん、水田内の稲の害虫を殺すために農薬が散布されているはずだが、これがエゲツな過ぎれば、生態系上イネの害虫の上に立つ各種生物達も減っていくことになる。これが、どういうところに結びついてゆくのか、私にはまだ、しっかりとした根拠を基に整理し切れていないが、水田周りにいるトンボ達や水田上を飛び回るツバメ達が人類より長い年月をかけて、地球上で作り上げてきたバランスを、しっかりと計算出来る頭脳を培う前に、人類が地球上で我が物顔で生活している事は、ちょっと愚かに恥ずかしく思う。

さて、このヒメトビウンカの生息分布は、国内は、稲が栽培されているところには居るんだと思う。海外の方は、ヨーロッパにいたり、興味深いのは、パキスタンからキルギスやタジキスタンといった南北の広大なラインから生息報告が上がっている事である。また、イネ等作ってなさそうな北欧とかでは、何に寄主しているのか知りたいところである。