ミヤマカタバミ Oxalis griffithii Edgew. & Hook.fil. 近所の山 標高350メートル

先週末に近所の山に車で散策に行った際に、小さな沢で見かけた。

直ぐに、カタバミの仲間であろうと想像したが、平地でよく見かけるカタバミの類よりは、葉が大きく、形状も少し特徴があるなと思った。

そして、平地のカタバミの種が、誰かの靴底にくっ付いて来て、ここに繁殖した可能性も視野に、もう少し観察を続けたところ、種の鞘の形が平地のカタバミ達とは違って、鋭尖頭ではなく、少しズングリしているなとの印象を持った。

この時点で、平地のカタバミとは違う種だと確信して、帰宅後に調べたところ、ミヤマカタバミという種だと判明。

そして、興味深いのは、このミヤマカタバミは、平地のカタバミ類が咲かせる黄色い色の花と違って、白い花を咲かせるようである。いつか、その白い花も見てみたいものである。

さて、このミヤマカタバミの生息分布は、国内は、本州から九州なのだが、条件として、標高の少し高い山地というのが付け加えられるはずである。気温の低い東北地方なんかは、どれほど里に降りて来ているか気になるところではあるが……。海外の生息分布は、中国、フィリピン、ヨーロッパからの報告があるが、おそらく少し冷涼な山地に生息しているものと思われる。また山という気温的に分断されやすい地形に生息していることから、それぞれの地域によって、個性に違いが現れているものと推測する。実際、日本においても、ミヤマカタバミ以外に、コミヤマカタバミやオオヤマカタバミという変種(variety)が知られている。

最後に、このミヤマカタバミは、各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、愛知県が準絶滅危惧種に、佐賀県が絶滅危惧Ⅱ類に、高知県と徳島県が絶滅危惧Ⅰ類に指定している。