コカブトムシ 雄 Eophileurus chinensis subsp. chinensis (Faldermann, 1835)

最近,近隣の雑木林内の遊歩道上で見つけた。

直ぐに、アイツだろうと目星は付いたが、調べたところ、睨んだ通りであった。

大きさは、体長で15ミリといったところ。

ツノが見える横からの写真を一枚。

種名はコカブトムシ。

目星を付けることが出来た理由は、過去に写真には撮っていなかったが、同じ森の中で見かけたことがあったからかもしれない。

幼虫は、朽木の中で育つのだが、成虫になると,樹液に集まるわけではなく,死肉等に集まる習性を持つ。

生息範囲の方は、国内は北海道から九州までいるようである。奄美大島や沖縄本島や、それより先の八重山諸島には、それぞれに固有の亜種が存在するようである。海外の生息分布は、韓国や中国の東部の各地から生息報告が上がっているが、日本国内の一般的なタイプと全く同じタイプとも思いにくい。

最後に,コカブトムシは、分類上は、カブトムシ亜科に属するカブトムシの仲間である。

なお,都道府県が独自に定めるレッドデータでは、熊本県が絶滅危惧Ⅱ類に、福岡県、大分県、愛媛県、和歌山県、長野県が、準絶滅危惧種に,山口県と岩手県も動向を注視している種みたいな括りに入れている。

ウスチャジョウカイ? Lycocerus insulsus insulsus (Harold,1878)

最近、我家の外灯下で見かけるようになったジョウカイボンの一種である。

大きさは、体長12ミリぐらい。

ウスチャジョウカイと同定したいのだが、なんか怪しい予感がする。

もう一枚、別の角度からの写真を。

うーん。

ウスチャジョウカイとは断定出来ないが、一応、ウスチャジョウカイの生息分布を以下に書いておく。

国内は、本州の東日本地域。フォッサマグナの中央地溝帯を境にしていると言われている。ここから考えると、この地溝帯に海水が入る2000万年前には、ウスチャジョウカイは生息していてその後、特徴の変異が固定されたとと考えたいが、真のところは、分からない。

ただ、一つ言えるのは、昆虫の歴史の古さである。

カラカネハナカミキリ Gaurotes (Paragaurotes) doris doris (Bates, 1884)

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。

体長10ミリぐらいだったと思う。

この日、同じ場所で、数種のジョウカイボンに出会い、またジョウカイボンかと思いそうになった時、いやいや、今度は、カミキリではないかと気付いた次第である。

種名は、カラカネハナカミキリ。

産卵は、各種枯れ木に行われ、成虫は、色々な花に集まるようである。

低地から山地まで生息しているカミキリとの事だが、ネット上の色々な方の紹介を眺める限り、山地での遭遇が多いような気もした。自分の中では山地=気温が低いと捉える事が多いが、このカミキリが冷涼な気温帯を好んでいる証拠になるか分からないが、GBIFのオープンデータでは、ほぼ日本国内に生息が限定されているのが分かるのと、関東以北東北に目撃報告が集中しているのである。ゆえに、低地から山地までのフレーズは、正確には寒冷地域の低地から……それ以外の地域は、冷涼な山地に棲息しているといった表現の方が、正確なような気がしている。

そして、北海道東部にも、生息報告が見て取れるが、この千島列島の一部含むこのエリアのカラカネハナカミキリは、別の亜種として捉えられているようでもある。