マツモムシ 

昨日、近所の用水路にヌマエビの仲間を採捕しに行った際に網に入ってきた。

大きさは、1センチちょっと。現地でも、直ぐにマツモムシと分かったが、四方八方へと飛び跳ねる動きが速くて、その場での写真撮影は無理であった。

持ち帰って落ち着いて写真を撮ろうと思ったが、今度は水中だと英名でbackswimmer の異名を取るだけあって逆さまになってしまい、メリハリのある紋様の背中側からの写真が取れない。

こうなったら、摘んで水中から取り出して広い場所で移してみようと撮った写真が上の写真である。

特徴的な黒い眼と背中のメリハリのある紋様が、しっかりと写ったと感じている。

さて、このマツモムシ。刺されると痛いとのネット上の記事を目にする事もあるので、いつも少し警戒するが、今回は、網から取り出す時や水槽から取り出す時に指で摘む機会を敢えて持ってみた。しかし、超攻撃的な性格ではないのか、刺されはしなかった。偶然かもしれないが……。

ちなみに、近隣では、春先に、背泳ぎをする本種より明らかに小さいマツモムシを見かけていた。どうも、そちらは、コマツモムシとでも呼ばれる種のようである。

クロトビイロサシガメ 

先ほど、我家の外灯下に来ていたサシガメの仲間である。

体長は、18ミリぐらいだったのではないだろうか。見た事があるようなないような……確認してみたところ、未投稿の種と分かった。

種名は、クロトビイロサシガメ。

前翅の真ん中辺りに傷のようなものがあり、より黒い色になっていると思っていたが、どうもこの漆黒の部位は、本種の特徴のようである。ネット上の本種の写真のどれにも、見て取れるのである。

本種は、コオロギをメインに捕食するサシガメらしい。コオロギと言えば、勝手に秋の鳴く虫みたいなイメージを持っているが、ちょうど今の時期に見かけたのも納得がいく。

成虫で越冬するようである。

エゾゼミ 福島県 標高800メートル

最近、気が付いた事だが、昆虫の分布状況を把握する際に、地図を上から眺めながら横方向の繋がりを模索するよりも、どの標高(気温帯)をメインに棲息しているかを掴んだ方が、昆虫の食草や種の進化の過程に繋がる情報を絞りやすいという事が分かって来た。

という事で、私が暮らす標高5〜25メートルぐらいのエリアの生物相の特徴を掴むためには、標高800メートルの辺り(気温が重要)のエリアとでも、違いがあるのか否かの比較は、少なからず色々なヒントをもたらしてくれる気がする。

では、このセミは、どうなのであろう。

大きさは、アブラゼミと同サイズぐらいだった。偶然に遊歩道に亡骸が落ちていたので写真に撮れたが、わざわざ捕虫網で捕まえてまでは写真に撮らなかったと思うので、今回はラッキーだったかもしれない。

最初は、クマゼミとも思ったが、クマゼミは、もっと緑の色彩も入っていたよなと思い、ちゃんと調べた所、エゾゼミという種だと分かった。

エゾゼミ(蝦夷蝉)というだけあって、低い気温を好むセミで、低地の平地には生息していない。そして、このエゾゼミよりさらに低い気温帯を好むセミにコエゾゼミというのが居る。コエゾゼミは、種名にコ(小)が付くぐらいで、エゾゼミよりはサイズ的に小さいのだが、外見的には両者は、結構似ていると、私は個人的に思う。

そして、私が混乱するのは、コエゾゼミは北方系の種で、エゾゼミは、南方系の種という事である。遠い太古に、大陸で、このエゾゼミ類の元祖が誕生した時に、超氷期にシベリア経由で来たのがコエゾゼミで、それより後の氷期に朝鮮半島経由で来たのがエゾゼミとでも考えれば良いのであろうか。どうなんだろう。

まぁ、とにかく、私が暮らす低地の平地には増えていけない種なのは、間違いなさそうである。ただ、遠く2万年前以上とかには生息していた可能性はある。

因みに、最近、気が付いた事だが、昆虫でエゾと種名の冒頭に付く昆虫達は、冷涼な気候帯で繁栄している種の気がする。近年の温暖化で少しづつ生息域が狭められて行っている昆虫達でもあるのかなと思う。