アシグロツユムシ 成体 幼体 Phaneroptera nigroantennata (Brunner von Wattenwyl, 1878)or (Redtenbacher, 1891)

先週末に、近隣の標高300メートル辺りで見かけた。その場所には、結構な数が居た。

大きさは、成体の方で、頭頂から翅端まで35ミリぐらいだったのではないだろうか。

ツユムシっぽいけど、なんか平地でいつも見るツユムシとは違うと感じていた。

調べたところ,少し標高のあるところに生息しているアシグロツユムシと判明。確かに、脚が黒っぽい気がする。そして、多分,腹部の短さから、雄だと思う。

上の写真には、もう1匹、斑ら紋様の幼体が写っているのだが、これが何という虫なのかなかなか分からなかったのだが、最終的は、アシグロツユムシの幼体と分かった。ここで気になったのは、こんなにも成長のステージの違う同種が、同じ場所で同じ時期に共存しているんだという事である。

さて、アシグロツユムシの生息分布は、国内は、本州以南……九州まで。海外の生息分布は、韓国、台湾,中国東部からタイの山岳地帯まで生息しているようである。

近隣の平地では、ツユムシやセスジツユムシが普通に見られるが、このアシグロツユムシとの進化の過程での関係が凄く気になるところである。

ホシササキリ Conocephalus (Xiphidion) maculatus (Le Guillou, 1841) 2nd

最近、このキリギリスの仲間を近隣で見かけて、写真に撮っていた。

大きさは、かなり小さいとの第一印象であった、実際に目測で、純粋に身体の部分の長さだけで、1センチぐらい、翅端までで、15ミリちょっとといったぐらいしかなかったと思う。

種名は、調べたところ、ホシササキリと判明。同時に、2年前の11月8日に投稿済みの種であることも確認した。そして2年前の投稿でも、その小さいサイズに着目していたのが、過去の投稿から分かる。

この手のキリギリス系の形状をした直翅目(バッタ目)としては、かなり小さい方だと思う。

さて、このホシササキリの生息分布の方は、興味深くて、アフリカの東南岸全域に、西岸赤道付近の一部に、そして、アジアは、インドから東方へ、タイ、ベトナムといったインドシナ半島、その南のマレーシアやインドネシア、そして中国東南岸から朝鮮半島南部まで。また台湾から北上して、国内は、南西諸島から北は、東北地方の中部辺りまである。オーストラリア大陸東岸や、インド洋に浮かぶモルディブ諸島なんかでも生息確認されているようである。

そもそも直翅目(バッタ目)が、どのような世界分布をしているか、現時点の私は勉強不足で詳しくないが、どの辺りが、このホシササキリの原点なのか、ちょっと分からないでいる。ただ、結構暑い地域にも対応している種であり、逆に寒い地域には進出していない種だと分かる。

その割には、随分と寒くなった今時分にも生存している事に興味がそそられる。それと、その小さなサイズも。

ウスイロササキリ Conocephalus chinensis (Redtenbacher,1891).

昨晩、ちょっと離れた自治体まで、ウナギ釣りに出かけた時に、足下のランタンに寄って来たバッタの仲間である。

大きさは、触角を入れずに翅端までで、3センチ行かないぐらいだったと思う。

バッタの仲間は家の近隣で見尽くした感があるが、少し遠出した場所で見つけたキリギリス類だったので、ちょっといつもより集中して、種の同定をしてみた。

すると、未投稿のウスイロササキリという種だと分かった。ちなみに、メスかなと思う。雄の方が、背の色合いが濃い気がする。

写真だと分からないが、とても長い触角を持っていた。また、触角が赤っぽい色をしているのも本種の特徴のようである。

このウスイロササキリの生息分布は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島を含む南西諸島まで。海外は、韓国からの報告が上がっており、他には、極東ロシアの南の方でも生息報告が上がっているようである。

ちなみに、日本にいるササキリ亜科の中では、一番寒さに強い種らしく、11月ぐらいまで生存していたりするようである。ただ、この習性は、地球温暖化の昨今には不利に働くと予想でき、実際、ホシササキリという種に取って代わられているとの見解もある。