クロツヤキマワリ Plesiophthalmus spectabilis spectabilis (Harold, 1875)

最近、近隣で、この甲虫の写真を撮っていた。

大きさは、体長18ミリぐらいだったであろうか。

この甲虫との遭遇は、林縁をふと歩いている時に、クヌギかコナラの木肌を歩いているこの個体を見つけた。同時に、相手も、私を認識したらしく、逃げようと歩を速めたのが分かった。

しかし、どうしても彼(彼女)を捕まえたい理由があった。キマワリっぽく見えるこの個体は、遠目にも明らかに黒というより光沢のある色彩が見て取れていたからである。

運良く、捕獲に成功した後に、今度は写真を撮るために、明るいところに、彼(彼女)に来てもらった。そして、撮った写真が上の個体である。

写真だと、分かりづらくなってしまうのだが、胸背部は、渋い深緑で、上翅は、センチコガネのような薄らピンクや青の光沢がある。

このキマワリは何であろうと思ったのだが、胸背部に逆ハの字に見える凹凸がある事から、クロツヤキマワリという種ではないかと思っている。

今年は、近隣で、数回キマワリに出会っているが、どの場所のキマワリモも微妙に少しづつ違う風貌である。

キマワリも、奥が深いなぁ…。

サトユミアシゴミムシダマシ (ユミアシゴミムシダマシ)Promethis valgipes (MARSEUL,1876) 2

この昆虫も、最近見かけて、写真に撮っていた。

その日の出会いは、半枯れの桜の木を眺めている時から始まる。何か虫でも居ないかなと近付いて見ていると、樹皮の間に顔を突っ込み何かをしている黒い甲虫が目に飛び込んで来た。

こうなったら、引っ張り出して、正体を確認させてもらいたくなり、引っ張り出した。

大きさは、体長で2センチをちょっと超えるぐらいではなかったであろうか。

そして、この虫は、何だっけの無言の凝視の時間が少しあった。暫くして、「あぁ、ユミアシゴミムシダマシかぁ。」と心の中で呟く自分が居たが、少し間があったのは、近隣で時々出会うユミアシゴミムシダマシにしては、小さめであったからであろう。

樹皮の下に顔を突っ込んで、モゾモゾやっていたから、さぞかし立派な顎で木の幹を掘っていたのかと見てみると、予想を反する貧弱さである。科は違うが、似たような黒いゴミムシ達の顎というか牙の機能性とは、違う方向である。

理由は、ゴミムシの仲間達と違って、植物質のキノコとかを主に食べているからであろう。同時に、動きのない餌を捕食していることから、敏捷性も少し衰えた可能性も無きにしもあらず。

このユミアシゴミムシダマシは、国内でも生息している地域によって、微妙な差異がある個体もいるようで、それぞれに学名が付いているみたいである。

最後に、こうした地表徘徊性の甲虫が飛べるのか否か(飛翔能力)に関してであるが、今回の個体はどうなのであろう?

飛べなそうな気はする。科は違うが、マイマイカブリなんかもそうだが、上翅が左右くっ付いている(くっ付いていても、下翅だけで飛べると思うが)ように見える種もいるし、上の個体も、上翅が左右にパカっと開きそうな気はしない。

そうなって来ると、上の写真の個体の尾部の方で下翅が見えているのは、現場でも気になっていた事であった。閉じようと思えば、上翅を綺麗に閉じれるのか、それとも空きっぱなしなのであろうか、空きっぱなしの場合は、その形質は遺伝するのであろうか。

今度、近隣でユミアシゴミムシダマシに出会った時の観察点というか宿題をいっぱいくれた出会いであった。

ヒメナガニジゴミムシダマシ Ceropria induta (WIEDEMANN,1819)

最近、近隣で、この甲虫の写真を撮っていた。

大きさは、体長1センチ弱ぐらい。

肉眼で見ている時、最初は、ちょっと大きいけどハムシの仲間だと思っていた。

あと、薄らと虹色に光沢があるのも感じていた。となれば、捕まえて、明るい強光線の下で写真に撮らせてもらいたくなった。

以下が、明るい場所での写真。

もう一枚。

確か……ゴミムシダマシにこんなの居たよなとの記憶がよぎり、調べると、ヒメナガニジゴミムシダマシという種に行き着いた。

地味に輝いていて、私は感動したけど、昆虫に興味の無いない人には、ただの黒い虫なのかな。