キイロサシガメ Sirthenea flavipes (Stal, 1855)

昨晩、我家の外灯下に来ていたサシガメの一種である。

大きさは、体長20ミリぐらいあり、大きいサシガメだなと感じていた。

既に投稿済みのサシガメか否か、確認したところ、未投稿と分かった。

種名は、キイロサシガメ。

ここで、このサシガメの特徴として一つ気が付いたことを挙げると、身体の大きさの割に、このサシガメは飛翔出来た。逃げる際に、飛ぶ行動も混ぜていたのである。

さて、このサシガメの生息分布は、国内は、本州以南、対馬含む九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の分布は、韓国、台湾、中国東部、東南アジア、インド南部やスリランカに生息しているようである。

習性としては、湿地を好み、ケラなんかを捕食しているサシガメのようである。そう考えると、国内外共に、生息分布が稲作水田地帯と被っているようにも見えて来る。

先ほど、飛翔出来ると記述したが、我家の立地も、水田から5-600メートルは距離がある。全て地表を歩いて移動して来たというよりは、飛翔して来たと予測する方が、無難な気がする。

ちなみに、都道府県が独自に定めるレッドデータでは、埼玉県が絶滅危惧II類に、高知県と愛媛県が準絶滅危惧種に指定している。

オオトビサシガメ? 幼体 Isyndus obscurus (Dallas, 1850)

最近、近隣で、この細長いカメムシというか、おそらくサシガメの幼体に出会い、写真に撮っていた。

体長12ミリぐらいだったと思う。

翅がないことから幼体であろうと推測したが、結構長い手脚も相まって、幼体にしては大きいなと感じる。

特徴としては、爪が一本なのと、触角の先の方が黒とオレンジのまだらになっているところであろうか。これらに、手脚の長さを含めた全体的な印象と合わせて眺めた時に、オオトビサシガメの幼体として紹介されている画像と一致して来るのである。

ところで、日本のサシガメの中では大きくなるらしいオオトビサシガメの成体を、まだ私は見たことがない。そして、興味深いのは、このオオトビサシガメが、クサギカメムシを餌によくしているという情報である。オオトビサシガメもクサギカメムシも、どちらも越冬すると思われるが、クサギカメムシの越冬場所に合わせて、オオトビサシガメも越冬していると思われる習性の報告も目にした。

確かに、今回、初めてこのオオトビサシガメと思しき昆虫を見かけた場所は、時期によってはクサギカメムシとツマキヘリカメムシが、大量に集中して集まってくる場所ではある。

最後に、このオオトビサシガメの生息分布は、国内は、本州以南……九州までとのことである。海外の生息分布は、韓国、台湾、その近辺の中国といったところであろうか。

本種が属するオオトビサシガメ属には、国内では本種一種しか属していないとのことである。

ビロウドサシガメ Ectrychotes andreae (Thunberg, 1784) 2nd

約10日前に、近隣で見かけて写真に撮っていたサシガメである。

3年前の5月にも、同種の投稿はしているが、その時使った写真よりも良いものが撮れたと思うので、再投稿してみる。

大きさは、体長13ミリぐらい。

種名は、ビロウドサシガメ。

腹部を撮った写真。

生息分布の方は、国内は、本州以南……九州含む近海を経て……沖縄本島含む南西諸島まで。伊豆諸島や小笠原諸島にもいるようである。海外の方は、朝鮮半島(おそらく南部)、台湾、中国東岸、あとは、ミャンマーやタイの辺りで確認されている。ちなみに、南西諸島や南の方の個体は、腹部のサイドにもうちょっと赤みが入るらしい。

このビロウドサシガメは、アカシマサシガメアカサシガメシマサシガメと違い、草本類の上を移動しているのを目撃できるタイプのサシガメではなく、地面に接した石や板をひっくり返した時に目撃出来るタイプのサシガメかもしれない。

上の写真の個体は、立派な上翅を持っているが、短翅の特徴が固定された系統もいるはずである。ただ、立派な上翅を持っているからと言え、飛翔できるかどうかは、私は掴んでいない。