ムラサキシキブ Callicarpa japonica Thunb. ex Murray

この樹木は、近隣でよく目に出来る落葉低木だが、過去の自分の投稿を確認したら、未投稿である事を知ったので、投稿してみようと思う。

名前は、ムラサキシキブ(紫式部)。

間違いそうな近似種には、コムラサキやヤブムラサキがあるが、コムラサキは、明らかに実の付き方が違う。ヤブムラサキの方は、正直しっかりと確認しているわけではないが、おそらく、上の写真の個体は、ムラサキシキブだと思う。そもそも、それらを、まとめて全て、ムラサキシキブと認識している人達も多いのではないだろうか。

私は、今のところ、この樹木に深い思い入れはないが、今の時期のこの実付きの枝を混ぜた生け花や、一輪挿しに挿されたこの実付きの枝を、何処か訪れた場所で思いがけず見たとしたら、四季を楽しむ余裕のある心に、ひっそりと心打たれる事になるに違いないとは感じる。

そんなムラサキシキブの生息分布であるが、学名にJaponicaと入っているが、日本、朝鮮半島、台湾辺りに濃く拡がっている落葉低木である。そして、世界中に疎に散らばっているが、おそらく、日本含む極東から持ち出されたものが野生化し始めているものと思われる。

タツナミソウ Scutellaria indica

我家の庭の紅葉の古木の株元で、毎年ひっそりと咲いている植物である。

名前は、タツナミソウ。葛飾北斎が描く浮世絵の中の波頭を連想させるような花姿から命名されているとのことである。

この植物は、暖かい地方の植物であり、本州以南が生息域のようである。国外も、寒くないアジア地域には生息しているとの事である。

ちなみに、我家の庭には元々生えていたが、近隣の自然下で見たことは、今のところない。なぜ、我家のモミジの古木の株元に生えているのか、気になるところである。

ニホンハッカ?

最近、近隣の田園地帯を散歩中に、畔に生える雑草の中に、初見の白い小花を段々に咲かせる植物の存在に気が付いた。取り敢えず、写真に撮った。

直ぐに、スマホを使い調べたところ、ハッカの仲間だと分かった。

となれば、もう一度、その場に行き、葉茎の匂いを確かめてみようと思った。

そして、ちぎった葉の匂いを嗅ぐと、あれッ……想像していたより格段に良い匂い!

想像よりと先入観が入っているのは、ミントやセージの類は、ホームセンターの園芸コーナーで時々購入して庭に植えてきたが、そうした園芸ハーブよりも、格段に鈍い邪魔な匂いが混じらずに、爽やかな匂いが一瞬で体内や脳内に行き渡るタイプであった。最高級な爽やかな匂いである。

同時に欲しいと思ってしまった。色々な利用法があるなとも感じた。

そして、その場所にあったハッカの名残は、いつ頃から自生を繰り返しているのだろうと思いを巡らせ始めた。

ハッカ自体は、江戸時代からは新潟県で栽培され始め、明治に入ると現在の北海道北見市辺りで、大々的に栽培され初めている。太平洋戦後には、アメリカのメンソレータム等に使うメントールという成分の7割ぐらいは、日本からの輸入であったらしい。

しかし、1980年代の半ば辺りから、化学的にメントールという成分を合成出来る様になり、自然のハッカの栽培というものは終焉を迎えたとの事である。なんだなんだ……私達がガムや歯磨き粉で現在嗅いでいるメントールの匂いは自然由来ではなかったのか。

さて、自然のハッカ………自然由来のメントールが、殆ど無くなった時代、本物の魅力を教えてくれる貴重な植物の気がする。冷涼な気候を好んでいそうな気がするが、近隣の町おこしや村おこしに、十分使えそうな植物の気がする。

経済性や利便性にばかりに目が向き、自然の良さに気が付けない鈍感な人達が、増えている気がする。人

人類の進歩と共に失ってきた能力もあるに違いない。